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小説「メジャー・インフラトン」の描き始め(第1部作です。)その24
明けましておめでとうございます🎍あおっちです。
旧年は沢山のフォローやスキ💗を
頂きまして、有難う御座いました😁
令和7年元旦🎍
今年も「メジャー・インフラトン」共々、
よろしくお願いいたします🌞
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令和7年(皇紀2685年)はおおっちは飛躍の年ですよ😁
昨年お伝えした「メジャー・インフラトン」のスピンオフ。
そろそろ真面目にNolaノベルさん、アルファポリスさん、
カクヨムさんのいずれかにUPしていきたいなぁ、っと😜
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それかオリジナル小説シリーズ。
これも迷うなぁ🤔
①小説「H₃(ヘリウム3)」(ファミリー愛もの)
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②小説「メタンハイドレート」(国際紛争、ミリタリーもの)
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➂小説「100年舟」(普通のSFもの)
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④短編小説「青葉と、さくらこの事件簿。(平和の大滝・清涼高校殺人事件)」(学園ホラーもの)
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⑤「名刺入れ・ホルダーが椅子と。」(ローファンタジーもの)
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オリジナル小説シリーズは、人気的に「名刺入れ・ホルダーが椅子と。」が
一番最初にUPになりそうな予感😲
お楽しみにぃ😁
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第1部作テキスト、「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)
第13章 「ノーラ叔母さん。」(後編)
のあらすじ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
過去の回想をするシーラス統合参謀本部の小林大佐。
中国による北海道の土地買収が進む中、26年前女真帝国となった北部軍閥はトマムに遠隔地、女真帝国幕府を拓いた。
しかし、脆弱な兵力と情報。
そこで各国の勧めもあり、占冠村トマムで女真帝国の臨時政府を樹立。
中国も周辺従属地と獲得しAXISとなる。
その影響をいまだに受けている地球。
小林大佐は過去の出来事を回想しながら、現在の状況と未来に起きうる事を考えていた。
AIのベータとの会話で、椎葉きよしが特別な能力を再確認。彼は地球の危機を救う存在として期待されていたが、いまだに軍への復帰を拒み続ける椎葉きよし。
しかし、ネイジェア星域皇国の一団が、水星並みの巨大な軍事コロニー「シーラス・ムーン」で、地球の近傍まで迫っていた。
一方、AXISとの小規模な戦闘も予測され、椎葉家を護るための準備が進められます。
小林大佐は、過去の経験と未来への不安を抱えながらも、椎葉きよし本人の了承も得ないまま、見込み、そして勝手に共に地球を守る決意を新たにしたのだ。
残り少ない平穏な地球のひと時。
近い将来、銀河系の敵、ウシハクルとの地球規模の大渦が予想される現在。
エルジビエタに再会し、気持ちを伝えることを小林に進める南華子(ノーラ)だった。
第14章「アンガウルの夜。」(前編)
