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デュファイ:ミサ「私の顔が青ざめているのは」

演奏会のご案内です。
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スコラ・ポリフォニカ名古屋 第2回演奏会
デュファイ:ミサ「私の顔が青ざめているのは」

15世紀ルネサンス音楽の巨匠ギョーム・デュファイ。今年は没後550年になります。
――長らく17世紀以前の音楽は未開の分野だったわけですが、古楽復興の動きでこの30年ほどでかなり研究が進みました。音大・芸大の西洋音楽史の授業でもほとんど上澄みをするっと通り過ぎただけでした。
しかし、日本でも留学等で長くオランダやフランスに渡った方々が持ち帰ってくだっさものを伝えてくれ、草の根的にようやく普及してきた感があります。インターネットの発達もかなり大きいでしょう。昔はヨーロッパの図書館に何とか英語で手紙を書いたりして手に入れた楽譜が、今ではいつでも写本(当時の楽譜)をダウンロードできるのですから。

私たちは、現代譜に書き換えられたものでなく、この当時の楽譜を見て歌います。現代譜の合唱曲はパートが縦にならんでいますが、この楽譜はパートごとに個別に書かれており、頼るは「耳」のみ。他のパートがどのように自分のパートと絡んでくるのかは「目」ではなく、耳で聞いて覚えていくことが大事になってきます。今では使われないそろばんのような菱形の音符や、こいのぼりのように平行四辺形に長く伸びた音符。テトリスみたいに四角と四角がくっついた音符・・・。これらを読むのに慣れてくると、もう現代譜に置き換えられた楽譜はかえって難しくて歌えません。そして、グレゴリオ聖歌のネウマに始まり中世、ルネサンス、バロック…と追っていくと楽譜の変遷がわかって大変に面白いものです。

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さて、今回の演奏会で取り上げるデュファイのミサ。
「私の顔が青ざめているのは」は、もともとデュファイが作った世俗曲(いわばポピュラーソング)で、恋を歌ったものです。この曲が大変に流行し、ミサの定旋律にしてミサ曲を作りました。ミサ曲は①Kyrie②Gloria③Credo④Sanctus⑤AgnusDeiの5つの部分からなっています。この曲は4声でできていますが、テノールは一貫して常にこの「私の顔が青ざめているのは」を歌っています。歌詞は、それぞれの歌詞(お祈りの言葉)に代わっています。しかし、ここでデュファイの工夫したところは、時にこの定旋律が、音の長さが2倍になったり、3倍になったりすることです。このようにして曲に変化をつけ豊かなものにしています。

合唱をやってる人で「ルネサンスの宗教曲」というとコンクールなどで課題になる曲で歌ったり聴いたりして、奇麗だけどちょっと退屈、とかあんまり面白くない、というイメージを持つ人も多いかもしれません。これらの多くはルネサンスでも後期にあたる作品で、作曲法はかなりシンプルになっています。私たちが今回演奏するデュファイ、またその周辺(ジョスカン、オケゲム、ラ・リューなどなど)はルネサンス前期にあたるもので、複雑に各声部が織りあっていきます。それだけに響きは豊かで、取り組んでいても面白いものです。まだ紙もままならない時代に、このような複雑で緻密かつこの上なく美しい曲が書けることは驚異的です。確かに言葉はお祈りですし、ビート感や格好いいリズムもありませんが、その感動とともに日々練習に励んでいます。

日時:2024年3月23日(土)15時開演
会場:オリナス一宮(愛知県一宮市本町2-4-34)
料金:2,000円
予約・問合:schopoly.n@gmail.com(スコラ・ポリフォニカ名古屋)
アクセス:JR尾張一宮駅・名鉄一宮駅より東(商店街のほう)へ徒歩8分
バスの場合:両駅東口より、iバスで「市役所北」下車、徒歩3分

名古屋駅からも、JR東海道本線「大垣行き」快速で乗車時間10分、とアクセスしやすいです。
★会場のオリナス一宮は、旧名古屋銀行で1924年に建てられた。設計は建築家の鈴木禎次。夏目漱石の親戚となり、漱石の小説にも彼の名前が登場する。ホールは石造りの教会のように豊かな残響を有し、3年前より一宮市の運営で演奏会やイベントでの貸出を開始、ここ最近は古楽演奏会でもよく利用されている。一宮市役所の西隣に位置する。
施設案内 オリナス一宮|一宮市 (city.ichinomiya.aichi.jp)
一宮市は「モーニング発祥の地」。喫茶店もたくさんあります。ぜひお寄りください。

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◆スコラ・ポリフォニカ名古屋
花井哲郎先生の指導のもと、グレゴリオ聖歌及びルネサンス時代のポリフォニー音楽を当時の楽譜(写本)とスタイルで演奏するアンサンブルグループ。
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