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【中谷泰】油彩作品など 査定 鑑定 買取 致します

『中谷泰展 清々しいぬくもり・人と土と』は、1988年4月2日から5月8日まで三重県立美術館で開催された中谷泰の回顧展に合わせて制作された図録です。この図録は、24.5×22.0cmのサイズで全157ページ、多色図版34点、単色図版132点を収録しています。

◎中谷泰の芸術

中谷泰(なかたに やすし、1909年5月20日生まれ、1993年5月31日没)は、三重県松阪市出身の画家であり、東京藝術大学の教授としても知られています。本名は中谷泰一(なかたに たいいち)で、戦前から戦後にかけて日本の美術界で活躍しました。

1929年、20歳で上京し、川端画学校で石膏デッサンを学び始めました。翌年の1930年には、第8回春陽会展に「街かど」を出品し、初入選を果たします。その後、春陽会洋画研究所に研究生として入所し、木村荘八に師事しました。1939年には新文展で特選を受賞し、春陽会の会友に推挙されるなど、若くしてその才能が認められました。

戦後は、美術評論家の水沢澄夫の誘いで日本美術会に入会し、同会主催の日本アンデパンダン展や平和美術展に作品を出品しました。また、1950年代から1960年代初頭にかけて、『美術手帖』『アトリエ』『芸術新潮』などの美術雑誌に油絵の手引きや美術論を寄稿し、後進の指導にも力を注ぎました。

中谷の作品は、労働者や農民の日常生活を描いたものが多く、社会的なテーマを取り上げることが特徴です。例えば、1956年の作品「炭坑」や1958年の「陶土」などは、労働者の姿を力強く描写しています。これらの作品は、国立近代美術館や神奈川県立近代美術館、愛知県美術館、三重県立美術館などに所蔵されています。

教育者としては、1971年に東京藝術大学美術学部の教授に就任し、多くの学生を指導しました。また、絵本画家のいわさきちひろに油絵を指導したことでも知られています。さらに、いわさきちひろ記念事業団の理事長を務め、彼女の作品の保存と普及にも尽力しました。

晩年には、故郷である三重県松阪市との関わりを深め、1988年には三重県立美術館で「中谷泰展」が開催されました。この展覧会では、初期から晩年までの作品が展示され、中谷の画業を総括するものとなりました。

中谷泰の芸術は、社会的な視点と人間味あふれる描写が特徴であり、日本の近代美術史において重要な位置を占めています。その作品は、現在も多くの美術館で鑑賞することができ、彼の描いた人々の生活や感情が時代を超えて観る者の心に響きます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%B0%B7%E6%B3%B0#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Nakatani_Yasushi_bijutsu-techo_1960173.jpg

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