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小説「メジャー・インフラトン」の描き始め(第1部作です。)その26
🎍こんにちは、あおっちです。
お正月ムードも落ち着いてきましたね😊
皆様いかがお過ごしでしょうか。
サラリーマンのあおっちもバリバリ馬力出して、頑張ってます👌
「メジャー・インフラトン」も予定より遅れる事2年半。
第6部作のメインイベントに向かって
前振りの第10章にようやく突入しました。
長かった😖
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主人公「椎葉きよし」の少年兵時代、「千歳防衛戦」という、
最期のバトルに迫ってきました。
真面目にコツコツと描かないと年内に前章譚の最終、第7部作に
間に合わない!と、少しドキドキしています😥
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Noteでご案内しているのは、まだ第1部作の「第14章 アンガウルの夜。」
気長にお読みくださいね。😁
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第1部作テキスト、「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)
第14章「アンガウルの夜。」(中編-①)
のあらすじ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
午後から自社の(株)高崎薬品で「治験」を控えている親友であり、戦友の椎葉きよしと、部下の南華子(実体化ノーラAI)を会社の向いの、
こってりラーメン屋で昼食を済ませた小林未央たち。
最近、きよしと戦った23年前に起きた「苫小牧・千歳防衛戦」を
嫌に思い出す小林未央だった。
その戦場。
沢山の戦友を失い心に傷を負っていた小林未央だった。
第14章「アンガウルの夜。」(中編-②)
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昔の事も今、それも最近、妙に思い出す小林だった。
しかも、椎葉をだまし続けている罪悪感が今も小林の心のシコリになっていた。
しかしそれは、椎葉の妻のシルビア、妹のエルジビエタ、オディア。母親の京子は特に今も悩んでいるはずだった。
だが、それも明後日25日の非公式ではあるが慰霊式典で全て椎葉に打ち明けるつもりでいる小林だった。
何とも言えない気持ちの小林だった。
( この仕事、ホント!キッツイわぁ〜! )
と、天井を見て、心の中で叫ぶ小林だった。
「ん?どったの?」
不意に目が覚めた椎葉だったが、お腹が膨らんでいよいよ瞼が重くなる。
へなへなへなっと、手枕に沈み始める椎葉。
「もぅ行くぞ!シー!」
「フニャフニャ、もう食べきれないですー、南さん……。」
無理やり椎葉を立たす小林。
「山ちゃん!ご馳走さん!」
「あいよっ!」
小林は、椎葉の腕をつかんだまま、スマハンドを会計レジ端末に付けた。
( ピッ!3,150円を入金いたしました。テンテンポント31ポイント加算いたしました。ご利用有難うございます。)
と、レジから自動音声が流れた。
椎葉を店の外に押し出す小林。その時、店主の山ちゃんが余計な事言った。
「毎度~!ありがとうな、コバちゃん。また、エルちゃんとおいで!また、2人で飲んだ帰りに来たら、いいやんか!イチャイチャしたらいいがなぁ。あはは。こんどは、友達とさっきの綺麗な女の子と一緒に……。」
と店主の山口。
「あわわ、山ちゃんシーッ!シーッ」
慌てて、唇に人差し指をあてて、手のひらで店主の話をさえぎる小林。口に手の平を当てて慌てる店主。
「あっ、あっ。」
小林は今の会話が聞かれたのかと焦って、椎葉きよしが先に出ているのを確認してた。
「ほっ。もう、頼むで〜山ちゃん。んもうっ。」
