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<第7回>Step3-1.書くための題材が集まったら、文章全体の構成(=組み立て)を考えよう〜①構成の必要性とメリットとは?【文章の書き方入門講座】
こんにちは。
戦略マスター頼朝です。
文章の書き方入門講座第7回は、文章の構成(=組み立て)のやり方についてご説明していきます。
「自分が書きたいテーマ(タイトル)は決めたし、書くための題材も取材して集めてきたけれど、さぁ、ここからどうしよう?
どういう具合に文章全体を組み立てていけばいいのかが分からない。」
とお悩みの方は多いです。
そこでペンが止まってしまう方もたくさんいらっしゃいます。
せっかく書きたい気持ちが芽生えたのに、しかも、テーマと題材も決まっているのに、諦めてしまうのはもったいないですよね。
また、せっかく文章を書いて発信するのですから、読み手に分かりやすく伝えられるような文章にしていきたいものです。
そこで、文章を執筆する前の大切な下準備として、文章の構成(=組み立て)を練るようにしましょう。
自分の頭の中を整理して、かつ、読み手に伝わりやすい文章を書くための大切なプロセスになります。
それでは、文章の構成とは、具体的にどのようにしていけば良いのでしょうか?
また、そもそも、なぜ文章の構成をした方が良いのでしょうか?
これからなるべく分かりやすくご説明していきたいと思います。
それでは、行ってみましょう!
戦略マスター頼朝@文章術でブランディング/リーダーシップ論(@6VQGPJH3FHYoZn6)さん / X (twitter.com)
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1.なぜ文章構成が大切なのか?
文章の「構成」とは、取材して集めてきた題材をどういう順序で並べて説明すれば、読み手に伝わりやすい文章になるのかを試行錯誤しながら、文章全体の組み立てを決める作業のことをいいます。
例えるなら、文章の構成とは、文章全体の骨組みであり、設計図であり、地図であるといえます。
つまり、旅行や山登りで言えば「地図」にあたるものですし、建物で言えば「骨組み」や「設計図」になります。
旅行や山登りをする時に地図を持っていきませんと、道に迷って遭難してしまう確率が高くなりますよね。
また、建物を建築する時には、きちんと設計図を書いて、それを職人さんたちの間で共有しながら組み立てていかなければ、安全で住みやすい家を建てられません。
皆さんは、人が書いた文章を読んでみて、支離滅裂で何が言いたいのかが分からなかったご経験はありませんか?
あるいは、本でも仕事の報告書でも、その目次を見た時に一体何を伝えたいのか、意味が分かりにくいものを読んだことはないでしょうか?
私自身も気をつけていることではありますが、何を伝えたいのかがよく分からない文章というのは、文章全体の組み立てが悪い文章です。
文章の組み立てを端的に表しているのが目次ですから、組み立てが悪い文章は、その目次を読んでみても伝えたい内容がよく分かりません。
つまり、支離滅裂な文章になってしまう原因は、構成(=組み立て)がしっかりしていないことにあります。
そもそも、文章を書くことは、家作りに例えることができます。
快適な生活を送れるような家を作るためには、キッチンのすぐそばにむき出しの状態のトイレを配置するような設計はしないですよね。
個室ではなく、むき出しの状態のトイレがキッチンのすぐそばにあるような生活は、不衛生でたまりませんから。笑
家も組み立てが悪いと、住みやすくて良い家にはならないものです。
物事にはやはり、適切な順序や並べ方(配置)があるといえます。
したがって、文章の構成とは、取材で集めてきた題材をどのような順序で並べれば伝わりやすくなるのかといった、適切な順序や並べ方(配置)を考えることなのです。
言い換えれば、どういう順序で何を書くのかを考えて、文章全体の骨組み(設計図、地図)を決めていくことです。
文章の構成がしっかりできていれば、文章全体の筋がよく通るようになるため、伝えたいメッセージが読み手に伝わりやすくなります。
誰が読んでも理解・納得しやすい文章になるのです。
したがって、文章を書く時には(特に長い文章を書く時には)、大切な下準備として文章の構成をすることをお勧めします。
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2.文章構成をする具体的なメリットとは?
