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【10年前の眼差し】自画像:Reflections  Gallery58

銀座のGallery58で「自画像:Reflections」が始まった。
今回の目的は赤瀬川原平さんの自画像を見ることだ。

2014年10月18日から開催された町田市文学館ことばらんどでの個展開催時のポスター原画である。

2014年の10月25日にベビーカーを押しながら見に行った。

2014年10月当時。
鳥好き次男、まだ赤子じゃないか。



10年前だ。長男も2歳だし次男なんか生後6ヶ月になるかならないかだ。


当時のSNS投稿。浮かれている様子がわかる。

そのポスターの前で記念写真を撮って。
久しぶりの赤瀬川原平さんの個展だし、このあとには千葉市美での個展開幕も控えていたしうきうきしながら展示を楽しんだ秋の日だった。
そして10月27日の朝刊で26日に赤瀬川原平さんが亡くなった、ということを知る。
自分たちが見に行った次の日に亡くなったのだ。
未だにあの日の朝のことは忘れられない。
あぁ80歳までいけなかったかぁ…とか、見に行った日までは心臓が動いていたのだな、とか不思議に思ったことも思い出した。

展示概要


ネオ・ダダをはじめ、戦後の美術界を牽引してきた美術家8名の自画像を紹介します。自画像と聞いて思い起こすのは、回顧展の入口に飾られる若かりし作家の姿や、苦悩や矜持を滲ませた巨匠たちの名画、そしてSNS上に溢れ返るセルフィー(自撮り)もまた現代の自画像と言えるのでしょうか。いずれにしても、自分の顔は鏡やレンズを介してしか視ることができないので、自己の姿や思想、時代性などを、自らの表現によってリフレクト=反射/内省/投影して、立ち現れてくるものが自画像と言えるかもしれません。

 本展では、1960年に結成した伝説の前衛芸術グループ「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」で従来の芸術概念に反旗を翻した赤瀬川原平、篠原有司男、田中信太郎、吉野辰海、「ハイレッド・センター」で先鋭的な活動を繰り広げた赤瀬川、中西夏之、ブリキ彫刻や都知事選パフォーマンスで知られる秋山祐徳太子、独学で写真を始め、時間の痕跡や記憶を表現し続ける石内都、「絵画者」を名乗る中村宏の、1950年代から2024年の最新作まで、22点の自画像を紹介します。ネット上にセルフィ―が溢れ、AIが驚異的な勢いで進化するいま、「自画像」について再考します。

Gallery58


お目当ての肖像画。10年ぶり。



Gallery58のスタッフの方が大変丁寧に解説してくださり、すごく楽しいひと時を過ごせた。

今回この自画像は赤瀬川さんの奥様が所有していたものをお借りしたそうだ。
「押し入れから出してきてくださって」
とギャラリーの方。
「え、ニラハウスの押し入れですか!」
「そうなんです、ニラハウスの」

なんてやりとりしつつ。
いろいろ話し込んでいたら、資料やらなにやらもご紹介してくれて大変ありがたかった。
この自画像が描かれたスケッチブックの他のページには写生旅行の際に使用していた物らしく。

そしてライカ同盟3名で旅をした際も実は写生もしていたとのこと。知らなかった!
ん?という事は高梨豊さんも絵をお描きになるのですか?と尋ねたら
「そうなんです、お上手なんですよ〜、その時の写生の絵じゃないけど資料あります!ご覧になってください」と1996年の別冊太陽の赤瀬川さん特集を見せてくれた。

うわ、欲しい…
えー!セザンヌの模写!


わ、セザンヌの模写か!これ面白いな!

この雑誌良いですね〜!という話から大分市美のネオ・ダダ展の話へ。
98年の展示図録もあり、見せて頂いた。

1998年…

うーん、この図録欲しい…と言うのが顔に出てたのか「大分市美のミュージアムショップに問い合わせてみたらまだ在庫あるかもですよ」とのこと。
マジか。98年の図録、買えるか!
次の日早速大分市美に問い合わせたら、在庫があり、購入の手続きができた…嬉しい…嬉しすぎる。早く届かないかな。

少しさびしかった気持ちが元気になった


今回のメインビジュアルは中西夏之氏の作品。
これも非常に珍しい。
自分自身をモチーフにした作品を初めて見た。
2012年の作品。

ドットは穴
キービジュアルの画像
いい目だな、めっちゃカッコいいな、パンクだなー!



色んな思いと時代がギュッと詰まった展示スペース。
大きな美術館ではなくても、研究や考証は至る所で進められているのだな、と嬉しく思う。

今回の展覧会での図録も発行している。
ゆっくり読むぞ。

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