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【木が石へ水へ】 戸谷成雄 彫刻 埼玉県立近代美術館

長野県出身の彫刻家、戸谷成雄の回顧展。学生時の作品から最新まで網羅的に見ることができる展覧会である。

一つひとつがでかい戸谷成雄の彫刻。
展示室に複数体並べて展示する作品も多く、並べるだけでインスタレーションである。

どん!



先日世田谷美術館で見た作品と同タイプの「森シリーズ」もあったが、展示の方法と鑑賞ルールが違い、埼玉近代の展示では複数体の間をすり抜けて見学もOKだったことに驚いた。

森。間をすり抜けてよい。

本当に森の中を歩けるような、そんな感覚になる。
彫刻の肌感を間近で感じることができると立体鑑賞はぐっと面白くなった。

作品のデッサンも展示がしてあり、そのデッサンがどの彫刻になったのかを見当をつけながら見るのも楽しい。

《森の象の窯の死》

《森の象の窯の死》という作品を見ると森羅万象という言葉が頭をよぎる。


彫る、というより斬りつけるという表現が合うのだろう。(公式情報には「彫り刻む」という表現が使われていた。初めて聞くな)
チェーンソーで荒々しく切りつけてながら生まれる表面のテクスチェーは木という素材からから離れ、石のようにみえる作品もあった。

これは石に見える

かといえば、《森の象の窯の死》などは少し離れてみると水が流れているようにも見えることもある。

洞窟のような。
私は耳に見えた。
この吹き抜けの上から見ないと中身の全貌は見えない。
シンプル

やはりワンマンは面白い。1作家をまとめてみることで大きな制作の流れが見え隠れする。
彫刻不遇の時代と言われていた時期にしっかり制作を続けてきた作者。
今後もどんな作品が見れるだろうか。



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