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小説「メジャー・インフラトン」の描き始め(第1部作です。)その23
こんにちは、あおっちです。
本日はようやく休日。皆様は年末の最後の
追い込みでしょうか?
noteの通知で、こんなサービスがあるんですねぇ😊
成る程ぉ~🤔
って、🔰5か月で多いのか、少ないのか……。
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まぁ、noteに7月30日から参加してのあおっちのデータです~。
来年の年末と比べてどうなんでしょ。
ちょっち楽しみィ😁
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第1部作テキスト、「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)
第13章 「ノーラ叔母さん。」(中編)
のあらすじ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
シーラス大佐の小林未央(椎葉きよしの親友)と日本人のシーラス大佐の
南華子に化けたハイブリット人工知能のノーラリームとの打ち合わせ会議
室。
地球を襲う驚異が次々暴かれている。2062年現在、地球では中華帝国連邦(通称:AXIS)と、日本を中心に集まったシラス加盟国軍(通称:シーラス)が25年もの間、睨み合いが続いているが、本格的な宇宙の脅威や争いが銀河辺境の地球に来たのだ。
ウシハクル家筆頭のゴンロッソ伯爵家が、地球のAXISを使って月裏のネイジェア星域皇国の55番目のリゾート地「55スーリア」と、旧古代ジャンプ塔を襲ってきたのだ。
憤慨する小林大佐と南大佐。
現在地球に向かっているダイソン球体の武装コロニーの「シーラス・ムーン」には天の川銀河の1/3を収める「ジグムント・サイオン皇帝陛下」が地球に向かうため「シーラス・ムーン」に搭乗しているが、実は搭乗する直前にウシハクル家によって誘拐されたと言うのだ。
改めて衝撃が走る会議室。
しかし、4組の宇宙飛行士たちと、
我らがオース皇国皇女、ヤンチャ姫の
「オディア」が「ジグムント・サイオン皇帝」を救助したとの事だった。
第13章 「ノーラ叔母さん。」(後編)
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【お華(南華子)の補足】 ここから先は、コバとノーラ(お華)のゴニョゴニョ話よ。好きな方が読んでね。大事なお話もあるけどぉ、メンドーな方は、次の章に進んで読んでね👩🦰って、次回だけどねぇ、うふふっ。
小林はスマハンドの、光の演奏を見つめながら脳裏には23年前の6月25日、AXIS軍による侵略戦争が走馬灯のように思い出された。
当時、北海道は至る所で中華人民共和国に土地を買われていた。中でも占冠村は元人民解放軍の北部軍閥が全ての土地を借り上げていた。
ユーラシア大陸ではAXIS軍による対馬侵略戦争の2年前、中華人民共和から独立宣言をした女真帝国と、中華人民共和国の間で大規模戦闘が続いた。
その独立政府の退避先として占冠村に女真帝国の臨時政府、いわゆる幕府として準備をしていたのだ。
密かに軍の兵器や装備品、機動モービルなどの分解、搬入が日本政府、ポーランド政府、英国政府、米国政府、台湾政府など同盟国の協力の元に進められていた。
恵庭市や千歳市近郊では中国人民と称して人民解放軍の兵士が私服を来て便衣兵として潜み、大陸と呼応して爆破テロを行っていた。
日本人の犠牲者も多く出始めていた。
対馬戦役の翌年、人民解放軍は女真帝國幕府のある占冠村侵攻のため、戦略拠点として苫小牧市と千歳宙空ステーションへの攻撃を開始した
西暦2038年(令和20年)運命の苫小牧・千歳攻防戦が始まった。
それが6月25日だった。
そんな事を、今一度、思い出していた小林だった。
( た~いさ。お休み?あらまぁ、お疲れなのね。 )
「あ~ぼんやりしてた。あ~すみません。大丈夫です。」
