
頭の落ち着きやすい位置の見つけ方
姿勢などに興味がある人と話しているとよく出てくるのが「頭の位置がいまいちよくわからない」「落ち着かない」という言葉。
頭の位置について話すためには、姿勢にも触れなくてはいけなくなるので、今回は、さらっとそこを触れつつ、おすすめの頭の位置の取り方をシェアしていこうと思います!
シンプルに見る、目安になる姿勢
「良い姿勢」という言葉を使ってしまいがちなんだけれど、できたら使いたくない私。なぜかと言えば、良い姿勢って、個人によっても、その瞬間によっても異なってくるから。
なので、目安になる姿勢とか、理想としたい姿勢という感じで、すんごくシンプルに紹介してしまうと
足の上に骨盤が、骨盤の上に肋骨が、肋骨の上に頭がある状態。
↓

よく、良い姿勢と言うと、背中を壁につけたり、耳とか肩とかの目安になる点をつないで表現していたりするけれど、
これくらいざっくりな方が、変に細かく意識しておかしな方向に行きづらい気がしていて私は好きです。
背骨のカーブがどう、とか、骨盤の傾きがどう、とか、それも良いけれど、まずは、全体として、足の上に骨盤、その上に肋骨、その上に頭があるんだろうか、、、というところから始めるのがシンプルでおすすめ。
(もちろん、頭の下に肋骨、肋骨の下に骨盤、骨盤の下に足、というのもOK)
ここでうまくいかない時に、その原因が背骨のカーブにあったり、骨盤の傾きにあったり、脚の状態にあったりしてきますからね。まずは、ざっくりバランスが取れてるかのチェックを。
頭の位置と目の使い方の関係
で、足、骨盤、肋骨、がひとまずOKだったとして、頭の位置。
頭には感覚器がたくさんついています。目とか、鼻とか、耳とか、口とか。なので、感覚の使い方にとても左右されやすいのが頭です。
その中でも目に関しては、最終的に水平ラインを整える役目もしているので、目の使い方は頭に大きく影響します。
そして、今回目の話をするにあたり気を付けてもらいたいのが、例えば
【見上げる】
と伝えた時に、
①上目遣いにするように、目だけで見上げる
②顎を上げるようにして目全体の位置を変えて見上げる
と、ざっくりとこの2通りの方法があるということ。(もちろん、完璧に2通りではなく、ゆるくミックスされていたりはしますが)
①だと頭の位置は変わらず、目の玉だけが動いてる
②だと目の玉はそこまで動かず、頭の位置が変わってる
どちらが正解ということでもなく、ひとえに「見上げる」と伝えても、いろんな使い方をする人がいるよ、ということです。
基本的に視線はそれなりに前方へ
上記で、「目は最終的に水平ラインを整える」と書きましたが、例えば、歩く時。基本的には何かにぶつからないようにするのと、平行バランスをとるために、視線は「それなりに前方」を向いています。
そして、その「それなりに前方」を見る時にも、先ほど挙げたように、目の玉を主に使って見る人から、頭を動かして見る人から様々。
だからこそ、頭の位置がなかなか落ち着かなかったり、わかりにくかったりするんですよね。頭の位置を理想的なところに変えたところで、視線をどう使うかでそこに安定してくれないので。
頭の位置が落ち着きやすくなる目の方向
目は基本的に正面向き。「それなりに前方」でも、やや下とかではなく、まっすぐ前。
と書いたところで、それはどこなんじゃーい!ってなるので、私が使ってるざっくり目安をいくつかシェアします。
①メガネのツル

メガネをかけてる人は、メガネのツルを目安にするのがおすすめ。ツルが地面に対して真っ直ぐになるところです(ツルがデザイン性があるものを使ってる人はそこらへん考慮を笑)。
メガネをかけてない人でも、メガネをかけてるイメージでうまくいけばそれで良いし、サングラスとかでも同じことが言えるので是非♡
②黒目の位置
鏡で目を見た時に、黒目が「なんとなく目の真ん中」にある位置を目安にすることもできます。
鏡で目を見つめながら顎を引いて見ると
→上目遣いな感じになる
=黒目が上寄り
になるし、
鏡で目を見つめながら顎を上げると
→黒目が下寄り
になりますよね。
これの真ん中らへんくらい。わからなくても面白いからやってみるのオススメです。
③頭の後ろ側
頭の後ろ側にお面をつけていると思って、そのお面の目がちゃんと後ろを向いている…
というイメージも、私のロルフィング®︎のクライアントの皆さんには人気なイメージ。わかりにくければ、ぜひ本当にお面をつけてもらえたら!
