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Euclidの互除法〈龍孫江の環論道具箱〉

 前回は$${\mathbb{Z}}$$のイデアルの和の性質を観察し,

整数$${a, b > 1}$$の最大公約数を$${d}$$とするとき
$${ax + by = d}$$となる整数$${x, y}$$が存在する

を示しました.ただし,その証明は$${\mathbb{Z}}$$のイデアルの生成元に関する事実を利用したもので,$${x, y}$$をどう見つけるのかは別の問題でした.

 今回は,$${ax + by = d}$$をみたす$${x, y}$$を見つける方法としても有力なEuclidの互除法を紹介します.

https://youtu.be/F9sEi0MsKkg

定理(Euclidの互除法)

整数$${a, b > 1}$$の最大公約数$${d}$$は,次の手続きによって求められる:

  1. $${r_0 := a}$$および$${r_1 := b}$$とおく;

  2. $${r_n > 0}$$である限り,$${r_{n-1}}$$を$${r_n}$$で割った余りを$${r_{n+1}}$$と定める;

  3. $${r_{n+1} = 0}$$となったとき,$${r_n = d}$$である.□

この手続きをEuclidの互除法と呼びます.

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984字

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