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『職業遍歴』#19 過去にタイムスリップしたような会社
筆者が過去に経験した「履歴書には書けない仕事(バイト含む)」を振り返るシリーズ第19弾。2011年の震災後は不況でなかなか仕事が決まらず。半年以上も経ってやっと見つかったのは二カ月の短期の仕事でした。
19. 教育系広告代理店のデータ入力・編集アシスタント
派遣契約が先方の都合で終了すると「特定理由離職者」となり、失業保険の出る期間が長くなります。私は半年間失業保険をもらいました。
2011年の震災後は、不況のせいかなかなか仕事が見つかりませんでした。それだけでなく、このとき私は重めの鬱を患い通院しており、あまり積極的に仕事探しをすることができませんでした。しかしそれでも失業保険が切れると収入がなくなるので、なんでもいいからなにか仕事をしなければ、となりました。
その年の12月ころでしょうか。ようやく派遣の仕事が決まりました。しかしそれは二カ月の短期の仕事でした。時給も1500円と安かったです。それでもずっと無職状態だったので、なんとか仕事が決まったことにホッとしたのを覚えています。
そこは教育系の広告代理店。とはいえ直近で働いていた広告代理店↓とは天と地ほども違っていました。
高校生向けの大学案内を作っている会社でした。私は編集アシスタントということで入りましたが、実際やらされたのはデータ入力のような仕事でした。営業がとってくる記事をテキスト打ちしてデータ化します。その会社では、驚くことにフロッピーディスクを使用していました。まだフロッピーを使っている会社があるなんて、とびっくりしてしまいました。
編集長も、ちょっと編集者としてどうなんだ?という感じでした。たとえば、予定していた記事が入らないことになり、スペースが空いてしまう、となれば、普通はなにかほかの記事を入れることにするでしょう。ところがその編集長は「それじゃあ仕方ないわね」とスペースをそのままにしていました。本ができあがったとき、本当にそこだけぽっかりスペースが空いていて、かなり変でした。
会社の雰囲気も暗い感じで、全体的に地味な人ばかりでした。皆、黙々と仕事をしています。この人たちは正社員としてここで働いているのに、やりがいとかないのだろうか?こんなつまらない仕事をずっとやるつもりなのだろうか?と疑問に思いました。
この会社では人付き合いもありませんでしたから、実際に社員がなにを思って仕事をしていたのかはわかりません。でも私から見ると、みんないかにも覇気がなく、ただ「安定」を求めて就職して、毎日同じ仕事を繰り返して給料をもらっている、というだけに思えました。
仕事はヒマで、手が空いたときはネットしたりして時間を潰していました。なんの面白味もやりがいもない仕事でしたが、所詮二カ月の短期です。
この会社でのことはあまり書くことがありません。ただ本当に過去にタイムスリップしたような会社というか、時代に遅れているというか、それなのにそれを意に介さずただ与えられた仕事だけやっているみたいな印象でした。
今この会社のことを調べてみたら、今ではネット展開などさまざまやっているようです。当時も私の知らないところでいろいろやっていたのかもしれませんね。派遣社員には会社の経営のことなんてわかりませんから。失礼しました。
二カ月間の契約を無事に終え、再び仕事探しをすることに。短期の派遣って契約が終わるたびに仕事探しをしないといけないから大変です。だからなるべく長期の仕事を希望していたのですが、当時は今より不況だったのかあまり長期の案件がありませんでした。
次の仕事が見つかったのは三カ月後でした。しょっちゅう仕事探しをしないといけない派遣はもう嫌だと思い、紹介予定派遣の仕事を選びました。そこは健康食品を販売している会社で、私は会員誌の編集を任されました。そこで私はとてつもないストレスを抱えることになります。