( はい。ピータとのデータ移送終わりましたわ。ピーターも椎葉きよしが大好きで良かったわ。それが一番大切な事。それと、シルビアとも見識があるようです。うふふっ。私もデータ沢山いただいたわ。彼のデータの中から、しばらくぶりにシーラス皇女時代の祖父母や両親、シルビアたちの曽祖母で私の親友のジェーンとも会えたわ。ありがとう大佐。本当に、懐かしいわ。 )
「ベータ。いや、ノーラ叔母さん!それは良かった。じゃー、シーの事はまかせるよ。ピーター。」
( はい。私もきよし君夫妻と仕事が出来ると思うとワクワクします。 )
「この感応波プログラムで椎葉が、彼が頑なに断り続けた軍隊への復帰。なぜ軍に帰してほしいか理解してくれたら……。どうだ?我々の願いが叶うと思うか?ピーター。」
男性声のAIが答える。
( はい。彼を、というより人並はずれた彼の感を信じてください。彼に感応波を送り始めて、私も椎葉きよしという人物を感じています。彼を信じてください。そして私も。彼は生まれながらの戦士です。そして彼の息子も。2人とも根っこは物凄く強いです。アレクサンダー様。まだ幼く甘えん坊です。しかし、あのように見えて、もう目覚めていますよ。きよし様の方は、周りの期待とは裏腹に、本人は全く自覚していませんが。家族や親族、会社の職員に軍属が多く、軍を避けるような行動をこれまでとって来た感があるのは認めます。しかし、その態度は彼独特の周りへのいたわりかもしれません。彼が若くして意識不明の重体中に、太古から続く自分の潜在意識と、なんということでしょうか!なんということなんでしょう。宇宙の御意志と接触があった模様です。 )
( えっ! )
驚く女性声のAI、ベータことノーラ。
( えっ?ピーター!椎葉きよしが宇宙との御意志と接触があったの。私のメインフレームは、椎葉きよし内に今はあるけど。左脳の感応派プレートも今は私なのに。今、あなたとの接触データを遡っているけど、そんな事見当たらないわ。ピーター。 )
ノーラが驚く事など、滅多に有る事ではない。
( はい。事実です。今、この感応波に現れました。……。 )
「ピーター?どうした。」
少し困り気味の小林。
立ち上がって天井をグルッと見渡した。
( ご心配おかけいたしました。詳細はオリジナル・ペンタゴンにて、ご報告いたします。 )
「あー、そうかぁ。了解した。ピーター続けてくれ。」
( はい。きよし様が公に復帰すると、自然に回りが彼を期待をして頼る。頼る者は解放され緊張感がなくなる。思考も止まる。その弱い人の心を知っているから断り続けた。きよし様独特の直観でもあるのですよ。断わり続けた結果、地球のシーラスの結束と力を固める事が出来たのです。私はそう思っています。 )
「成る程。そうだな。まぁ、確かに。」
( 大佐、あなたが一番解っていると思います。最強の戦士、もしかしたら、地球人類だけでなくネイジー達待望の伝説の巨人、戦士かも。 )
「伝説の巨人か。はははっ。まるでアニメか漫画だな。でも、そうか伝説の戦士。道理で実戦ではバカ強いはずだ。兎に角、よろしく頼むピーター。」
( それでは明日の椎葉家の法事でお会いしましょう。小林大佐。 )
「了解。そしてベータ?」
( はい。明後日の6月25日から2日間、AXISによる小規模の戦闘が予測されたので、椎葉家を護る為、隠密の小隊の手配を、と思いましたが、うふふっ。元気一杯のオディアちゃんが、ご一緒するのよね。機動歩兵支援大隊とモービル2個小隊を、そら(宇宙)と地面そして海中にと、上下でご用意して宜しいかしら。万が一、椎葉きよしが戦闘に巻き込まれたら、きよし君を守るオディアがいるから周りは大変な事になるかも。彼女がいると超ド級の大騒ぎになるから。パナマ作戦で実証済みですわ。私が指揮を執りますわ。うふふっ。 )
「うわー、パナマ作戦な。そうだった。パナマかぁ。あちゃー。」
思いだし、塞ぎ込む小林大佐。
( プラス、補給大隊を付けてはいかが? )
「……うわぁ。そうだな。(更に頭を抱えながら)補給大隊は日本国軍の2部大隊で。あと万が一、事後の復旧の為に、自衛隊に要請依頼も。」
( 解りました。補給大隊は2部隊に変更しました。斎藤幕僚長、防衛庁にも連絡を開始致しました。 )
「ん~、君の演算結果では、慰霊式典の日は、AXISと、ひと戦はありそうなのか?」
( 55%の確率よ。正確には54.7%ようふふ。まぁ、半々。 )
「……。」
( 明後日25日の日曜日か、26日の月曜日かも、ですわ。ただ……。 )
「ただなんだ?」
