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巡回群の生成元の数〈龍孫江の群論道具箱〉
群の中でもシンプルなものとして巡回群を導入しました.群論の課題のひとつに,与えられた群を巡回群の積み重ねに分解できるか?があります.そもそもは E.Galois が「方程式がいつ代数的に解けるか」を明らかにする中でこの課題が浮かび上がったわけですが,シンプルなものの組合せでどれだけ複雑なものが作れるか?というのは素朴ながら興味深い問題と言えます.
しかしながら,そのためにはまず巡回群のかたちについてもう少し明らかにせねばなりません.以下,今回の話を通して$${G}$$を群,$${a \in G}$$を有限位数の要素とします.このとき,位数$${d := \operatorname{ord} a}$$は次のように計算されるのでした:
$$
d = \min \{ n > 0 \mid a^n = 1\}.
$$
補題(冪が単位元になる指数)
$${t \in \mathbb{Z}}$$に対し,$${a^t = 1 \iff t \in d \mathbb{Z}}$$.
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