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好きな物がわからないアダルトチルドレン2

食べ物の好き嫌いは個性?

人によって食べ物の好き嫌いは様々です。その人の個性でもあります。
あるひとつの食材が、ある人にとっては好きな物、でも別のある人にとっては嫌いな物、ということも普通にあります。

でもそれはそういうものとして受け止めるので、疑問を持つこともなく一緒に食事をします。
〇〇さんはエビが苦手なんだな。美味しいのにな。と思いながらもそれ以上もそれ以下でもなく知人として付き合いを続けていきます。

理由が明確な好き嫌い

話変わって
これが食べ物ではなく、動物だったらどうでしょうか。
犬がすごく嫌い、恐怖、近寄りたくないって人がいたとして、話を聞いていくと小さい頃に追いかけられたとか何らかのエピソード話がでてきたりしませんか。

そうなんです。
具体的なエピソードから嫌いになった理由を自覚している人は多いのですが、食べ物に関しては「嫌い」のワードで止まってしまい、それ以上掘り下げることは少ないのです。

少ないだけで嫌いになったエピソードをしっかりと話せる人もいます。でも理由もわからず嫌いといっている人が多数派ではないでしょうか。

いや理由はあると。食感がきらいとか、これを食べるとおなかが緩くなるとか、正当性のある理由はあるかと思います。

ではなぜその食感がきらいなのでしょうか。というところまで突き詰めることは中々しないですよね。


カウンセリングでは自分のルーツを探ることで見えてくることがあります。ただしその過去、特にその時の目線のその時の感情は自分が受け入れられる状態になるまでは見えてくることは難しいです。

覚えていないから何となく嫌いだっただけとか別の理由を作って、そのまま本当にそうだと思い込んで嫌いの道をまっしぐらということは、食べ物に限らず山のようにあります。

でも本当の気持ちが見えてきた時に、ああそうだったんだと納得ができ、自分をいとおしく思うような気持ちさえ湧き出てきます。理由があって嫌いになったんだと。

そこまで到達するには、カウンセリングを受けている本人が過去を受け入れる力をつけなければ前に進むことはできません。
アダルトチルドレンには心が痛む過去がいっぱいです。あの手この手で前に進まずに済む方法をあみだしてしまって抵抗をします。

私の場合は多くの依存先を作って、いかにもそれが必要なんだという体でごまかし続けてきました。いえ今でもごまかしはあります。

そこで出てくるのが食べ物です。
嫌いになるにはそれなりの理由があります。

小さい子が苦みのあるピーマンが嫌いというのとはちょっと違います。ピーマンは大人になるにつれ苦みが旨味として好きになっていくことが多いので、そのようなパターンの話は横に置いておきますね。

話を元に戻します。

ご自分が嫌いな食べ物を思い浮かべてください。
それのどこが嫌いと言われたら、色々な理由が出てくることでしょう。
その理由が大義名分だとしたら・・・根元の理由はもっと奥にあります。
人との関わり、空間、世の中の事情、前後の出来事などによって嫌々食べさせられたり、叱責されたり、はたまた食事の時間になると親が夫婦喧嘩をはじめたりなど
食べた時に不快、もっというと屈辱を味わったりなど嫌な感情があったとしたら、その時のことは思い出したくもないし覚えていたとしても嫌な記憶としてインプットされますよね。
その時に、その感情を出せて誰かに聴いてもらえたらよかったのですが、生きづらさを抱える人たちが吐き出せる場は少ないと仮定すれば、抱え込んでしまうことがほとんどでしょう。
屈辱を感じることがみじめすぎて思い出したくなかったとしたら、そうです、人は記憶を忘れていきます。
しかしその食べ物を食べると嫌な気持ちがよみがえることは避けられません。たとえ記憶は無くても内側から込み上げてくることでしょう。

だとしたら「私は〇〇が嫌いだから食べないようにしよう」ということにしておけば
食べなくて済む = その時の嫌な感覚は蘇らずに済む
となります。

心理の世界では当たり前のことですが、一般社会の中ではここまで細かく説明していることはあまりないように思います。

これが分かることで何がいいの?と思う方もいるかと思います。
この過去の屈辱的な気持ちがよみがえり、感じたままに吐き出すことができそれらを受け止めてもらえたら、私たちはその気持ちを消化していけます。好きと嫌いという意思がはっきりすれば、そこに囚われなくなるのです。

このことは、食べ物の好き嫌いに限らず、それ以外のことにも当てはまります。食べ物は自分の好き嫌いをはっきりと表現しやすい部分でもあります。この感覚を自分でつかめることができたら、食べ物以外の人との関わりや出来事の中でも自分の気持ちをはっきりとつかめ、表現することができるようになっていきます。つまり、生きづらさが減ってくるということです。

これらができるのはカウンセリングの場がほとんどになるかと思います。とはいえ、ここまで具体的に話を掘り下げるカウンセリングが、世の中でどのくらいあるかは定かではありません。

自分の食べ物の好き嫌いの感覚をつかむこと、これが自分のメンタルの回復をする中でとても重要なのです。


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