日本人の宗教観
まず始めに、誤解のないようにお断わりしておきたいと思います。
この記事では宗教に関わることを題材として取り上げていますが、
人々の宗教心の有無や、どの宗教が良いとか悪いとか、
そんなことを論じる意図はまったくありませんし、特定の宗教や信者を批判することも賛美することもしません。
良い悪いに関係なく、僕が見たり聞いたりした事実は事実として語りますが、あくまでも中立の立場でこの記事を書いていることをここに宣言します。
万一、記事の中に少しでも偏りがあると思われた場合はご連絡をいただければ幸です。
日本人の「宗教観」と言って良いかどうかはなんとも言えませんが、
子供の頃からいつも不思議に思っていることがありました。
僕の両親もそうでしたし、親戚一同、誰の家に行っても必ず神棚が家の中にあり、そうかと思うと仏壇もあったりします。
友達の家もそうですが、神棚だけの家、仏壇だけの家、神棚と仏壇の両方がある家、子供の頃のことですから、あまり深く考えたことはありませんが、後で思い返してみるとちょっと不思議な気がするのです。
正月になるとどの家でも初詣に行きます。
地元の神社へ行き、お賽銭を投げて両手を合わせ、新しい年の
無病息災なのか家内安全なのかわかりませんが、周りの大人達はきっちりと
お詣りをしていたのを記憶しています。
かと思うと、友達は家族皆でお寺へ初詣に行くと言うし、我が家も神社だったり、年によってはお寺へ初詣に行くこともありました。
僕の中では神も仏も一色単で、何が神なのか仏なのかわからない幼少期でした。
ある程度大人になり、社会へ出て自立するようになると、
クリスマスは年中行事として、若い女性や子供達には欠かすことのできないイベントになります。
宗教観があるかないかに関係なく、クリスマスが何の日なのかを知らなくてもクリスマスパーティを開いたりプレゼント交換をしたりします。
そして恒例のご挨拶「メリークリスマス」と皆が言います。
日頃は教会に足しげく通うようなことのない人でも、結婚式ともなれば神父様の前で永遠の愛を誓う人も珍しくありません。
そうかと思うと知人が亡くなるとお通夜、葬儀に出席し、仏式の宗派の慣わしに従って式を行います。
家を新築するとか、勤務先の会社が工場を建築するとなると地鎮祭をしたり、お神酒を飲んだりもします。
そのくせ、「神様が我々を見ている」なんて事を言えば笑われたりもします。非科学的なのだそうです。
神主さんを呼んでお神酒を飲むことが科学的なのかというと、それはまた別の話なのだそうで・・・。
仕事上の付き合いで、色々な国の人と接するようになって気付いたのですが、こんな風にイベントごとに神様に祈ったりキリストに誓ったり、そうかと思うと仏様を拝んだりというのは日本人だけなんです。
イスラムの人達はイスラム教に、
キリスト教の人達はキリストに、
ヒンドゥもユダヤも、自分の信仰する神の教えをきっちり守ろうとします。
冒頭でも宣言した通り、僕はどの方法やどの信仰が良いとか悪いとかを論じることはしません。
僕が知る限り、このような宗教観を持っているのは日本人だけで、世界中のどこにもこのような多宗教的な宗教観の人を見たことがないのです。
それが悪いことなのか良いことなのかはどちらでも良いのですが、
宗教に熱心な国の人達にはどんな国民に見えるのかなと思ってしまいます。
なにしろ、世界の中では日本人は類のない国民性と宗教観を持つ国民なんじゃないかと思っている次第です。
他の日本人の多くがそう思っているのでしょうか?