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AIで看板作ると、めっちゃいい加減。
大阪天神橋商店街を望む 15階建のビル。
小林が務める㈱高崎薬品。
主に日本国軍、自衛隊や日本の主要同盟国軍へ、装備医薬品を降ろす最新鋭・最先端の医薬品メーカー。
その1階にある広大なロビー。
そこで幼馴染の親友、いや戦友が会うのだ。
「いや〜悪ぃ悪ぃ、コバまだいけるべか?」
ロビーに響く声。
笑いながら、小走りでヨレヨレの背広姿の椎葉が来た。
「シー!お前〜もう10時やんか!9:30の組は、もぅ治験始まっとるから次は13時からやんか。まぁこっちが頼んだ治験だから、あれだけど。」
小林大佐の背広姿。
小林大佐と椎葉は中学以来、栗山町の幼なじみだった。
小林は軍族の身を隠す為、民間の高崎薬品で医薬品会社の営業課長で仕事をしていたのだ。
18年前、シラス加盟国軍の要請で軍に復帰した。
一方で椎葉は軍の復帰をかたくなに断っていた。
特に、元上官の御舩たちなどのシーラス、日本国軍や自衛隊の幹部たちが椎葉きよしの復帰を望んでいた。
しかし、椎葉は強烈に断っていたのだ。
毎日の食卓でも、母親の京子やシルビア、エルジビエタ、彼女らの実母のオリエッタからの勧めを全て断っている。長年、そんな雰囲気だった。
しかし、小林だけは軍隊嫌いになった椎葉きよしには内緒で復帰したのだった。
「シー、飯ば喰ったべか?時間あるから、そこのラーメンさ行くべか。」
ガラス張りの玄関の先をのけぞって覗くきよし。
大阪で有名なラーメンチェーン店の暖簾が見えた。
「ラーメン?お前、あそこのラーメン。道産子でよく食えんな!噂では油がネッコリで、はんかくさいべぁ。」
「何でもいいべや。オッさん!はははっ。」
「いやいやコバ。俺、あそこのラーメン。新大阪にもあるけんども食べた事ないべさ。っあれ?血液検査するんだべ?食べていいの?こってり、油ねっこりで大丈夫だべか?」
「健康診断じゃないから、何ともないべや。」
「んだか。眠たいべし腹減るべし〜。飯食ったら爆睡すんべよ。」
「いいから、行くべや~。シー、お前、飯食っても寝るなよ!すぐ寝んべ。治験の説明が、始まったらちょっくら話もあんべし。」
ぐわーっと大あくびしながらの椎葉きよし。
「了解。100億%自信ないべ~。くわぁ〜寝み〜っ。」
「あっシー、オメッ!オメッ。臭せっ!」
怪訝な顔をして、鼻をつまむ小林。
「あ〜前日の姫路出張から3日間着たまま。解るかぃ。会社のお嬢様達にも臭っ!めっちゃ臭っ!って言われてたべさ。解るか!男、苦労の熟成加齢臭!ハハハッー。」
鼻をつまんで、手の平であおぐ小林未央。
「くぅっさ!アホ、加齢臭テロで俺の会社潰す気か!ロビー臭くなんべや。早く行くべ。オッサン!」
そんな楽しく話しているデカい男2人の前に、ニコニコしながら近寄って来る、色白美白の超絶美女が来た。
「課長、お疲れ様で~す。」
「お疲れさん。あー何ですぅ?」
美しい笑顔で椎葉に上品に会釈する色白の背の高い女性部下だった。
白いシャツの胸の谷間に目が留まる椎葉。
「あの課長、当社、被治験者の素泊まりセットをお使い下されば?ハイ、これなんかで宜しければ。」
「あ、なるほど。なるほど。おい!シー!着替えんべ。」
「面倒くせ〜。」
「スンゲェ臭せ~から、早く着替えろ。」
「こちらで介護用全自動シャワーもあります。私が案内しますわ。うふふ。」
「コバ、お前ん所、凄い会社だ。色んな意味で。」
目の覚めるような美白の美人に目が釘付けの椎葉だった。
「ったりめーだ、馬鹿タレ。南さんっ宜しく。」
「南さんて、言うの?」
「ハイ。南です。椎葉様。宜しくお願いします。ウフフッ。」
頭を掻いて照れ笑いの椎葉きよしだった。
話を続ける南華子。
「うふふっ。後ですねー、たった10分で!うふふ。介護用ですが最先端の全自動シャワーと着替えも終わりますわょ。機械が全てやってくれますわ。うふふ。寝ていてくだされば、機械が全て致しますわ。」
