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【後藤純男】版画 /リトグラフ「春映富士」 査定 鑑定 買取 致します

後藤 純男
春映富士
リトグラフ
31.5×45.5cm


◎後藤 純男の芸術

後藤純男(1930年-2016年)は、日本を代表する日本画家で、仏道の家庭に生まれながらも画家の道を選び、日本の風景や歴史的建造物を描いた作品で知られています。彼は16歳で仏門に入りますが、後に絵画に惹かれ、22歳で日本画の道を志します。東京藝術大学で学び、日本美術院展覧会(院展)での入選を皮切りに、数多くの賞を受賞し、院展では「大観賞」や「内閣総理大臣賞」などの名誉ある賞を獲得しました。

後藤純男の作品の特徴は、壮大な風景画にあります。彼は、日本の四季折々の美しさを余すところなく表現し、特に冬景色や山岳風景を得意としました。彼の代表作の一つである「大和の雪」は、厳かな冬の奈良を描き、その透明感ある雪の表現と荘厳な寺院の構図が高く評価されています。この作品で、後藤は日本芸術院賞・恩賜賞を受賞しました。

後藤はまた、伝統的な日本画の技法を守りつつ、独自の岩絵具を使用し、色彩表現において革新を図りました。天然の宝石や鉱物を使用した色彩は、彼の作品に独特の輝きと深みを与え、鑑賞者を圧倒します。特に、北海道の美しい自然や大雪山を題材にした作品では、その迫力と美しさが際立ち、後藤の画業の集大成とされています。

晩年には、北海道上富良野町に自身の美術館を設立し、約130点に及ぶ作品を展示。これにより、彼の作品は多くの人々に鑑賞され続けています。また、中国やフランスなど海外でも個展を開催し、国際的にも高い評価を得ています。

彼の作品には、日本の自然や文化への深い敬意が込められており、宗教的なテーマも多く見られます。仏門に生まれたことから、仏教的な静けさや崇高さが随所に感じられる作品が多く、長谷寺や高幡不動尊に奉納された襖絵もその代表例です。これらの作品は、宗教画としての要素を含みながらも、後藤独自の感性で描かれています。

後藤純男は、日本の自然美を描く日本画の巨匠として、その独自の技法と壮大なスケールの作品で日本画界に大きな足跡を残しました。

後藤純男

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