自分が下を見すぎていれば、後ろのお面は空を見上げているし、
自分の顎が上がりすぎていれば、お面は下を見ているし。
お面は真後ろを向いてるところだと、良い感じです。
なんだかんだで肋骨も…
頭より下のバランスがある程度上手くいっていれば、上記な感じでかなり頭のおさまりは良くなります。
なんだけれど、そりゃぁ他の体の部分も大きく影響しますよね。特に近いところにある肋骨。簡単な例を2つ挙げておきます。
①胸を反りすぎタイプ
いわゆる良い姿勢と言われがちな姿勢にいるタイプの場合。ヨガ、ダンス、バレエなどでよく見るタイプですが、
このタイプは比較的、顎を引きすぎてしまいやすいタイプです。顎を引きすぎるがゆえに、視線は上目遣いになりがち。
見た目的に頭の位置がおさまっては見えるんだけれど、肩こり、首痛、頭痛、目の疲れはとても起きやすい。
肋骨が関節を作ってる背骨の胸椎は「後弯」と言って後ろに丸くなってるのが普通。胸を反りすぎると、胸椎の後弯が少なくなって平らになりがちなので要注意です。
②猫背タイプ
いわゆる、背中が丸くなりがちなこのタイプ。こちらはメディアでもよく取り上げられるので詳しい人も多いと思いますが、顎が上がり、頭は前に出がち。
背中の丸みが強いと、その状態で「それなりに前方」を見るためには顎を上げる方法をとるしかないことが多いのです。猫背の状態で首が楽な位置って、お顔が下を向いてる状態ですからね。
なので、猫背タイプの場合は、頭を持ち上げて前を向くより、本当はちょっと体を動かして胸が開くようになってくると、自然に顔が前を向きやすくなったりします。
また、このタイプはとても口呼吸になりやすい状態でも!!鼻呼吸を頑張るよりも、少し胸が開きやすくなるようにした方が、結果、少し楽ちんに鼻呼吸ができるようになるかな、と思います。
頭の位置だけ直すのは難しいけど…
頭の位置だけ改善する、というのは難しい。だって、頭って、波波しているしなやかな背骨の上に乗っかっているものだから。
頭の意識をさせて改善させるアプローチ法もあるけれど、私は個人的にとても苦手でした。
なので、頭の意識だけしてもイマイチ頭がしっくりこないんだよな、という人は、
まずは、最初の絵のように、頭、肋骨、骨盤、足のポジションをざっくりチェック。
問題があれば、そこを改善できるようにアプローチしてあげるのがおすすめ。
そして、ある程度バランスが整ってるのに、頭がしっくりこない人は、目の使い方や、ちょっとした肋骨の使い方をチェックしてみてください。
頭は確かに重い。首はそんな頭を支えてて大変なんだ、なんて話をよくメディアで耳にするけれど、頭がある程度落ち着く位置にさえあってくれれば、首だけでなく背骨全体で頭を支えてくれるからどうってことないのです。
頭のポジションがおかしなところにあると、首に負担がきちゃうこともありますけどね。
最後のちょっと余談
普段歩いている時に視線が下がってしまうのには、いろいろな理由があったりします。なので、常に視線を前に向けなきゃいけないわけではありません。ただ、視線が真っ直ぐ前を見てくれると、頭の位置が落ち着きやすい。よって、その下の構造も楽になりやすい、というだけです。
人目があるところでなんかできないけど、人目がなければできるかな、とか。外だと無理だけど、家の中なら意識できるかな、とか。少しでもやりやすい環境の時に試してもらえればと思います。
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