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株主総会に代わる『社員総会』の薦め

[要旨]

経営プロコーチの池本克之さんは、株主総会と同様に、従業員向けの方針伝達会議である、「社員総会」を開催することをお薦めしておられます。このような会議を開くことで、経営者は、自分の活動に関してアカウンタビリティを意識することになり、日ごろの活動が、より引き締まったものになります。

[本文]

今回も、前回に引き続き、山田修さんらのご著書、「プロフェッショナルリーダーの教科書」を読んで、私が気づいたことについてご紹介したいと思います。同書には、経営プロコーチの池本克之さんもご執筆されておられます。「私は、リーダーは、『自分の夢に他人を巻き込める人』だと思います。優れた万バーを育て、成長し続けられる仕組みをデザインできる人のことですが、これは(中略)「リーダーシップ論」にも共通するものでしょう。

例えば、みなさんの会社では『社員総会』を開催しておられますか?株主総会の『株主』を『社員』に置き換えて開催するのですが、私が実際にやっていたのは、こんな内容でした。(1)過去四半期の結果をきちんと社員に知らせて、次の四半期に何をやるのか、社長が自らプレゼンテーションする。(2)過去の3か月間の功労者(活躍した人)を表彰する。

(3)『会社全体として何がしたいのか』という長期的なビジョンを確認する。(4)開催日を決めたら、全員の仕事を終わらせ、電気を全部落とすくらいの勢いで集合させる。時間的に無理やりでもやる、仕事がどうのこうのと言わず、3か月前からこの日にやると決まっているのだから、いったん、全員を集めて開始する。こうした約束ごとをきちんと守っていたときの方が、よい結果が生まれました」

このような社内での方針伝達会議については、「何となくよさそうだということは分かるけれど、業績向上との直接的な因果関係が明確でないから、果たして実施する意味が本当にあるのか」と疑問を感じる方も少なくないと思います。でも、池本さんと同様に、私も、このような社員総会の開催は、効果はあると、経験的に感じています。そのひとつは、経営者の方がアカウンタビリティを意識するからだと思います。

3か月ごと(1年ごとも同様と思います)に、自社の状況を従業員に向けて説明するからには、社長の日ごろの言動や行動は、きちんと従業員に説明できるかどうかを意識することになり、成行や思い付きで活動するということはなくなると思います。ただ、日ごろから説明責任を意識ことは、経営者の方にとっては窮屈に感じるかもしれません。でも、その窮屈さは、経営者としての責任のひとつだと思います。単に窮屈になったと考えずに、より適切な活動をするための、心地よいプレッシャーと受け止めるべきではないかと思います。

2022/7/3 No.2027

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