集中学習派?分散学習派?-そろタッチで身についた学習習慣-
夏休みの宿題はいつ終わらせた?
長期休暇の最終日に大慌てで宿題に取り掛かる。恥ずかしながら、自分はこのタイプで、最後になるまで忘れているか、先延ばしにして、親から心配された記憶がある。
この性格は、あまり変化しておらず、締切のある仕事にしても、友人との食事の店の予約に至るまで、直前にならないと動かない自分は半ばそういう人間だと諦めている今日この頃である。
しかし、このなんでもない「夏休みの宿題はいつ終わらせた?」という質問はその人の性格や行動特性を知る一つの方法かもしれない。
この記事によると、この質問の回答は「将来を見越して今どれだけ我慢できるのか」という行動パターンと結びついているらしい。宿題を早く終わらす、計画的に実行する人、つまり将来のために今我慢できる人は、貯蓄率を上げ、衝動的な離婚や、肥満を防ぐことにもつながるようだ。
幸運なことに、今のところ、取り返しのつかないリスクに直面しているわけではないが、自分としては背筋が伸びる思いである。
GW中の子ども達の宿題への取組み方に驚いた
遺伝的には、GW最終日に慌てるはずの子ども達だが、全くその様子がないのに驚いた。小学4年生の娘、1年生の息子ともに、最終日は友達を家に呼んで誕生日会を開催、一日中遊び回る充実した日を過ごした。
肝心の宿題は、毎日、朝起きてすぐの決まった時間に取り掛かり、連休前半にはすべて終わらせたというのである。まさか、そんなはずはないと、連絡帳やらプリントやらを取り出し、目を皿のようにして確認したが、彼らの言うように、ドリルも日記も、塾の宿題も終わらせているのである。。
振り返ると、このコツコツ型の学習習慣は、娘は6才、息子は5才の時に始めた「そろタッチ」で身につけたものだと思う。幼少期から毎日、学校に登校する前に15分〜30分間の暗算の練習に取り組んだ日々が習慣となり、学校の宿題への取組にも活かされているようだ。連休が始まって、すべてを一気に終わらせるでもなく、最終日に慌てて片付けるでもなく、毎日少しづつコツコツと取り組む習慣を身につけているのだ。
「この習慣が備わっていれば、子ども達の将来は安心だ。借金に困ることも、肥満や衝動的な離婚で苦しむこともないだろう。彼らの身につけた習慣は私の遺伝に打ち勝ったのだ。」誇らしげに妻に伝えた。
「いや、私の性格の遺伝なだけでしょ」
妻に一蹴されて終了。どうやら、妻は夏休みの宿題はコツコツ取り組むタイプだったようだ。。
集中学習派?分散学習派?どちらが学習効果が高いのか?
では、学習効果という面では、集中学習派(最終日に一気に勉強するタイプ)、分散学習派(毎日少しずつ勉強するタイプ)とではどちらが効果があるのだろうか?
調べてみると、様々な実証研究がなされているようである。
特に引用されているのがサウスフロリダ大学のダグ・ローラーとケリー・テイラーの論文である。
結果は、「集中学習者は分散学習者より、1週間後のテストでははるかに多くのことを思い出したが、この差はその後劇的に減少。集中学習者は、有意義な長期間の学習にとって非効率的な戦略であることを示唆している。」
つまり、短期間で詰め込んで覚えたものは、短期間で忘れるということである。よく言われることだが、短期集中型は長期では定着が悪く、学習効果は低い。コツコツ、毎日、分散して勉強する方が効率的な学習方法であるようだ。
暗算習得や能力開発で始めたそろタッチだったが、そこで身についた学習習慣が、学校や塾の宿題への取組み方にも活かされている。また、子ども達が意識しているとは思えないが、「将来を見越して今どれだけ我慢できるのか」という姿勢を育むことへも繋がっている。加えて、学習が「我慢」ではなく楽しいものだと思えるきっかけも作ってくれている。
さて、数ヶ月すれば夏休みが来る。子ども達がどのように宿題に取り組むのか注目して観察をしていきたい。
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