【彫刻ってなんぞや?を作る人も見る人も考えている】AGAIN-ST ルーツ/ツール 彫刻の虚材と教材 武蔵野美術大学美術館
2022.12.18訪問
まず、私は富井大裕さんの作品が好きという前提がある。その彼が教授として活動する武蔵野美術大学彫刻学科がどんな事をしているのかが気になっていた。
どこで手に入れたチラシか忘れたが、気になると情報は集まるもので、冨井さんが所属する「彫刻を考え直すグループ」の展覧会があるので見てきた、という話。
冨井大裕氏の作品は、「MOTアニュアル2011世界の深さの測り方」で見たのが最初だ。
東京国立近代美術館に「折り紙彫刻」が収蔵されたのを目の当たりにした時は思わず展示室で笑ってしまった。
昨年末、アートスレージホテルでトンカチの羅列を見た時あ、これは彼じゃね?と見当がつく様になっていた。
レディメイド?オブジェ?彫刻?なのか。
この辺の認識が自分の中で曖昧だったことに気がつくきっかけになった。
さて彫刻。
立体作品は好きだけれど全くノータッチな世界。
絵画は習ったり実技試験を受けたわけだが
立体は…
あれ?でも私は服飾を学んだ訳だからもう立体というか、そうだよ、だから惹かれるのだ立体や彫刻に。
立体作品は見る角度によって見える世界が違うというのが最大の魅力だと私は思っていた。
服は平面の世界(パターン、布切れ)から立体に組み上がる(縫製)、2次元→3次元になる過程が面白く難しいのだ。
では彫刻はどうなのか。
勿論学生の頃学んだ訳ではないので基本的な制作工程や構造の話や素材の話は補助知識を読みながら展示を見た。
これが面白い!!
特に骨組み、土台とも言われる心棒の話。
道具にまつわる私的で詩的な世界。
彫刻って何だ?という答えは彫刻を教えている側も簡単に見つかる答えではないのだ。
ならば見る方もわからないのならば「わからなさ」を楽しめば良いのではないか。
そんな事を思い、考える企画展だった。