カンカンの中のからから
振ると、からからと音を立てそうな私、
中身の詰まっていない、あるとすれば安っぽいプライドと
どこから湧くもわからない妙な人生への自信、というのか、どうにかなるという青い考え、が、飛び跳ねると、いっちょ前に健康な骨と肉のカンカンの中でからからと音を立てて踊りだしそう
何も詰まっていないのに、演じることだけは上手で、
小さいころからそれだけを頼りにして生きてきた
あ、あとは観察力なのかな、
こうすれば相手を喜ばせることが出来る、評価される、
反感を買う、嫉妬を買う、
良く見える
だから、ここまでうま~く、生ぬる~く、生きてこれたんだと思う、
生きてきた環境とかかわってきた人たちのせいにすることも、
そんな自分に嫌気がさすことも、自分を変えようとしたことも、
もうとっくに経験済みで、
もうその境地にいない気がする、
もう自分には振り回されない、自分とうまく距離を取って生きてきた
ここでならうまく、好きな自分、で生きていけると思っていたけれど、
やっぱり
深い人間関係を持とうとすると、
中身のない私を見透かされて、見切りをつけられて離れていくのも、
あれ、思ったより面白くない人と
好きな人たちに思われるのがとても怖くなってしまう、
特に、最近、好きな人ができた、から
でも私はセクシュアルマイノリティで私の性自認も恋愛傾向も一般的なものではなくて
それが私のこの性格が影響しているかどうかは知らないけれど、
深い関係、相手の特別になりたいと思ったことがなかった
でも
今回は違って、
私を見てほしいし、私が独占したい
けどやっぱり、今まで私が対人関係で逃げに逃げ続けてきたことがあだとなり、
何にもできない、
もう後悔の影はそこまで迫っている、いや、もう見えかけている
次は
どこでどんな自分で生きようか、
どうまた違う自分を演じていくか、
と、考え始めているくらいには
度胸がなくて、
また同じことを繰り返そうとしている
どうすれば、成長できるのか、
どこにどう向き合えばいいのか、
自分自身を取り繕いすぎて私が顔を出してもくれない、
ねえ、出てきて、
何を考えているの。
どうなりたいの。
どうしていきたい?私、