「10~分っ。早っ!はい!お願いしまっす。」
「ウフフッ。」
「こぉのー、10分って時間を聞いてゲンキンなやつ。コイツ、マジ~臭い。オヤジ臭っ。」
南に案内されながらトコトコ着いていく椎葉。歩くたびにポヨンポヨンと胸が揺れる南。
「小林とお親しいんですね。」
「北海道の田舎で、中学からの幼なじみですから。」
「えっ、そうなんですか?楽しそう。ウフフッ。」
「南さん、えー南……。」
「南華子っです。ウフフ。小林がいつも何かあると、シーがシーがと言うから。どんなお方と思って。今日も朝からスマハンドに向かって、シーシーって楽しそうでしたわ。ウフフッ。」
「ゲッ!朝、横にいたの?南さん。」
マジに照れる椎葉。
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「ハイ。もーっ皆さん楽しそう。御社には愉快な方が多いんですねぇ。」
「南さん、ウチの会社に来たことあるの?」
「うふふっ。取引先ですので。皆さんに直接お会いした事はありませんが、書類の打ち合わせで伊東さんといつもお話していますわよ。いつもマズルさんと、伊東さん、岩崎さん、最近は御社、社長のお嬢様の黄(ホァン)主任と営業試機や営業試料の打ち合わせを良くしています。電子カタログの打ち合わせで。うふふっ。」
ウフフと笑うたびにボヨンボヨンと揺れる南の胸。
また目が胸元にいく椎葉。
2人の後ろからイライラするコバが、声を掛ける。
「コラコラコラ!うちの大切な社員に余計な事言わない、ちょっかい出さない!南ちゃんも南ちゃんでオッサンの話、聞かない!」
オホホッと、上品に笑う南華子。
「コんバ~!悪い~っ。ちょっくら待っててけれ!10分10分~っ!」
会社ロビーに響く椎葉きよしの大声。
「声でかい!ここにおるから。」
( アハハハッ。 )
ロビーの受付嬢たちから笑声が聞こえた。
小林が照れる。
「アイツの方がうるさいしょ。」
( アハハハッ。 )
胸開き半袖カッターから見える南華子の白い素肌。
指先と肘がピンク色の柔らかそうな腕を伸ばした。
「さっ、椎葉さん。こちらですわ。ウフフッ。」
「いや〜何から何まで〜。いやいやいや。」
ロビー奥の廊下に消える2人。
「ふっ。アイツ、シルビアいるのにぃ大丈夫かぁ~?鼻の下伸ばして。エル姫見てたらえらい事になるでぇ。」
ニガ笑いの小林。
■ ラーメン屋の暖簾の隙間から見える、カウンターに座るデカいオッサン2人と白い肌が眩しいOL。
「ところで、ズルズルッ、シー?オメー、今日さ。栗山さ、帰るんだべや。」
「んだべ。」
蓮華を使って上品にラーメンをニコニコ食べている南さん。その南さんを小林を挟んで、チラッと見てはうっとり、チラッと見ては、うっとりするきよし。
「なぁシーよ。オイ、なに見とれてる?はんかくさいべあ。」
「なんだべぇ?」
両肘ついて横目で南を見ながら、ニッコリ、フワフワ顔を乗せてるきよし。
「シー、ズルズルズルッ。南ちゃん別海出身だって。」
しゃべりながら、ラーメンをズルズルすする小林。
「あ〜っお前!べっかいじゃねーよ。なっ南さん。べつかいっ、べつかい!南さんに失礼だべや。お前上司だべ!正しく北海道の地名言えや。営業マンは言葉で仕事すんべ。正しく言えや。」
「そうですょ小林課長~。うふふっ。課長も道産子でしょ。ウフフ。」
「あ、あぁ。ごめんなさい。」
謝る小林をよそに、店主の山口がラーメンと炒飯を持って来た。
「はい~!お待ち〜。素ラーメンと、半炒飯セット!」
椎葉の前に太い腕を伸ばして、ラーメンと半チャーハンの皿を並べる店主。
「お〜これか〜。頂きます~。ラーメン、お~油っこそう。」
手の平を合わせていただきますポーズをする椎葉。
ニコニコと店主の山口が小林にいつもの様に親しく話した。
どうやら小林はこのラーメン店の常連の様だった。
「小林ちゃん、今日は何の治験やん?」
