整数の剰余類〈龍孫江の環論道具箱〉
前回はイデアルによる剰余類を導入し,準同型の核$${\ker f}$$の剰余類は$${f}$$が定める同値関係による同値類と一致することを確かめました.今回は一般論に進む前に,剰余類の名前の由来となったであろう例について紹介します.
定理(整数の剰余類)
正整数$${n > 0}$$に対し,$${\mathbb{Z}}$$のイデアル$${(n)}$$による剰余類は
$${a+(n) = \{ a + kn \mid k \in \mathbb{Z} \}}$$,ただし$${0 \le a \le n-1}$$
のちょうど$${n}$$個である.
ここから先は
928字
環論の初歩について,基本事項をまとめます.教科書にはあまり書かれない細々とした計算や寄り道っぽい話なども多く取り入れようと思います.購読月中は過去記事をすべて読むことができますので,必要なときだけご購読いただいてもOKです!
龍孫江の環論道具箱
¥400 / 月
初月無料
環論の初歩について,基本事項をまとめます.環論を学び始めた人,もう少し良く知りたい人におすすめです.月6回ほどの更新と,おまけテキストを載…
龍孫江の群論・環論道具箱
¥700 / 月
初月無料
龍孫江の群論道具箱・環論道具箱の記事を同時に読める合冊版です.それぞれ購読するよりはお得な価格設定となっております!龍孫江へのご支援を兼ね…
Twitter数学系bot「可換環論bot」中の人。こちらでは数学テキスト集『数学日誌in note』と雑記帳『畏れながら申し上げます』の2本立てです。