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[西洋の古い物語]「ハロウィーン」
こんにちは。いつもお読みくださりありがとうございます。今回は、グリム童話より、ちょっと怖いお話です。ご一緒にお読みくださいましたら幸いです。
※ 暖かそうな素敵な暖炉の画像は、フォトギャラリーからお借りしました。ありがとうございました。
「ハロウィーン」
昔、とても強情で、年長者の言うことを決してきかない女の子がおりました。この子がどうして幸せになれましょうか。
ある日、彼女は両親に言いました。
「おばあさんの魔女のことをいっぱい聞いたわ。私、魔女に会いに行く。すごい魔女だってみんな言ってるし、おうちには素晴らしい物がたくさんあるんですって。私、見たくてしかたがないの。」
しかし、両親は行くのを禁じて言いました。
「魔女は邪悪な年寄りで、罪深い仕業をたくさんするんだよ。魔女に近づいたら、もうお前はうちの子ではないよ。」
しかし、少女は両親の言いつけにも考えを変えようとはせず、魔女の家へ行きました。
彼女がそこに着くと、老女は彼女に尋ねました。
「お前さんはどうしてそんなに青ざめておいでだえ?」
「ああ」と少女は全身ぶるぶる震えながら答えました。「たった今見たものにびっくりしちゃったの。」
「で、何を見たのかえ?」と魔女は訊きました。
「階段のところに黒い人がいたわ。」
「それは炭焼き人だったのだよ。」
「それから灰色の人も見たわ。」
「それは賭博打ちだったのさ。」
と老女は答えました。
「それから、血のように赤い人を見たの。」
「それは肉屋だったのだ。」
と老女は答えました。
「でも、一番びっくりしたのは」と少女は続けました。「窓から覗いたら、あなたじゃなくて、炎みたいに燃える頭をした何かがいたの。」
「それじゃお前さんは本来の姿をした魔女を見たわけだね」と老女は言いました。「長い間お前さんを待っていたのだよ。さあ、灯りをおよこし。」
そう言いながら魔女は少女を木の塊りに変え、それを暖炉の火の上に投げ込みました。そして、木の塊りに十分火がつきますと、魔女は炉端に腰をおろし、暖まりながら言いました。
「なんていい気持ちなんだろう!火がこんなふうに燃えたことは長い間なかったからねえ!」
「ハロウィーン」はこれでお終いです。
ハロウィーンには魔女の仮装をした人を多く見かけますね。今回はハロウィーン自体というよりも、魔女にまつわるちょっと怖いお話でした。ハロウィーンの夜は、仮装パーティで楽しむもよし、じわじわと背筋に来るこんな物語で怖がるもよし、ですね。
この物語は以下に収録されています。
今回も最後までお読みくださりありがとうございました。
次回をどうぞお楽しみに。
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