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融資のコツ―銀行の欲しい情報を伝える

[要旨]

銀行から円滑に融資の承認をもらうためには、銀行の知りたいと思う情報をお伝えすることがポイントです。そこで、経営者の方は、自社の特徴、業績、会計データなどを、あらかじめまとめておくとよいでしょう。


[本文]

融資の承認を得るコツのひとつは、当たり前ですが、銀行の知りたい情報を伝えることです。ただ、どういった情報を伝えるかは、個別の案件によって異なるのですが、一般的に伝える内容は次の通りです。(1)会社の特徴や、ライバルとの競合優位性、(2)過去数年間、及び、直近1年間の業績推移、(3)今後の業績見通し、(4)自社の課題がある場合はその解決策などを、書面で伝えます。申込する融資が、設備購入のための融資の場合は、融資対象の設備に関する収支見込みも必要です。

さらに、私の場合、事前に銀行の方からお話をきき、「当社のこの部分が当面の課題になると思われますが、貴行の認識はどうですか?」などと質問し、その回答から、銀行側が知りたがっていると思われる情報を探っておき、実際の申請をするときに、その説明文を申請書に加えておきます。ある意味、銀行もビジネスチャンスを欲しがっているので、融資できる相手を探しているわけですから、融資が妥当との情報を伝えれば、ほとんどの場合、融資に応じてもらえます。

逆に、自社が、融資が妥当な会社であるにもかかわらず、情報が不足してしまうと、融資をしても大丈夫と判断してもらえません。とはいえ、経営者の方は、基本的には、あまり、銀行の仕事のやり方に合わせようとする必要はないと思います。その点については、銀行側が、融資のプロフェッショナルとして、融資申込者から、じょうずに情報を引き出す能力が求められているからです。

ただ、銀行職員の時間的な都合で、1件あたりの融資案件に割くことができる時間が少ない場合は、申請する側が情報を整理しておくと、融資承認を得やすくなるという点については間違いありません。ちなみに、この件についてさらに知識を深めたいと考えておられる方は、専門書になりますが、「貸出稟議書の作り方と見方」などをご参考にしていただければと思います。

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