進まないバタアシ
バタアシだけだと全然進まない
泳ぐ時に、そんな体験をした方はいないでしょうか?これ、実は先日ロルフィング®︎のセッションの中でクライアントさんがつぶやいた一言。
そして私は、、、激しく同意!
ものすごくよくわかる!!
何を隠そう、私もクロールよりも平泳ぎが早いという、体育の先生泣かせのバタアシ下手だったから!
でも今は素人なりにそれなりに上手にスイスイとバタアシで進めるようになりました。そんなわけで、今回は、水泳できる人ではなく、あくまで水泳素人の私の観点から、バタアシがうまくいかない理由、それの改善策、そして実はそれと日常が繋がることについてふれていきたいと思います。
あなたもひょっとしてバタアシ下手??
バタアシで泳いでも泳いでも景色が変わらない。それも、大海原とかではなく、プールなのにも関わらず、メートルを表す数字が変わっていかない。一生懸命キックしてるのに、あれほど切ないものはありません。
子供の頃にスイミングスクールなどに通うと、クロールなどをする前にバタアシをしっかり練習するんだと思うんですが、大人になると、なんとなくそんなことも忘れて、ひとまず腕で水をかき進んでしまいがち。
だから、ひょっとしたらクロールで泳げてると思っても、ビート板をもってバタアシだけで進もうとした時に、進まないこともあるかもしれません。
平泳ぎが好きな理由が、実はバタアシが苦手という人もいるかもしれないし、背泳ぎが苦手な人の中にはバタアシがうまくいってない人もいるんじゃないかなぁ、なんて。
バタアシで進まないのはなぜ?
一生懸命バタアシしてるのに、なかなか進まないのはなぜなのか。キックの仕方が悪い、と言われればそれまでなんですが、素人目線でもいろんな理由が考えられます。
①腰が反りがち
私がこのタイプでしたが、骨盤が前傾して腰が反っていると、バタアシの時に使いたいお腹の奥から脚に繋がる筋肉がなかなか使えないのです。
②猫背、腰が丸まりがち
このタイプは、脚全体を伸展(泳いでる時のうつ伏せの状態だと、バタアシで脚を上に上げる動き)がしにくく、違った意味で①同様、バタアシで活かしたい筋肉が活かしにくいのが難点。
③力みやすい、緊張しやすい
緊張したり、力みやすい時というのは、身体が本来自然に使ってくれる奥の方の筋肉が働きにくい状態になっています。泳げるのに、思わず足をとられて溺れてしまった時に、あせってしまって泳げない感じに通じています。なので、これもまたバタアシで活かしたい筋肉が働きづらいケース。
④膝下だけでキックしてる
これは私も水泳の先生に言われたことがある気がしますが、これは、上記3つの理由などでうまく使いたいところが使えないがゆえに起こってしまったり、イメージの問題なのかなと思います(そもそもどこでバタアシをするのかわかってなかったり)
そのバタアシで活かしたい筋肉
あまり1つの筋肉にフォーカスするのは好きではないんですが、わかりやすいのでフォーカスしておくと、その、バタアシで使いたい筋肉というのは大腰筋と呼ばれる筋肉です。(詳しくはWikipediaのリンクつけてあるのでご覧ください。)
簡単に言うと、お腹の奥(内臓より奥)にあって、背骨の正面側に張り付き、そこから大腿骨(股関節の近くのエリア)に繋がる筋肉です。ステーキやトンカツで聞く『ヒレ』と呼ばれる部分で、長ーくてしっかりした、木のねっこのような筋肉です。
脚って実はお腹(といってもまぁまぁ上の方)の奥から始まっていて、誰しもが見た目より長い脚を持っているんです。胸で切替のあるワンピースとか着ると脚が長く見えますけど、まさしくそんな感じ!
背骨の正面側に左右に分かれてついていて、そこから左右の脚に繋がる。ちょっと人の字っぽい感じ。
どうしたらそこ使えるの?
それが問題。ここの筋肉を使うぞ、という意識もいいんだけれど、それで使える人はおそらくバタアシが進まないのはなぜか、のセクションの④で書いたように、ただただバタアシのイメージが違っただけなのかもしれません。
多くの場合は、意識したところで、そもそもそこが使いにくい姿勢にいるため、使いづらいことが多いかと。
①の反り腰タイプは反り腰を改善させたいし
②の腰が丸まるタイプは、腰が伸びるようになりたい。
じゃぁ、お腹にグッと力を入れて反り腰を見た目反り腰じゃなくしたり、腰をえいっと反って見た目猫背じゃなくなればバタアシが上手くなるかというと、残念ながらそれも難しい。
なぜなら理由③です。力んで姿勢を整えたところで、力みがある以上、なかなか大腰筋は自由に働いてくれにくいことが多い。力みや緊張もバタアシを下手くそにさせてしまうんです。
改善への一番の近道?
なので、1番の近道は、その筋肉が働きやすくなる姿勢になるトレーニングなどをすることかもしれません。
その筋肉が働きやすくなる姿勢は、陸地で楽に立った時に、比較的地面に対して垂直に近い状態になる姿勢です(もちろん背骨のカーブとかはありますが)。“楽に立った時に”というのがポイントですね。
バタアシに限らず、水の中で泳ぐ時、よく言われることかと思いますが、抵抗力が少ない方が、早くなるし、楽に泳げます。
そしてそれは陸地でも同じ。
重力に対して抵抗が少なく、凸凹が少なく、つるーんとしている方が、身体は楽だし、あるがままの素材をいかして動きやすい。
お腹の奥の脚から爪先までが繋がり、そこで“2つに割いたカニカマ”のようにバタアシできると(この表現伝わるだろうか…)、バタアシする時に背骨や骨盤が左右に大きく揺れることも少なくなり、スイスイいきやすくなります。
→陸地では、ここがつながると、スイスイ歩きやすくなります!
最近見た中で、本当に気持ちがいい素敵な泳ぎ方だなぁと思ったのは、この夏のオリンピックで金メダルを獲られた大橋悠依選手。全身がつるーんとしていて、水の中を“いきもの”がスイスイ泳いでいくようでした。
日常にヒントがある
バタアシが上手くなりたい、とプールの中で練習するのももちろん大切ですが、そもそも日々のほとんどを過ごしている陸地での姿勢に意識を向けてあげるのは、かなりの近道になるかと思います。
そしてざっくり言ってしまうと、日常での姿勢のあり方に意識が向けられるようになると、バタアシに限らず、各種パフォーマンス(運動、芸術、などなど)での身体の使い方も改善しやすかったりします。
まずは日常の中で、力んだり、緊張させて使っていないかに気付くことです。ここに気づいて、この力を抜いていきます。(時に力を抜くって難しいけれど、よかったらこちら読んでみてください)
力を抜いちゃうとひょっとしたら一見姿勢が悪くなったように見えるかもしれません。でもまずはそこから。その姿勢からトレーニングやストレッチなどをして“力まなくても”なんとなく良い感じの姿勢で立てるところを目指したいところです。
最後にまとめると、バタアシを成功させるにはこう!というテクニックはないけれど、日々の「力み」と「姿勢」を見直してみるところから始めてみませんか?
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