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小説「メジャー・インフラトン」の描き始め(第1部作です。)その28
🎍皆様、こんばんわ。
あおっちです。
いかがお過ごしでしょうか。
残念ながら2日も休みがありましたが、
朝から晩まで病院通いで、
きょうは、
「手抜き」します😒
ごめんなさい😣
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「メジャー・インフラトン」も予定より遅れる事2年半なのは
変わりないですが、ようやく第10章をNolaノベルさんにUP!
ついでにアルファポリスさんにもUP!
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第10章は正月休みで終わるはずが……甘かった😥
とにかく、第11章を執筆中です!(カラ元気desu)😁
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第1部作テキスト、「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)
第14章「アンガウルの夜。」(後編)
のあらすじ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大阪の天満橋商店街にそびえ立つ(株)高崎薬品の
地下には、秘密の「SIRUS」基地があった。
そこから橿原シーラス・本部へ、
地下の真空チューブで、急行する小林未央だった。
βシーラスこと、ノーラAIと打ち合わせる小林。
続々と情報が入って来たのだ。
敵のスパイと特定されている同じ「SIRUS」の
英国RASFのジョンソン提督から通信が確認された。
そして、我らがオディアも大活躍。
サイオン皇帝陛下を救出して、そのご褒美として、
月裏のリゾート「55スーリア」で、
満喫しているとの事だった。
明後日のグランドゼロ慰霊祭で、実体化した
ノーラとの再会の約束をする小林だった。
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■ 西暦1944年(昭和19年) 7月14日。アンガウル島の夜。
夜も更けて、アンガウルの海岸奥の林では無数に揺れる小さな炎が点在した。複数の飯盒を吊るした木を降す兵隊達。
「分隊長、飯です。」
「おー有難う。」
血が染み真っ黒くなった布をぐるぐる巻きにした右手で飯盒を受け取る御舩。
飯ごうのフタを開けて、枝で作ったお箸を使ってひと口食べてうなずく。
「やっぱりチチハルも、アンガウルでも赤元の炊く飯ごう飯は料亭の腕前だ。」
「有難うございます分隊長。ハハハッ。」
「分隊長は調子に乗せるの上手いからな!また明日も頼みます赤元料理長。あはははっ!」
(( ガハハハッ~! ))
分隊それぞれが大笑いした。
味噌を節約した薄い味噌汁と1人、1切れづつ配給された沢庵の漬物を大事にかじりながら楽しく談笑していた。
その御舩の横に福田軍曹がやってきた。
福田が一升瓶を両手に持った部下の斎藤と、御舩の横にサッと座った。
軍曹が御舩の前に割れた茶碗を2つ置く。
( コツッコッ。 )
「オイ、斎藤。」
「はい!」
ニコニコ笑顔の部下の斎藤一等兵が立ち上がり敬礼をし、一升瓶の少し濁った液体を並々注いだ。
横を見て立ち上がり、敬礼しそうな御舩の肩を押さえて話す。
「はははっ。まぁ、まぁいいっぺねっ。今日はいいっぺね。御舩軍曹。」
茶碗をひとつ御舩へ渡した。
「現地、ここの人から貰ったタロイモ酒だっぺ。あ、あんれ、イモだから焼酎か?」
と、茶碗を勝手にチンッと御舩の茶碗に当てて、ひと口。
「グビッ。……ぅうわぁキク〜っ!っでも、うまっ。うまがっぺぇ!」
また、一升瓶から注いだ。
「その現地の人。日本語うめーから、ある事ない事、話したっぺょ。なんでも南洋拓殖のリン採掘で日本人に世話なったっていうから。コロルから子供と2人で、自宅にあった一升瓶30本積んで夕方から舟漕いで来たんだっぺょ。」
舟を漕ぐ仕草をする。見るからに人のよさそうな日本兵。
「え~!ここ、潮の流れは速くて大変でしょう。」
「あ〜オラもた~まげた!そしたら先祖代々アンガで毎日魚採ってたからなんともないんだ〜て。たまげっぺ。なっ?軍曹。今晩にぃ漕いで来たって。」
「そうですか!じゃ私も、遠慮なくいただきます。ズズっ……ガァッ〜キックー!これっキツいっすっ!でも~これ~現地の人の貴重品。」
奥の方に座る石原隊長へ目をやると、一升瓶を持った福田の部下、斉藤一等兵から飯盒の蓋にタロイモ酒を注いで貰っていた。
石原隊長がニコニコしながら、御舩を見て手を振った。
さすが根回し上手の福田軍曹と思った。
「たまにはえがっぺね。軍曹?手、どうしたっぺ?見せるべね。」
ドロドロになった泥だらけの布をほどきながら、福田に話す。
「あはは、鉄条網で。ちょっと失礼します。」
茶碗を目一杯口に流し、口に含んだタロイモ酒を両手の平にプーッ!と吹いた。
「ぐわおぉぉ〜っ、ク〜ッ染みる〜っ!あちちっ痛っー!おーイテテ。」
福田が御舩の掌をめくると何本も裂傷が走る。
「これはいかん!洞窟の軍医殿の所へ。」
斎藤も戻って来て覗き込む。
「いやいや、福田軍曹大丈夫です。」
御舩は、直ぐ包帯替わりのドロドロに汚れている布を巻き戻した。
「新しい包帯もって来ますか?」
と、斎藤一等兵。
「戦の本番までとって置かないと、勿体ない。包帯は幾らあっても、たらないからな。」
と、御舩が断る。
「軍曹!化膿したら、すぐウジがわくっぺ。」
心配する福田であった。
( はははっ! )
と、御舩。
至る所で火を囲み、笑い声が聞こえる。戦士達の一時の安らぎだった。
翌日の早朝。
まだ朝5時だというのに、炎暑のもと作業が始まっていた。
戦車壕を掘る福田軍曹の横をシャベルを持って歩く御舩以下15人の擲弾筒分隊。
御舩の手の平の傷が心配で、砂山を固めながらチラッと覗く福田。
「あんれー?御舩さん。手、包帯しなくてもえがっぺか?」
福田に気が付き、足を止めて敬礼する御舩。ニコニコしながら答えた。
「おはよう御座います福田軍曹!」
「おめっ、手っ。」
「子供の頃から一晩寝たら、コロっと治ります。ハハハッ。」
掌をパッと見せる。ほとんど裂傷の痕跡さえ無い若者の手のひらだった。
( えぇーっ! )
と、驚く福田と斎藤。
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「嘘です。嘘です。軍曹!昨晩の差し入れのキツ〜いタロイモ酒が効きました。有難う御座います。それでは。」
手の平を指さしニッコリ。白い歯をニカッと出して、敬礼をしてから現場に向かう御舩の分隊。
「おい、斎藤見たか?」
「はい〜っ!」
「すげーぺっ!タロイモ。」
「すげーです、タロイモ。」
シャベルにアゴを乗せ、感心する2人だった。
はい😊
今日はここまでです。
次回「第15章 地球艦隊集結。」ですよ。
お楽しみにぃ😁
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それでは、また次週お逢いしましょう😁
また来週から寒波がくるんだってさ。
身体を冷やさないでね😜
それではバイバイ🤟
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