「山ちゃん、あれだわ、あれ、体内の血液酸素量を一定に保つ新薬の治験だべっ。感染症の患者でも一定の酸素量を保てるかっての、治験だべさ。」
小林の肩に、自分の肩をぶつける椎葉きよし。
「何っ?今、俺っ、酸欠なのか?なんで酸欠?」
「南ちゃん見て赤くなったべや!」
「コバ、はんかくさい事いう〜なょ~オメーは、よ~。こっぱずかしいべや。」
店主が口に手を添えて大笑いする。
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「ハハハー、こちらの旦那、痛い所つかれてもた!でもこの娘さんメチャメチャ綺麗やんか。小林ちゃんの会社ええなぁ。連れてくる子みんな美人さんばかりで。この間なんか、小林ちゃん飲んだ帰りに連れてきた、めっちゃ綺麗な金髪の外人さんとか。すんごいスタイルも抜群で、モデルさんかなんかの……」
あっ!と眉にシワを寄せて小刻みに顔を振り、店主の話を止めさせる小林。
「あ……。」
そんな小林のリアクションに気が付き、下唇を出してごまかし笑いでカウンターの奥に歩いて行く店主の山口。睨みながら店主の背中を目で追いかける小林。
しかし、眠たい100パーセントのボケきよしは、気が付かなかったみたいだった。
横目で椎葉をみる小林。
会話に気が付かずラーメンをすすっていた。
胸をなでおろす小林。
「南さん見たら誰でも赤くなるべさ。めっちゃめちゃ可愛いい。ほ~んまに。」
と、真面目に臆する事なくラーメンすすりながらデカい声で言い放つ椎葉。
頬を赤くして箸を止める南華子。
「あっ山ちゃん、また、高血圧の新薬の治験くるから奥さんに言うたって。山ちゃんも治験受けてや。会社の目の前だけど、5,000円交通費出すやんか。」
「おおきに、何時も有難うな。ゆっくりしたってや。」
( ガラガラガラ~ッ! )
( へぃ!らっしゃい相席空いてるで! )
まだお昼前でも客足が止まらない、こってりラーメン屋。
「もぅ椎葉さんったら。照れますわぁ。ズバっと褒める方好きです。嬉しいですぅ。うふふっ」
目を細めて、椎葉を見る小林。
「ふ〜ん……。あっ!おめー南ちゃんにしっかりお礼言ったか?」
「あっ!えっ?あっ、有難う御座います南さん。気ィ効くわぁ。ホント助かりました。」
小林を超えて、のけぞって身を乗り出して話すきよし。
「いいぇぇ~。ウフフッ。」
ニコニコッパクッの南さん。
美味しそうにラーメンを食べている。
小林の反対側で腕や襟足の匂いを嗅ぐきよし。
「んあ〜、んあ〜良い匂い。これ、南さん選んだの?ワイシャツ、背広も全部?」
コクっと、ニコニコうなずく南さん。
「椎葉さんが脱がれた服は洗ってお返しします。何処にお送り致しますっ?ご自宅?御社ですか?」
「コイツに渡して下されば。」
小林へ、箸でツンツンと指すきよし。
( ブッ! )
吹きだす小林。
「オイ!吹いたべや!もう、シー!汚なっ!」
「汚いのこっちだ!ボケッ。南さん、汁、かからなかった?」
右腕のシャツを軽く確認する南華子。
「え~あ、あ、大丈夫、大丈夫です。」
「オラの脱いだ服いいべ、オメーんとこでいいべ、預かっておいてくれだべ、コバ。」
「……もう。南ちゃん、洗った服出来たらぁさぁ。」
ジロっと横目で椎葉を睨む。
「俺の机の横に置いて。」
「かしこまりましたぁ。ウフフッ。」
こんどは、南華子が、後ろに体を反らし小林の背中を超えてきよしに話しかけた。
「あの~椎葉さん、大阪にいらっしゃらないんですか?これからご出張?」
「あ〜北海道の実家経由でポーランドへ行くつもりなんです。」
ズルズルッ。ラーメンを食べながら横目で答える椎葉。
「あらまぁ素敵。えぇポーランドって中央ヨーロッパですよね。素敵~っ。ポーランドといえばショパン!ポーランドに椎葉さんが行かれるのは、小林課長もご存じだったんですねっ。ウフフ納得ぅ。」
ニタ〜とする椎葉。
「コバ、(ん〜?ズルズル、なんじゃシー。)南さんの話方、俺、なんか凄い幸せな気分になる〜。すんごい幸せ~。マジで。」
