前回は,環準同型$${f \colon A \to B}$$を足場にして,剰余類の全体$${A/\ker f}$$に環構造を定めました.これをより広げていくことが当面の目標です.
補題(イデアルが定める同値関係) $${A}$$を環,$${I}$$をイデアルとする.次で定義される$${A}$$の関係$${\sim}$$は同値関係である.
$$
x \sim y \iff x-y \in I.
$$
誘導される演算〈龍孫江の環論道具箱〉
前回,全単射が誘導する演算と称して,環$${A}$$とある集合$${B}$$の間に全単射$${f : A \to…