大学受験を控えた高校生へ(直前期編)
こんにちは。ろんです。
以前の記事で、18歳の自分に向けて「大学受験を控えた高校生へ」を書きました。思いのほか多くの方に読んでいただきましたので、今回は直前期編としてその続きを書こうと思います。
高校3年生の12月、10年以上経った今でも直前期の記憶は鮮明に覚えています。当時、大学入試を目前に控えて思ったように点数が伸びず、とにかく焦っていました。今思えば勉強期間が足りていなかったので、焦ったところでどうしようもないのですが、1人では解決できず、一番信頼していた世界史の先生の部屋に駆け込みました。先生はそこで気持ちを落ち着かせてくれ、「一問一答を完璧に仕上げよう」とやるべきことを明確にし、分からない所があればいつでも聞きに来ていいと言ってくれました。
この時期は、自分のことで精一杯で余裕がなくなっており、ちょっとした周りの声に過剰に反応してしまったり、誰も信じられなくなったりする状況の中、その先生の存在は大変心強く思いました。
今の私にできる直前期のアドバイスは何でしょうか。いくつか考えたことを書いていきます。
英語の攻略
私は現在、アメリカにある国際機関で働いており、日常的に英語を使って仕事をしています。英語の文書を100ページ近く読む日もザラにあり、日本語と同じかそれ以上のスピードで内容を理解できるようになりました。そんな私でも、大学受験の英語は結構ムズイです。大意を掴んで、要約することはできます。しかし、制限時間内に完璧に問題を解ける自信はありません。その理由は、大学受験の英語は受験生を落とす試験なので、わざと分かりづらくしているからだと思います。例えば、問題文は学術誌等の一部が抜粋されており、背景知識がない中で、(前段の説明が省略された)ある動物の生態の話や宇宙の起源等の話が唐突に出てきて、瞬時に回答しなければいけません。
このような問題文の英語では、読める文章と読めない文章があり、正答率にバラつきが出て、自分の英語力が伸びているのか不安に思うかもしれません。世界史の一問一答のように、ある史実を覚えたらその問題が解けるといった一対一の関係ではないので、不安に思うのも無理はありません。読めない時はたいてい単語が分からないか、背景知識が欠けていることが多いと思います。
そこで直前期の英語対策では、月並みですが過去問を解くのが最良の方法だと思います。理由は、背景知識と頻出単語を拾える可能性が最も高いからです。同じ長文が繰り返し使われる可能性は低いものの、例えば気候変動であれば、同テーマの背景知識は不可欠ですし、頻出単語があります。また、学術誌やメディア等、長文の出所によって書き方に”クセ”があります。それは発行機関がアメリカかイギリス、または国際的な組織なのか、地理的な要因で変わりますし、想定読者が誰なのかによって書き方も変わってきます。あくまで確率論ですが、当日のテストでは長文の出所が同じであったり、類似テーマが出題されることがよくあるため、練習で学んだ知識が最も応用できるのは過去問です。他教科の勉強時間もあるので、毎日1年分の過去問を解く必要はないと思いますが、毎日、志望校の長文を1つでも読んでおくと、頻出テーマの背景知識や頻出単語、書き方の”クセ”に慣れることができると思います。
テスト本番の心構え
どれだけやっても受験勉強の準備が間に合うことはありません。みんな本気で勉強していますし、100%受かるなんてことはあり得ません。どのような状態で当日を迎えたとしても、みんな0点からのスタートです。制限時間内に何点取れるかにかかっています。そこまでの過程は採点者には分かりません。サボった日もあったことでしょう。現役も浪人も関係ありません。その瞬間に全てを懸け、受からなければ人生1/80の時間を懸けて浪人することになります。人生の貴重な時間を無駄にしないためにも、最後まで問題に食らいつきましょう。私は試験開始後に数学の問題を一通り眺めて、全問歯が立たず諦めかけましたが、1/80の時間をみすみす無駄にすると思うとハッとし、再度問題に食らいつきました。すると不思議なことに答案の道筋がおぼろげながら見えてきて、ほぼ満点に近い点数が取れました。最後まで何が起こるかわかりません。
受からなかったことを考えると憂鬱になる
人生1/80の時間を”無駄”にすると書きましたが、浪人すること(しないこと)が良いか悪いかは、その時点では誰にも分かりません。その後の自分の行動で自分の選択を正解にする必要があります。私は前述の数学の点数があり、現役合格しましたが、第一志望には受かっていません。しかし、もし私が第一志望に合格していたら今アメリカにいることもないと思います。満足感や全能感からその後の人生について何の疑いもないまま、日本で過ごしていたと思います。大学受験に100%成功することが良かったかどうかは分からないのです。
とはいえ浪人して、また勉強しなければならないと思うと憂鬱になるかもしれません。でも詰まるところ、人生はずっと勉強です。競争力を保ち続けるためには、いずれにせよ学び続ける必要があります。浪人しても大学へ入学しても、少し休めばまた学ぶ気力がまた湧いてくるはずです。漠然とした将来の不安については、全く心配しなくて大丈夫です。大学も社会人も、高校とは種類が違うけど、同じくらい全力で打ち込めば同じくらい楽しいものです。
受験生の皆様は残りわずかの準備期間で焦る気持ちがあると思いますが、心は熱く、頭は冷静に、今日できることに集中しましょう。本番当日は、最後まで問題に食らいつき、今後の進退については結果が出たあとでゆっくり考えればいいと思います。最後まで納得できるように勉強を頑張ってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ろん