( シーラスマザーは戦略立案で、みえみえの丘珠札幌宙空ステーションの封鎖をしてますが、それをご利用しては? )
「あっ、伊東君に頑張って貰おうか。敵に、我々のオリジナル・ペンタゴンへの潜入を諦めてもらう。それがいい。」
( お目が高い。奏ちゃん、適任ですわ。うふふっ。ここは殺人のプロにまかせないと。サイレントキラーの現場ですわよ。 )
「マザーは伊東大尉の戦闘力、どこまでつかんでいるのかな?」
( データ検索では、元格闘徽章付きの予備役と。現在は民間の会社員なので予備役の軍人程度ですわ。だからこそ、奏ちゃんとオディアを殺害してスパイと入れ替わりパラオ会議に潜入させるつもりなんでしょうが、彼女達の無双ぶりを知らないみたい。シーラスに潜入しているウシハクルのスパイ達も彼女達の力をかなり過小評価しているわね。 )
「でも、オディアは先に工作部隊へ送ったキャッシーや柘植君と共に戦ってサイオン皇帝陛下を無事に助けたんだろ?そのオディアの戦闘情報をウシハクルが掴んでいないとは。パナマの件もあるし。」
( ウシハクルも一枚岩ではないのでしょうね。ウシハクル皇国皇王が病で臥せっている最中、皇太子の保守派とゴンロッソ反政府派の争い。今回はウシハクルの反政府派の過激な行動。その反政府派閥がオディアを殺そうとするなんて。皇太子が月裏のアース・スーリアにご家族でいらしている隙を見ての反政府行動。こうなると、パナマ作戦の情報がうまく遮断されている証拠ですわ。オディアの戦闘力、オディア無双。知っていれば今回の様な無謀な攻撃はアクシス側に指示しないわ。シーラスマザーのデータには、あくまでもオディアはシーラス加盟国軍のいち情報将校、中佐登録でしかないわね。パナマの詳細はあくまでも、シーラスと米軍が共同で戦った。に書き換えてますわよ。現地にいたAXIS正規軍はオディアが1人残さず粛清。オディアはあー見えて賢いのよ。ちょっと残酷だけどね。感情を殺して目的の為に冷静に粛清できるオディア。そして、それはそれで。デジタルデータは全てマーシャがハッキングして書き換え。スーパーハッカーのマーシャの働きも大きいのよ。 )
「成る程。またもや麗子おばさんの娘か。2年前のパナマ作戦の時に、ペンタゴンで一度会ったきりだ。今回の作戦にも彼女は噛んでるのかな。」
( もちろんですわ。ウシハクル皇国から地球に送るデータへ色々、色を付けて工作してもらってるのよ。凄いわよー彼女は。うふふっ。 )
「では、通信に強い工作部隊をつける。詳細はベータにまかせる。マーシャが動きやすいように第一級の装備と技術官をつけてくれ。ん~、ちょっと待て。臨時に護衛機動部隊付き情報部隊を新編制しよう。その編成もベータに任せる。マーシャからも希望を聞いてくれ。」
( 了解!うふふっ。マーシャも喜ぶわ。 )
「復旧には、同志の自衛隊員にもスタンバッてもらうからな。伊東君とオディア、彼女達は決断と行動が早いし。発想がいつも我々軍人の想像を超えている。こちらも読めないからな。斎藤幕僚長には私も後で、詳細を報告後、交渉する。」
うふふっ。と上品に笑うAI。
( シャトルにスパイが侵入しているウラが取れたら、奏ちゃんに上手に掃除して頂きますわ。少しメンドーな事は減るわね。シーラスムーンが参加する式典の日、さすがに25日の攻撃はないと思いますが26日にかなりの規模で反撃の可能性はありますわ。 )
「止めるには……思いっきり派手に今回の月裏の戦闘映像を世界中に周知させてチャイニーズアクシスどもにショックを与えようか。末端の兵隊まで戦意を削ぐ。」
( 賛成ですわ。マーシャが旨く、今回の情報を止めているお陰で、AXISは月裏で何が起きたか全くわからない様子。ただ今、月裏のネイジェア公社、防衛機構から映像を頂きましたわ。 )
「よし。ありがとう。しっかし、この地球というより、この太陽系がウシハクルによって消滅するかも知れないという時に、AXISは本当に鬱陶しい。環境破壊や疫病や、本当に、いつの時代もこの国の支配者は自国の人々を含め、平和に暮らす人々の邪魔をする……。奴らの急襲母艦は?」
( 米英のシーラス宙空特殊部隊が4隻とも破壊しました。残骸の処分やスペースデブリの回収で待機中の自衛隊、シーラス宙空部隊と、シーラス皇国公社、オース皇国公社の共同で行っていますわ。大忙しで活動しています。出撃したAXISの正規の2大隊はネイジェア公社の防衛機構の力で完全に消滅しましたし。うふふっ。 )