「ぇぇ?」
頬をポッと赤くする南さん。
「幸せって!初めて言われました。うふふっ」
ほっぺたに両手を着けて照れながら話す南さん。
( うわ~。めちゃくちゃ色っぽい、俺、完全にやられた。 )
と、南の仕草を覗きながら、とっさに思う椎葉きよし。
( シルビアゴメン! )
もともと、恋愛事には奥手な椎葉だった。
初恋の女性軍人と、妻のシルビア以外、他の異性に初めて感じた感情だった。
「いや~、ウチの会社のOL達、脳が筋肉というか、脳にロボスーツかぶってるツーか、何でも暴力で現状変更させる、武闘派というか。なんというか。」
ゴンっ!と椎葉にゲンコツするコバ。
「痛でっ!なんするべっコバっ!オメー!おー痛て~っ!」
「俺の嫁、エル姫は断じて脳筋娘ではない!」
「オー痛でっ。まぁそういう事でいいんでないかい!もう。たんこぶ出来たべや。痛ててっ。」
うふふっと、2人を楽しそうに見つめる南さん。
「あ〜っ美味しかったです〜。暫くぶりに楽しいお昼食でしたわ。うふふ。」
声を聴いて鼻を膨らませる椎葉。
そして、振り向いた。
「えっ!もう会社戻るの?食べるの早っ。んじゃ〜さぁ、幸せ有難う代で、おごるべさっ!(小林を指差して。)また御飯ば、食べに行くべ。南さん!」
「はい、必ず誘って下さいね。絶対ですよ椎葉さん。うふふっ。」
サッ!と立ち上がり、椎葉の横につかつかと寄っていく南。
しゃがんで椎葉の手を色白の柔らかい両手でギュッと握る南。
「色んな意味で、ご馳走様でした。楽しみにしてますわ椎葉さん。私の連絡先は小林課長に聞いてくださいねっ。今は、一応仕事中で上司といっしょですので。朝でも夜中でも、いつでもお供いたしますわ。失礼します。ウフフッ。」
節々がピンク色の柔らかい手で、ずっと両手を離さず喋る南。
うふふで胸が揺れ、赤くなる椎葉。
その椎葉の両手を握りながら、おっとり優しい声で話した南華子。
「小林課長、有難う御座いました。お先ですぅ。ウフフ。」
( カラカラッ、スッ。 )
椎葉には、南が締める戸の音も優しく聞こえた。
「オイ、オイ。シー。お前〜、シルビアいるべや!大丈夫か!」
( オイオイ、中身はお前が小さい頃から知ってる金髪のノーラ叔母さんなのに、大丈夫かコイツは。 )
と、我が親友ながら心配して、冷たい横目で椎葉きよしを見る小林未央だった。
「アホか。そんなんじゃない。あっ!オメーの餃子ひとつくれ。」
「栗山の法事、明日、俺も行くからな。叔父さんに線香あげるわ。叔父さんって失礼だな。師匠に。椎葉師匠、何回忌だったべか。」
「あ〜親父の17回忌な。それと明後日、6月25日だろ?千歳の鎮魂碑に行こうと思って。献花しにさ。3年?暫くぶりにさ……。みんな、みんなに会いにな。」
きよしの脳裏には、一緒に大気圏再突入の急襲攻撃訓練し、苦労を乗り切った黄ルオや愉快なポーランド軍の兵士、米軍、台湾軍の先輩、上司、同僚の顔が浮かんだ。
また、初恋の女性機動モービルHARMORパイロットのジェシカの顔が浮かんだ。全て千歳の鎮魂石碑の下で眠る人たちだった。
一瞬止まり、真顔になり水を飲む小林。また食べ始める。
「……なぁ、シー。」
「ああん……。」
「俺は来月の7月の公式の慰霊式典も行くつもりだ。軍の案内来てた。なんで今年から7月に慰霊式典がなったのやら。」
「そうか……。あの日は6月25日なのにな。シルビアやポーランドの母親がどうしても千歳行きたいとかで。杉さんも熊もさ。妹のオディアも帰省してるみたいだし。あと、エラも。」
「んっ?何?俺の嫁、栗山来る?エルちゃんが栗山来るの?」
「身内だべ。法事で当たり前。」
「また綺麗になったんじゃないの?随分と可愛いくなったんじゃないの?この間、お前んトコの会社でチラッと見かけたけど。」
「何こいてんだオメーはよ。会社でチラッとなんて、キモー。オッサン。何こいてんだべ、オイ。」
「こくも何もさ、今度よ、オイ!今度、エルちゃん飲みに誘っていいべか?」
