【川瀬巴水】 版画 / 木版 査定 鑑定 買取 致します
川瀬 巴水（KAWASE Hasui）
木版
◎川瀬 巴水の芸術
川瀬巴水（かわせ はすい、1883年5月18日 - 1957年11月27日）は、日本の大正・昭和期に活躍した浮世絵師・版画家であり、近代風景版画の第一人者として知られています。本名は川瀬文治郎（かわせ ぶんじろう）で、東京府芝区露月町（現在の東京都港区新橋）に生まれました。
幼少期から画家を志し、14歳で川端玉章門下の青柳墨川に日本画を学びましたが、両親の反対により一時断念しました。その後、家業を継ぎながらも画家への夢を捨てきれず、25歳で日本画家・鏑木清方の門を叩きましたが、年齢を理由に一度は断られました。しかし、洋画家の道を勧められ、白馬会葵橋洋画研究所で岡田三郎助に師事しましたが、洋画には馴染めず、再度清方に入門を申し出て許され、日本画家としての道を歩み始めました。
1918年、同門の伊東深水の版画作品に感銘を受け、版画制作に興味を持ちました。同年、幼少期に滞在した栃木県塩原を題材にした風景版画「塩原おかね路」「塩原畑下り」「塩原しほがま」の3点を試作し、渡辺版画店から出版されました。これらの作品は好評を博し、以降、渡辺版画店の渡辺庄三郎とともに新版画運動を推進し、日本各地を旅して風景を描き続けました。
巴水の作品は、詩情豊かな風景描写が特徴であり、「旅情詩人」「旅の版画家」「昭和の広重」と称されました。特に夜景や雪景色の表現に優れ、多くの名作を残しています。また、アメリカのロバート・ミューラーは巴水の木版画蒐集家として知られ、海外でも高い評価を受けました。
代表作には、「東京十二題」「旅みやげ第一集」「日本風景選集」「東京二十景」などがあり、これらの作品を通じて日本の美しい風景を後世に伝えています。1957年11月27日、東京都大田区池上町の自宅で胃癌のため74歳で逝去しました。その後も巴水の作品は国内外で高く評価され、多くの美術館やコレクターに所蔵されています。
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