弟の死
6月10日千葉市に住む弟が亡くなったので葬儀が行われた。
余り若いとは言えない年齢ながらやはり兄弟の死となれば悲しい。
弟には一人息子がいたが成人してまもなく事故でなくなったのでその後は妻と二人で暮らしてきた。
大手の製造業の技師として働いてきたが生来の要領の悪さから指名解雇の対象となり割増の退職金をもらい退社してしまった。
その後は正規の仕事につくわけでもなく兄弟といえ理解できない生活に明け暮れたようだ。
晩年は夫婦間の交流もままならず息子の事故保証金を分け妻は家を出たようだ。
妻が家を出てまもなく体調を崩した弟は救急の手助けで緊急入院して検査を受けた後肺癌の末期と宣告され余命3ヶ月と診断された。
家を出たとはいえ妻が諸々の手助けをしてくれたお陰で余命3ヶ月が1年と伸び2023年6月7日未明に息を引き取った。
埼玉に住む死んだ弟と間にいるもう一人の弟が相談相手となり宗教色のある葬式は止め、[偲ぶ会]形式の葬儀としたようだ。静岡に住む兄弟で集まり葬儀の諸事につき話し合いを持った。
妻である喪主のたっての希望もあり仏教の僧侶を呼ばず兄弟が一人ずつ簡単な弔辞を読み故人を送ることと、香典は辞退するとのことで代わりに兄弟一同として生花を上げることとした。
コロナ感染症の拡大と共に葬儀や、結婚式の在りかたも大きく変わった。むやみと人の集まることは避け、葬儀であれば身内だけでも故人の冥福を計る実質が尊ばれることが庶民の間では定着しつつあるのだろう。
息子を亡くし将来の菩提を弔う家族が絶えることから息子の遺骨とともに永代供養墓に納骨したいという嫁の考えにも誰も反対者はいないだろう。
残る問題は遺産相続。子供のいない夫婦間では妻が4分の3、4分の一が私たち兄弟に相続される。特別な資産がなければ私たちは相続放棄をするつもりだから争いの起こることはないだろう。
しかし、兄弟にも理解できない思考と行動をとってきた彼だから予期せぬ財産を残していたのかもしれない。
万が一、そんなことにでもなれば何か彼の供養になることにでも使いたいとも思う。
弁護士の資産調査が終わるまで、この問題はしばし凍結となる。残る期間は90日だ。