休校中チャレンジ~長唄三味線~14日目&「子育てwith長唄」回顧録
2018年 師匠の大舞台
2018年は、11月に杵屋東成師匠の「東成会」が先斗町歌舞練場で、それから一週間後に父・杵屋勝禄師匠「禄生会」が文楽劇場で催されました。
息子にとって大叔父である東成師匠の演奏会、祖父の勝禄師匠の演奏会も、それぞれ2回目の出演となります。
娘も私の演奏会で初舞台を踏んでいるし、演奏会にも少しは慣れたもの…となりましたが、やはり舞台にはハプニングが付き物です。
東成会で、息子の下帯を忘れてしまいました。大阪ならば家に取りに帰れますが、京都で泊りがけで来ていますからそうもいきません。
京都の高島屋、新京極のおみやげ屋と、下合わせが終わった夜に子供用の帯を探しましたが見つからず、当日は知人が機転を利かせて女性用の伊達帯を持ってきてくれました。今までのハプニングに比べれば、小さなことですが(笑)
自分は着慣れた着物でも、人に着せるのは難しい。「どう締めていたっけ?」と、帯の締め方を確認してます。
女性ものの鮮やかな朱の伊達帯を締める息子。今となってはいい思い出ですがもう二度としないと、袴と一緒にこの頂いた伊達帯をしまってます。
そして、着付けの後は髪のセットです。出る直前にセットしないと、動き回ってすぐ崩れてしまうのです。
前の「東成会」で先斗町歌舞練場に出たのは3年前。幼稚園児も小学2生となりました。ずっと一人でしたが、今では妹という相方がいます。
出番前は、大変です。おじいちゃんも登場で、みんなで舞台に座らせます。今回の演目は「小鴉(ちびがらす)」
本番中、後ろで心配そうに見つめてます。
今回は、舞台上では何もハプニングは起こらず、無事に終えることが出来ました。終わってからロビーで芸妓さん達と記念写真。なかなか撮れない写真で、良い記念になったね。
わずか1週間後、再び大舞台へ
「東成会」を無事に終え、わずか一週間後に「禄生会」です。
演目は「小鴉(ちびがらす)」と「あわて床屋(あわてどこや)」。東成會の演目に一曲加えて挑戦。どちらの曲も古い言葉回しが持つ情緒や、短い描写なのにその風景が浮かんで来るような、ユーモラスかつ美しい曲です。リハーサルはリラックスして洋服で。
迎えた本番の出番前、やはり緊張している子供達。楽屋でお互いに励ましあっています。うしろが散らかっていてすみません。会主(主催者)の楽屋は、こんな感じになってしまします。
いよいよ次が出番。舞台袖に行き、カメラを向けると娘はふざけた顔。余裕があるみたいで安心。
今回の「あわて床屋」は息子が今までやってきた曲の中で一番長く、難しい曲です。お稽古では何度も何度も泣きながら頑張ってきました。
さあ、いよいよ幕が上がります。その成果を見せる時です。お父さんは三味線が落ちても大丈夫なように、いつものように後ろでスタンバイ(笑)
東成會同様に、今回も舞台の神様に守られながら無事に幕が閉まりました。子供の出番は、自分が出ている以上に緊張してしまいますね。わずか1週間の間に大きな舞台を2度経験した子供達。なかなか出来るものではないし、本当にいい経験をさせて頂いています。
記念撮影
演奏会では会主・賛助出演者・お弟子さんが勢揃いして集合写真を撮ります。この並び方を考えるのは私なのですが、毎回悩ませます。
休憩時間に出演者が舞台に並んで撮影をするのですが、タイムテーブルに支障が出ないよう、迅速に誘導しなければなりません。楽屋の廊下にみんな出てきてもらい、まずそこである程度並んでもらいます。
幕が開いたら客席が盛り上がるのですが、それは私の努力に支えられています。ここでは言わせてください(笑)
休校中チャレンジ~長唄三味線~14日目
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次世代への継承という意味だけでなく、お稽古を通しての子育て、父と子の時間。私の想いなどをお伝えし、感じて頂ければ幸いです。またアナログな長唄の世界、ネット配信など新たな試みに挑戦し、長唄の魅力を広めていきたいと考えています。宜しくお願い致します。