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休校中チャレンジ~長唄三味線~7日目&「子育てwith長唄」回顧録

横須賀の保育園でお稽古

私は横須賀にある保育園に月に一度お稽古に行っており、行き始めてから10年程が経ちます。こちらの園長先生が藤間流舞踊のお師範で、園児たちに日本文化を体験してほしいという思いから私にお声がけ頂きました。男の子は長唄、女の子は園長先生が日本舞踊のお稽古をしており、学年末に共に発表会を行います。男の子の長唄で、女の子が日本舞踊を踊るなどしており、このような保育園は他には少ないのではないでしょうか。

月に2日のお稽古で、発表会が出来るまでに弾けるのか…?と当初は不安でしたが、最初は正座もままならなかった園児も、お稽古を続けていく内に確実に形になっていき、発表会では立派に演奏をします。個性豊かな園児たちに振り回されたり、胸を打つことがあったり、成長を愛おしく思ったり、長唄を教えるという事に新たな奥行きが生まれて来た場所でした。ここで園児たちに教えた経験が、自分の子供を教えるときにとても役立っています。

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保育園の先生も唄を覚えて下さり、私がいない時に園児に教えて下さっていて、この保育園では長唄が日常にあります。園長先生は「大きくなったら日本の伝統芸能に触れ合う機会はないかもしれない。それでも保育園時代を思い出した時、そういえば三味線を弾いたな、こんな唄があったな、と思い出してくれるだけで良い」とおっしゃっていました。子どもたちの記憶のヒダにちょっとでも引っかかってくれて、大きくなった時に「三味線弾いた事あるよ、こんな唄があるんだよ」と、この体験がささやかにでもその子の核になってくれたらと願い、こういった子供達への種まきが長唄の普及に繋がってくれたらと思います。

余談「タイガー&ドラゴン」

今は通い慣れた横須賀ですがお稽古が始まったばかりの頃は新鮮で、子供たちにもこの街を見せたいと呼び寄せました。そしてクレイジーケンバンドの名曲「タイガー&ドラゴン」に出てくる三笠公園に行きました。

「トンネル抜ければ 海が見えるから そのままドン突きの三笠公園で あの頃みたいに ダサいスカジャン着て お前待っているから 急いで来いよ」

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本当に三笠公園は歌詞の通りに道の行き止まりにあり、作詞した横山剣さんの描写力。たった一言の「ドン付きの三笠公園」に、そこから歌詞が構築する世界感をしみじみ味わいながら公園を歩きました。子どもたちはそんな感慨に浸る親の横で、横須賀の海風を堪能していました。

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次世代への継承という意味だけでなく、お稽古を通しての子育て、父と子の時間。私の想いなどをお伝えし、感じて頂ければ幸いです。またアナログな長唄の世界、ネット配信など新たな試みに挑戦し、長唄の魅力を広めていきたいと考えています。宜しくお願い致します。