「ほんとうにAXISへは月からの戦況連絡が伝わっていないんだな?」
( 女真帝国の潜入スパイからの報告では、月からの報告は一切ないとの事です。マーシャの仕事は完璧ですわ。うふふっ。 )
「宜しい。なるほど。AXISは混乱しているだろうな。」
( たーいさ。では役者はお決まりね。うふふ。チャイニーズと言えばもう1人。 )
「ならば女真帝国の初代皇帝、復活した溥儀皇帝陛下の孫にも暴れてもらうか。まぁ暴れるというより手伝ってもらおう。」
( ここはメイファンに国際舞台でかき回してもらいましょう。手始めは新NATO軍会議場のシーラス加盟国軍会議でなんかは、いかがかしら。あのバカの8人もいる事ですし。メイファンのお父上のお友達、ドバイ国軍のタル少将閣下、タル議長も良くできたお方ですから。 )
「ははっ、懐かしいな。すっかり忘れていた。国軍のタル少将閣下も頼れるお方だ。それと、ついでに溥儀陛下のご長男、王閣下にまた足労願うか。元瀋陽軍区司令、北の総大将。女真帝国設立の立役者か。王閣下の顔が目に浮かぶ。はははっ。閣下は本当に憎めないお方だからな。俺と椎葉の古い知り合いでもある。そうか、また会えるか。楽しみがひとつ増えた……なるほど。とっ、いう事は結局女子高の同窓会で敵を迎え打つみたいな。ネイジェア星域から帰星中のキャシーや陽子といい、地球のエルジビエタ、伊東奏、オディア、マーシャ。最後はメイファンか。はははっ。」
( そして椎葉きよし、椎葉シルビア夫婦の元マネージャたち。ヴルーシカ。名前の通り人類を助ける妖精。ほんと妖精のようね。 )
「彼女たちに、この太陽系の命運が掛かっているわけだな。」
( ところで、大佐!未央?未央っ。 )
「あっ、ハイ。」
名前を呼ばれ、素のいつものコバに戻る小林。素になると北海道弁が出る。
( この程度の作戦ならばもっと、私に任せなさい。アナタ自身は人生の決着をお付けなさい。来年の8月。椎葉きよしが復帰した場合、サイオン皇帝陛下の凱旋帰国。その途中、ネイジェア星の宙域でウシハクルと戦闘が始まる可能性も全くないとは言えないのよ。万が一の時……お2人共、後悔がないように。時間は一方通行。8月の作戦行動が始動し、艦隊がネイジェア星域にジャンプしたらもぅ取り返しがつかないのよ。彼女の気持ちは、とうに決まって。 )
「いう通りだべさ……ありがとう。」
( ならば。未央。 )
「解ってるべさぁ。もぅ決心はついてるんだノーラ。明日の土曜夕方、札幌さ入るべか。それでどうだべ?」
( あっそぅ!あ〜よかったわ!未央。そうなさい。ご自分の気持ちに、素直に。実はそれが彼女を大切にする事にもなるのよ。そしてアナタも。あ~よかった。 )
「有難う。では、言葉に甘えるべか。お互い、あの懐かしい場所。あん場所でぇ会うべか。話というより告白か。こっぱずかしいけど。」
( しかも、いいタイミングで今、札幌に偽装完了したイージスアショアがあるなんて。もしもの時は…… )
「もしも時は……どこかの星さぁジャンプしてぇ、戦が収まるまでふた〜りでノンビリ暮らすべさ。」
( なるほど!それも素敵ねぇ、うふふ。 )
「はははっ。」
( うふふふっ。 )
「あっ、ベータ?ノーラ?アメリカのニーイチ(21)艦隊の旗艦、カサブランカは?たしか、今頃閣下は、」
( 英国ハチハチ(88)艦隊旗艦、エリザベス三世と北海道上空でランデブー中よ。御舩大将閣下がカサブランカに乗り込んだわ。宇宙嫌いの大将閣下もネイジェアの慣性技術で重力があるから艦内うろうろして、なんか楽しんでいるわ。うふふ。あっ未央!今日中にそら(宇宙)に上がっちゃいなさいよ。ちょうど椎葉家の法事で、親戚の艦隊司令のオースティン中将閣下夫婦がシャトルで千歳に降りてきてるし。そのシャトルお借りしては? )
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「へー、麗子おばさん達か。たまに、そら(宇宙)に上がるべか。んで、明日の朝、大将閣下と椎葉の法事で閣下と一緒に降りてきたらいいべか。」
( 了解。えー、今、連絡してるわよ。大将閣下、カサブランカ、エリザベス三世、千歳第1打撃軍にショート亜空間で通話中よっ。たまに息抜きしてらっしゃい。うふふっ。あっ、オースティン中将閣下は快く、“千歳の4番倉庫にあるから使ってくれ”だって。うふふっ。独身最後の夜になったりして。 )