ここまでの説明をまとめますと、文章の構成をする目的は、文章全体の論理的な流れを作っていくことにあります。
論理的とは、言葉や文章の前後の意味が自然につながっている状態のことです。
つまり、言葉や文章の前後の意味が自然につながっていれば「論理的な文章」であり、そうではなく、ちぐはぐな状態であれば「非論理的な文章」といえます。
文章の構成をしっかり行うことで、文章全体に論理的な流れを作ることができ、ひいては読み手に伝わりやすい文章を書くことができるのです。
具体的には、文章の構成をすることで、
◯追加取材すべき題材の不足箇所(論理の穴)を見つけやすくなる
◯題材の内容が重複している部分(論理の無駄)を見つけやすくなる
◯文章の構成を考えていくうちに、文章全体の流れ(ストーリー)を思い浮かべやすくなる
などといったメリットがあります。
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3.文章構成は具体的にどうやって作るの?
いよいよ文章の構成をどうやるのかについてご説明していきますが、そもそも文章の構成を具体的に表現した形とはどのようなものでしょうか?
文章の構成=設計図・地図であることからすれば、空高く飛んでいる鳥の目で見るかのように、文章の全体像を一目で理解できるようにしたものが欲しいですね。
したがって、文章の構成を具体的に表現した形とは、「目次(=アウトライン)」になります。
この目次こそが、文章の全体像を表す地図であり、設計図になります。
ちなみに、目次(=アウトライン)が出来上がれば、文章の7割は書けたも同然と言って良いでしょう。
これは私の大学院時代の恩師たちの言葉でもあります。
修士論文を書くための指導を受けた時に、
「頼朝君、論文というものはね、目次が出来上がれば全体の7割は書けたも同然なんだよ。」
と言われ、指導教授をはじめ、多くの教授から目次を作成することの大切さを教えていただきました。
それくらい、実際に執筆し始める前の下準備として、目次の形で文章構成を練っておくことが大切だということですね。
それでは、目次はどのように書いていけば良いのでしょうか?
初心者の方にお勧めな目次の書き方は、1つの話題ごとに「問い」を1つずつ作って並べていく書き方です。
あるテーマについて人を説得するための文章を書いていくというのは、いわば、自ら問いを立てて、その問いに自ら答えるために文章を書いていくといったイメージです。
具体的には、テーマについて思い浮かんだ問いを疑問文の形で書き、それに対して、自らの文章でその答え(結論と理由・根拠)を書き、また新たに生まれてくる問いを疑問文の形で書き続けていくといった感じです。
これは、特に小論文などの、あるテーマに対して自分の意見を説明する文章を書く時に有効な目次の作り方です。
例えば、カレーライスの作り方をテーマにした文章を書く場合を考えてみます。
単純に「おいしいカレーライスの作り方」と書くのではなく、「どうやったらおいしいカレーライスを作れるのか?」というように、疑問文の形で問いを作りましょう。
そして、最初の問いを細分化していきます。
「そもそも、おいしいカレーとはどのようなものか?」
「食材はどのようなものを揃えればおいしくなるのか?」
「どのように調理すれば、食材の良さを引き出せるのか?」
「食べる場所や雰囲気をどのようにすれば、おいしく食べられるのか?」
などといった感じです。
これらの細分化された一つ一つの問いがそれぞれ一つの話題であり、各意味段落(=話題が共通するひとかたまりの文章)を作るきっかけになります。
さらに、これらの各問いがそれぞれの意味段落のテーマになり、その問いに答えるための結論と理由・根拠を書いていけば、意味が伝わる段落として成り立ちます。
そもそも、読み手に伝わるために必要な文章の基本要素は、①テーマ(トピック、話題)、②事実(出来事、人、本)、③解釈(意見、結論)、④理由・根拠の4つです。
そのため、これら4つの基本要素がそれぞれの問いを説明するためのひとかたまりの文章の中に入っていれば、読み手にきちんと伝わる意味段落になるのです。
このように、テーマに関して思い浮かんだいくつかの問いを疑問文の形にして積み重ねて書いていくことで、文章の全体像である目次が出来上がっていきます。
そして、出来上がった目次を見れば、文章全体の流れや伝えたい内容がある程度具体的にイメージできるようになっていることが望ましいです。
本を買おうかどうか迷っている時の場面を思い浮かべてみてください。
まず、タイトルを見て、自分が読みたいジャンルの本かどうかを考えますよね。
そして、気になったタイトルの本があれば、その本の表紙や帯に書かれている推薦文、著者のプロフィール、そして、何よりも目次を読むと思います。
念の入った選び方ですと、「はじめに」と「あとがき」、さらには「奥付」も読まれると思います。
ともあれ、その本を買おうかどうかを判断するための一番の決め手は、やはり目次ではないでしょうか?
