05.「児童館」って何だ。
(04.「教員免許」で、できること。の続きです)
塾講師をしている最中、ご縁あって臨時職員募集のお話をいただきました。「児童館指導員」の募集でした。大変失礼なんだけど、それまで児童館って名前は知っていてもどんなところか知らなかったんですよね、行ったこともなかったし。。。お話をいただいてから児童館について調べ、放課後の子どもたちが遊びに来る場所であるということ、学童保育も兼ねて保護者が帰宅するまで子どもを預かったりもして、あとは教員免許か保育士等の資格が必要であるということを知りました。
遊びを通して、子どもたちの育成をはかる。そこに「教科」という枠はない。よし、それやってみたいな。そう思って塾の方を離れさせていただきました、お世話になりました。…あらためてこう書き連ねると、すごいフラフラしてるなぁ。。。今もだけど苦笑
児童館の指導員になる
児童館の仕事は、今までの中では一番自分に合っていると感じました。期限付きの臨時職員を経て、試験を受けて、正式な指導員として働くことになりました。指導員の職務中も書ききれないくらい色んなことがありましたが、この仕事をすることに対しての疑念はなかったように思います。
ちなみに、この指導員の仕事の中で「子どもが見たくなるようなおたよりづくり」を考えたことが、後の「デザイン業務」につながり、「お楽しみ行事の企画・実施」が「イベント企画運営業務」につながっていくのですが、この時はそんなことを微塵も思ってはいませんでした。とにかく、子どもたちと関わり、育んでいくことに一生懸命な日々でした。楽しかったんだね。
僕の勤めていた児童館は、市からの業務委託を受けて公的に運営する、いわゆる「第三セクター」というやつでした。で、市はというと徐々に財政が苦しくなってきてて、指導員の勤務条件も年々厳しくなっていっていました。やりがいのある仕事とは言っても生活もありますので、ここは一念発起して「管理職」への昇進試験を受けることにしました。児童館でいうところの「館長」です。
児童館の館長になる
100人を超える受験者の中で採用は2名という厳しい枠ではありましたが、何とかクリアでき、児童館の館長として勤務することになりました。…が、そのあたりからちょっとずつ雲行きが怪しくなってきます。
館長は管理職ですので、職員や組織のマネジメントが主な仕事。向き合うのは子どもたちにだけではなく、「職員」が対象になってきます。加えて、ご時世的にいわゆる「モンスターペアレント」みたいのが出てきた時でもあり、上の市からはクレームが出ないように、子どもたちが問題を起こさないよう見張ってなさいとお達しが出されるようになってきました。あれ?子どもたちと向き合い、育みたくての児童館の仕事だったはずなんだけどな、、、
気づけば「子どもたちが転んで怪我しないための監視」が児童館での業務になっていました。例えば、うまく遊べない子どもがいたとしたら楽しんで遊べるように、子どもたちの間で揉め事やトラブルが起こったらそれを解決に導くように、というのが児童館での職員の役割だと信じてやってきてたんだけど。。。子どもたち同士だけでうまく回ってるところに顔を出しては、「大人が見ていますよ」のポーズを市民に対してアピールする、って感じの仕事になってきた。。なんだかな、、、僕はそれをやりたいわけじゃないし、そもそも児童館ってそういう仕事じゃなかったと思うけど。。。
そんなモヤモヤしてる折、ちょっと考えたことがあって、自発的にスキームの提案を本部に持ち込んだことがありました。「この立場になったからこそできること」だと思って現状の改善をはかった案でしたが、「前例がない」という理由で跳ね除けられた。。。や、案の内容がダメなら全然別の方法も考えるんだけど、「前例がない」って理由で一蹴されるんなら、新しいことは何も考えちゃダメってこと?よりよくなるのを考えることは、ここでは必要としていないのかなぁ?
…何か、そこで一気に力抜けちゃったんだよね。。。クレーム対策にやってますアピールしたりもそう、前例なしで跳ね除けるのもそう、「子どもたちが輝くために」の考えよりも、保身のための「事なかれ主義」をまず第一に考えてるように、僕には見えてしまったんですよね。。。(言い過ぎたかな?←小心)それこそ、いちばん最初に「?」を抱いた「学校の枠」にも似た、あの感じ。。
結局、30歳をちょっと過ぎた頃、児童館の仕事を退職しました。辞めるきっかけをくれたのは、思いもしてなかった「音楽」の案件でした。
ということで僕の人生振り返り、次は第2章「音楽編」に入っていきます。何なんでしょう、へんな人生です笑。いつイベントの話になるんだー…しばしお待ちください。。。読んでいただきありがとうございました!