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経営者と自己肯定感
[要旨]
経営者の自己肯定感が低い場合、経営判断が独り善がりになる傾向があります。そこで、会社にとって、より望ましい経営判断ができるようになるために、経営者の方は、自己肯定感を高めることが必要になるでしょう。
[本文]
経営コンサルタントの相馬一進さんが、離婚してしまう夫婦の心理について、ブログに書いていました。すなわち、夫婦の一方、または、双方が、自己肯定感が低いと、相手に対して意見をのませることで、自己肯定感を高めようとするので、関係が悪くなり、離婚に至るということです。私は心理学の専門家ではないので、きちんと説明はできませんが、相馬さんの指摘はその通りだと思いますし、多くの方も、理解されると思います。
そして、自己肯定感の低い人の行動については、ビジネスでも現れることがあると、私は考えています。会社の経営者や管理職で、あまり成功しそうにない案や、会社に利益をもたらさなさそうな案を、無理をしてでも通そうとする人を、ときどき見かけますが、そのような人は、心の深いところで、「自分の考えを通すことで、自分の肯定感を高めたい」と考えているからではないかと思います。
そのような人たちは、端的に述べると、「我が強い人」や、「体面にこだわる人」などでしょう。もちろん、このような心の狭いビジネスパーソンは少数派であると思いますが、珍しくないという印象を持っています。では、今回、自己肯定感の低い人について言及したのはなぜかということですが、そのうな方が、中小企業の経営者であった場合(に限りませんが)、事業の目的を取り違えてしまう可能性が高いと感じたからです。
極端な例ですが、自分が「エースで4番」でないと気がすまないという方が、ある会社から独立して会社を起こしたとき、経営者として最優先すべきことは、事業で利益を得ることであるにもかかわらず、自分のやりたいことを最優先してしまいがちになると思います。私は、顧問先の会社には、PDCAの実践をお薦めしていますが、それは、前もって正解のわからない時代だからこそ、自社の取るべき戦略について、少しずつ修正しながら、より精度の高いもの近づけていくべきという考えに基づくものです。
でも、自分の考え方を優先する経営者は、PDCAそのものを嫌がります。そうすると、着実にPDCAを実践しているライバルとの差が、どんどん広がっていってしまいます。特に、経営者は、一般の人よりも重い責任を担っていますので、その判断は、より高い精度が求められます。だからこそ、誤った経営判断を行うことを避けるために、経営者自身が、自己肯定感が低いと感じる場合は、何らかの対策をとることが必要でしょう。