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演算が「閉じている」とは〈龍孫江の群論道具箱〉
数学の対象の多くが「器となる集合に,しかるべき性質(公理系)をみたす機構(仕掛け)をのせる」という形で作られています.このとき,部分集合であって機構がその中で完結するものを考えることが重要です.
定義(n項演算)
集合$${G}$$の要素$${n}$$個の順序列$${(a_1, \ldots, a_n)}$$に対して,ある$${G}$$の要素を割り当てる写像
$${ \mu \colon G \times \cdots \times G \to G }$$
を$${n}$$項演算とよぶ.
あえて$${n}$$にしていますが,群論においては重要な演算としては,まず群を群たらしめる乗法(2項演算)と,逆元をとる写像$${G \to G}$$(1項演算)です.
定義(演算が閉じている)
集合$${G}$$の$${n}$$項演算$${\mu}$$を考える.部分集合$${ H \ne \varnothing}$$が
$${ \mu(H \times \cdots \times H) \subset H }$$
をみたすとき,$${H}$$は$${\mu}$について閉じているという.
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