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【小倉遊亀】 木版画 「椿」 査定 鑑定 買取 致します


小倉 遊亀
椿
木版、40×64cm


◎小倉 遊亀の芸術

小倉遊亀(1895-2000)は、日本画の世界で卓越した才能を発揮した女性画家で、105歳まで精力的に制作を続けました。彼女は滋賀県大津市に生まれ、安田靫彦に師事して日本画を学びました。1926年の再興日本美術院展で初入選を果たし、1932年には女性として初めて日本美術院同人に推挙されるなど、画壇での地位を確立していきました。

小倉遊亀の作品は、澄んだ色彩と力強い線描を特徴とし、特に身近な人物や静物をテーマにすることが多かったです。彼女の作品には、対象の本質を捉え、そこから生命感や温かみを引き出す独自の視点が見られます。1938年に発表された「浴女 その一」や翌年の「浴女 その二」は、彼女の造形への興味と斬新な視点を示す代表作であり、これらの作品は水中の揺らぎや女性の身体の動きを大胆に表現しています。

戦後の1950年代には、ヨーロッパの芸術に触発され、マチスやピカソの影響を受けた作品を制作するようになります。これにより、彼女の作風は一層現代的で知的なものへと変貌し、その結果、多くの賞を受賞することとなりました。

晩年になると、小倉の作品はさらに簡潔で平明な表現へと進化し、「明るく、温かく、楽しいもの」を描くことを重視しました。特に、1966年の作品「径」は、親子と犬が歩く穏やかな情景を描き、多くの人々の心を和ませる作品として知られています。

小倉遊亀は、日本美術院の理事長も務め、昭和から平成にかけての日本画に新しい風を吹き込んだ重要な存在です。彼女の作品は現在も滋賀県立美術館などで展示され、その豊かな表現力と感性が多くの人々に愛されています。


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