社長の多くは縁の下の力持ち
[要旨]
会社の業績を高めるには、経営者の方が、必ずしも「主役」的な存在になる必要はありません。経営者の方のキャラクターによっては、裏方的な存在になり、顧客や従業員を主役にすることで、会社の業績を高めることも可能です。
[本文]
経営コンサルタント板坂裕次郎さんのご著書、「日本一わかりやすい『強みの作り方』の教科書」を読みました。ご著書の中で、板坂さんは、「人は、『主役』、『脇役』、『監督』、『助監督』の4つに分けられる」と書いておられました。これは、ステージの上に立つか、裏方かという軸と、前に出る人か、支える人かという軸で、4つに区分した考え方です。
ステージの上に立つ人で前に出る人が主役で、支える人が脇役です。裏方で前に出る人が監督で、支える人が助監督です。これについて、板坂さんは、「起業家などは、『主役』を目指したがるが、人によっては助監督の方が適していることもある」と、書いておられます。その例として、福井県の社会保険労務士のHさんについて、板坂さんは挙げておられます。
Hさんは、Youtubeなどで露出を高めていた、すなわち、「主役」としてふるまっていたものの、成果がなかなかあがらなかったそうです。そこで、板坂さんが、「顧問先を『主役』と考え、Hさんは、顧問先を支える『助監督』に徹するようにしてはどうですか」と提案したそうです。その結果、「顧問料3万円の社会保険労務士」から、「月額10万円で雇える会社のナンバー2役員」として売り出し、中には月額20万円の顧問契約も得られたそうです。
このエピソードを読んで、私は、大きな会社の名経営者も、表に現れていない、優秀な、たくさんのコンサルタントが、その経営者を支えていることが多いということを聴いたことを、思い出しました。中には、どうしても「主役」になりたいと考える経営者の方もいると思いますが、会社の業績を高めるには、顧客、または、従業員の方を、ステージに立つ「主役」にして、経営者の方自身はステージの下の監督に徹するという方法もあるということも、頭の片隅に置いておいていただければと思います。