【サム・フランシス】版画 / リトグラフ「親子猫」査定鑑定買取致します

井浦歳和　ロイドワークスギャラリー roidworksgallery 絵画鑑定•査定

2024年8月29日 10:41

サム・フランシス
King corpse
シルクスクリーン
106.2×149.5cm

◎サム・フランシスの芸術

サム・フランシス（1923-1994）は、アメリカの抽象表現主義を代表する画家の一人であり、その芸術には西洋と東洋の美学が深く融合しています。彼は1957年に初めて日本を訪れ、それ以降、日本の文化や美術に強い影響を受けました。この経験は彼の作品に大きな変化をもたらし、特に「間（ま）」という日本特有の空間美学の概念が彼の創作に深く反映されています。

フランシスは、東洋の美学を取り入れることで、特に「空白」や「余白」の活用を意識した作品を多く制作しました。これにより、彼の作品は従来の西洋絵画の技法とは異なる、独自の空間感覚を持つものとなりました。彼の作品は、色彩の豊かさと空間の扱い方が特徴であり、色と色の間にある空白が、観る者に想像の余地を与え、絵画に動的なエネルギーをもたらしています。

フランシスはまた、具体美術協会（Gutai）やもの派（Mono-ha）のアーティストたちとも交流があり、これらの日本の現代美術運動も彼の作品に影響を与えました。彼の作品は、伝統的な日本の美学と西洋の抽象表現主義を橋渡しするものであり、その独自性は彼を世界的に重要なアーティストの一人としています。

➡️井浦歳和・絵画、美術品取引の専門家