赤くなりながら喋るオッサンと残ったラーメンを食べ始める椎葉。
「ん。食わず嫌いだった。こってりラーメン。まま、食えるべさ。炒飯はもろ正解。あ!山ちゃん?山ちゃん!こんどさっきの娘とくるわ!」
麺の茹で上げをしている店主の山口が、きよしの話を聞いて手を上げて答えた。
( 椎葉さん、宜しく〜! )
「何、俺の話ば、シカトしてる。聞いてるか、シー!コラッ。」
肩を椎葉に当てる小林。
「イテッ。もう。だけどコバ、俺さぁ10日休みで、会社から無理やり取らされた連続休暇だべ?」
「こらシー!会話になってないべ。だからエルちゃんとさ、札幌でデートするぞ!旭山記念公園で余市ワインさ、飲みながら語らいたいんだべさ。」
「なんでよ。旭山公園で今そんな所あんの?」
「あるべさ。お前の本宅は札幌だべや~。マンションから大倉山ジャンプ場の横に毎日見えてるべさ。裏にイージスのレーダーがある。ほらっ真っ白い建物。」
「ふ〜ん。このタクランケ!いやらしい事考えてんべ!いい年こいてこのチョンガーオヤジ。この機会にエラと付き合ったらええべ。だけど妹、酒癖わんるいよ!嫁も別の意味で酒癖悪いけどぉ。」
「ええなぁほんまに〜。あんな美人姉妹なら酒癖くらい……えっ(うわぁしまった失言)。」
突然、口を押える小林。英国のシラス加盟国軍のパーティで各国の観戦武官の前で絡まれるシーンを思い出す。
( コ〜バ〜、小林〜飲んどるか〜うりゃ〜。 )
ハハハハハ〜……ガクッ。
「ん?どうした?えって、なんで止まる。なんで急に勢い消えた?んで休みの話でさ、今晩から栗山だべ、明日法事で明後日が千歳。月曜日はのんびりしてから火曜日の夜、直行便でポーランド。嫁の実家で3泊4日するのさ。その後、何故かパラオで1泊する椎葉家の大移動だ。再来週の月曜日に札幌さ、帰るわ。」
「ポーランドの実家って何処だったっけ?」
とコバ。
「トルンだべ。」
「ワルシャワ?」
「トルン〜!ワルシャワは首都。俺の大学の所。(ワルシャワだべよ。)イラっ!トルンだって。オメ~っ、イギリス留学の時、1回来たべや!憧れのエル様に会えた!エル様エル様って、気持ち悪い~ロリオタが!」
「うるせ~!あっちゃこっちゃに拠点があってええなっ!オイ!」
「あっ!んだ、エルジビエタはそのままウチのポーランド支店勤務になるわ。半年な!それもトルンの実家通いで!」
「はぁ?何?なんで〜!ウソだべオイッ!俺も行く絶対行く!俺のポーランドの嫁〜!」
「ったく、俺の嫁って、……なんのオタク……アホ。DV嫁じゃ〜……」
と、最後の力を振り絞る椎葉きよし。腹が膨らんで、稼働限界がきた椎葉だった。
「俺の嫁の悪口言ったら許さん!」
「……そぉだね。」
へなへなへな……。
「シー、オメッ稼働限界かコラッ!シー!」
襟足をゆする小林。
バタンッとテーブルを手枕にしてイビキモード。
小林はつくづく自分の微妙な境遇を恨んだ。
ヨダレを垂らしながら寝る椎葉の顔を見て、自分はシーラス内ではシルビアとエルジビエタの上官であるし、椎葉は親友であり、命の恩人でもある。
その親友を、この自分が欺いている。ずっとだまし続けている。
腕を組んで寝始める椎葉の横顔を見て、また、あの日を思い出していた。
そうだ、あれは6月25日なのだ。
……真顔で、水が入ったコップを見る小林未央。
はい!今日はここまで😁
次は、小林大佐の少年兵時代の回想録ですぅ。
お楽しみに🤟
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今年もnoteがんばりますよ😜
今、第6部作の第9章を執筆中。
何とか2月中までには第7部作に行きたいと思ってます。
なんせ、それで前章譚が終わりですから😖
2025年の抱負は第7部作の完全制覇🤟
それでは、皆様。
身体を冷やさぬように頑張って下さいね😁
あおっち
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