「んな訳ないべさ。もうベータ、話早いべや。はは。振られるかもしんねぃし。はははっ。」
( うふふふっ、大佐?リアル通信をしてるけどぉ、今、御舩大将閣下が。ほーんとあなた方は仲がいいのね!大将閣下がイモでいいか?だって。イモってあの、お芋なの。お芋をどうするの? )
「イモ?あーイモ焼酎!はっははっ。ご相伴いたしますと、お願いしてくれや、ノーラ。」
( イモ焼酎!なるほど。うふふ。閣下がつまみ、千歳ステーションの土産売り場でいつものアレ買ってこい。イモだけじゃ飽きるからなんか違う酒、ビールでも、発泡酒でもいいから頼むって。大将閣下が仰ってるわ。アレって何ですの? )
「開き氷下魚(コマイ)だわ。それとニシンの燻製。」
( あー、清春師範以来だわぁ。美味しいよね。未央、今度食べさせて。 )
「了解。シーの実家にいつもあんべ。母屋の奥の戸棚の引き出しか、下の開き戸の奥に。カンカンに硬い開き氷下魚。それと冷蔵庫の野菜室の奥にニシンの燻製あるべ。ノーラ叔母さん、華子に実体化するんだから今晩、シーか、オディアに言って食べてみたらいい。シーもオディア、兄弟揃って硬い氷下魚、むくの上手いから。うわぁ、俺も食べたくなってきた。ん~だばっ千歳でマヨネーズと一味唐辛子も買うべか。北海シマエビも買って行こうかなぁ。」
( まぁ兎に角、未央。エルジビエタとしっかり話してね。札幌のアショアには話通してあるし。エラの札幌の自宅マンションに泊まるんでしょ。札幌市中央区役所でも、ネットでも婚姻届けは24時間届け出を出せるわよ。せっかくだから2人で札幌中央区役所に届け出だしたら?記念となるし。うふふっ。 )
「だから、話早いって。でも、有難うノーラ叔母さん、スッキリした。」
( いいえ。……貴方が羨ましいですわ。 )
「……そうですか。」
( 本当に羨ましいわ。うふふっ。羨ましい! )
「……。話を切り出してくれてありがとう。ノーラ叔母さん。」
( さぁ!アホのマザーに制御戻しますわ。仕事、仕事!未央っ!うふふ。 )
「叔母さん、んだべっ。やるべかっ!」
ほっぺたをパンパンっと叩き気合いを入れる小林。
( 未央っ。頑張って。うふふっ。 )
小林が元の席に座る。動きが止まったベータのアバターを下から見上げて、左肩のアバター手を握り、右目で不器用にウインクする小林。スマハンドにふた指を着けて宣言して、制御を切る小林。
「βシーラス、パージ。」
女性大佐が動き出す。
透き通る薄いピンクの指を伸ばしてガラス壁の遮蔽を切った。なぜか小林が呼んでもいないのに、シーラスマザーの制御を表す天井角の小さなグリーンランプがつく。また、誰かが2人の監視を始めたのだ。天井をチラッと見る2人。
「……ふっ。」
「うふふっ。」
呆れて目を合わせる小林と、アバターの女性大佐の体に戻った華子ことノーラだった。
女性大佐が手の平を広げ、はにかんで小さく顔を振った。
ため息をしてからガラス窓を見ると、目の合った列の先頭の部下達が敬礼をした。うなづき返礼をする女性大佐。
ガラスの向こうではジャンパーを着たアーマースーツ姿の屈強な男女の兵士が休めの姿勢で列をつくり立って待っていたのだ。
「それでは、失礼いたしますわ、小林大佐。うふふっ。」
立ち上がる小林。お互いニコニコして敬礼をした。
超美人の小顔で日本人顔、色白の女性大佐がコツコツと上品にヒールの音を立ててガラス張りの会議室を出て行く。
その隊列にチョコチョコと3名の対通信部隊装備色の小柄な女性兵士達が遅れて小走りに列へついた。そんな3人を見てニコニコしながら会議室から出て来た女性大佐。
4グループが一斉に敬礼。
( ザッザッ! )
スラッと細く伸びた指先を重ねて素早く返礼をする大佐だった。真顔になった。
「休め。」
ザッと機動歩兵達は手を後ろに回し休めの姿勢。制服が似合う女性大佐の話を傾聴し始めた。
小林はガラスの会議室から、その様子を眺めていた。
「ふっ。羨ましい……か。」
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本日も、お読みいただきありがとうございました。
あおっちは今日、抜歯したので泣きながら寝ます😖
それでは😜おやすみなさい。
あおっち