目次は、その本に書かれている文章全体の内容を表す地図であり、また、その著者の考え方や世界観が端的に表れているものと言えるからです。
目次をじっくり読んでみて、自分が欲しい情報や興味を引く考え方などが書かれている本だと判断できれば、その本を購入する人が多いと思います。
以上より、伝わりやすい文章を書くための文章構成をするには、(特に初心者のうちは)疑問文の形で目次を書いていくようにしましょう。
ちなみに、この記事の目次も疑問文の形で書いています。
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4.文章構成はカード遊びの要領でやろう
前回の取材に関する記事で、取材して集めてきた題材は、ノートではなく、カードにメモすることをお勧めしました。
取材メモをカードに書いておくことで、構成を考える時に自由自在にカードの並べ替えができるからです。
文章の構成とは、読み手に伝わりやすい文章の流れを作るために、どういう順序で題材を並べていくかを考えることでしたね。
それには、それぞれのメモカードの内容を見て、一番伝わりやすい順序になるように色々とカードを並べ替えながら、試行錯誤する必要があります。
ところが、取材した題材を全てノートに書いてしまいますと、この並べ替えが自由自在にできません。
並べ替えようとしますと、ノートをちぎるしかなくなってしまいます。
しかも、ノートの裏面にまで取材メモが書かれていますと、もはやちぎることもできませんね。
したがって、取材メモは、ノートよりもカードに書いておくのがお勧めなのです。
また、メモカードを利用すると、後から取材して集めてきた題材を自由に追加することができます。
さらには、構成を進める中で不要な題材になったメモカードは、自由に目次から外すこともできます。
そのため、文章の構成を考える時には、以上のようなメモカードのメリットを最大限活用するようにしましょう。
そして、カード遊びをする要領で、
◯同じ内容のメモカードをまとめて、同じ仲間としてグループ化する
◯グループ同士のメモカードのつながり方(関係性)を考えてみる
◯テーマについて自分が伝えたいこととは関係性が低いメモカード(題材)は断捨離してみる
といったことをやってみましょう。
文章構成のためのカード法については、別の記事(第9回)で改めて詳しくご説明します。
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文章構成のためにメモカードを色々と並べ替える時のポイントは、どうやったら自分が一番伝えたい内容が伝わりやすい順序になるかについて、楽しみながら試行錯誤することです。
つまり、頭の中のアイディアが自然発酵するのを楽しみながら待つ感じです。
したがって、読み手に伝わりやすい文章全体の流れ(ストーリー)が思い浮かんでくるまで、メモカードの並べ替えを繰り返しながらじっくり待ちましょう。
それでも文章の構成にどうしても煮詰まった時には、外に出て散歩してみましょう。
古代ギリシャ哲学の一派である逍遥学派は、「逍遥」の文字の通り、散歩をしながら議論をしました。
彼らは散歩をしながら考える方が良いアイディアが思い浮かぶことを知っていたからです。
これについては、以前の第1回記事『文章を書き続けることとお散歩の関係』でご紹介しておりますので、もしよろしかったらご覧ください。
以上、伝わりやすい文章を書くための大切な下準備として、文章構成の必要性とメリット、及び、カード遊びの要領で試行錯誤することについてご説明してみました。
10,000通以上の作文や小論文を添削指導してきた私の経験から申しますと、文章の良し悪しは取材と構成によって9割方決まると思っています。
せっかく文章を書いて人に伝えたいという素敵な気持ちを抱けたのですから、できれば自分が一番伝えたいことが読み手にきちんと伝わる文章を書きたいものですね。
したがって、どんどん積極的に取材して、得られた題材をメモカードに書き、そして、文章の構成をカード遊びをする要領でやってみてください。
きっと、伝えたい文章のストーリーが自然と思い浮かんでくることでしょう。
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最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございました。
次回は文章の構成②(文章構成の型にはどのようなものがあるか?)についてご説明していきたいと思います。
もしご興味を持っていただけましたら、次回作もぜひご覧いただければ嬉しいです。
また、文章を書くのが好きになってくれる方を一人でも増やしていければと思っております。
この試みに共感して下さる方は応援していただけますと大変ありがたいです。
それでは、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
戦略マスター頼朝