■ 大阪天神橋脇に立つ高崎薬品の本社ビル。
その部屋の中で小林と、治験を受ける椎葉きよしがベットの上で横たわっていた。
「シー、お前ぇ、治験の案内や説明開始からずっと寝とってたべ!注意事項聞いたか?」
ベットに横たわり新薬の点滴を受ける椎葉。
小林は話しかけるが、ピクリとも動かない。
「クソっ!既に爆睡っ。」
椎葉の脳波を確認。他の計器を目視で確認する小林。
「シーラスマザー。」
( イエスキャップ。 )
「データは」
( 全トレース、ハッキング、データ漏洩も今の所、ありません。新薬の投与も問題ありません。 )
「宜しい。」
椎葉の顔を覗き込む小林。
( 小林大佐。部屋の移動を行います。 )
「承認。」
部屋を見渡す小林。
ガタンと音がして微かに振動する室内。その内、振動が止まった。
( すまん。地球、いや太陽系を守る為だ。シー。 )
と、椎葉を見つめる小林。
そして、コンコンとドアをノックする音がした。
( コンコンッ! )
「カミン……。」
と答える小林。
「伊東大尉、入ります。」
ベレー帽を被ったシラス加盟国軍の軍服姿の女性。
伊東奏が入室した。
「大佐、至急電です。」
「宜しい大尉。何だ。」
「大佐、シーラス・英国。ロンドン支部から自衛隊オービターと連絡が取れたと報告が入りました。」
「おーそうか!」
「杉山機長以下9名と救助した1名。そして警備歩兵の4名は無事だそうです。」
「そうか。時間的にそろそろ再突入の時間だな。」
透明なクリスタル端末を見ながら答える伊東奏大尉。
「万が一に備えて、伊勢のバックアップ支部では英国RSFマーシャル・ジョンソン閣下が指揮を執っており、レッドアラートポジションをレベル2に昇格、戦闘態勢でホールドです。」
「何?なぜ連絡が取れているのにレッドアラートなんだ?。逆にイエローアラート1解除だろうに。ポジションも4ポイント上がって。どう言う事だ?何を攻撃する。シーラス、マザー?なぜお前から至急電がなかった?」
( マーシャル・ジョンソンから准将以上に通知とのご命令です。御舩大将閣下より伊東大尉に至急電を託した模様です。ただ、質問についての制限はない為、今、この様に小林大佐に回答しております。 )
「連絡は今とれたのか?」
( はい。ロンドンの宙空管制より連絡が先ほど取れたと報告が入りました。オービターは今、EI(大気圏再突入)中です。 )
端末を伊東大尉に返した。
「向かっているなら良い。私もすぐ橿原に行く。準備したまえ。」
「大佐。」
手で小林を抑える伊東。
「ん?どうした。」
「はい。もしかしたらオービター内で警護している兵に紛れこんで居るかもしれません。大佐、丘珠宙空ステーションを閉鎖しては如何でしょうか。」
「さすが伊東だ。すでに封鎖中だ。」
ニコッとする伊東大尉。
「マザー?」
( 既に私の提案で丘珠宙空ステーションを欺瞞工作で封鎖をしております。また、ロッテルダム、ドバイ、カルカッタ各宙空ステーションに緊急着陸の許可を得ております。 )
目を合わす小林と伊東。
この期に及んでまだ、自分の本拠地ロンドンの懐に招き入れようとするジョンソンのズル賢い発想に呆れたのだ。しかし、裏切り者スパイのジョンソン提督といえ今の小林は、とりあえず彼の部下の身だった。
「……ジョンソン元帥閣下、船坂大将閣下の両閣下へ、私の情報取得を報告。」
( イエスキャッ。 )
「枢軸軍の追跡はありません。」
端末を見ながら伊東大尉が答える。
「判った。とにかく橿原に向かう。そこでだ、伊東大尉。命令!」
「はっ!」
直立不動で敬礼をする伊東奏。
「大尉、椎葉きよしおよび家族の保護および警護。まず丘珠札幌宙空ステーションで椎葉オディアを確保。そして栗山町まで警護。そこから椎葉ファミリーの警護開始。期間は作戦上、追って通達する。よろしいか?君に一任する。彼の行動スケジュールは既に知っているな。」
「はっ大佐。スケジュールは把握しております。私は民間人、椎葉きよしと共に移動し、ファミリーを警護致します。」
「宜しい。」
「小林大佐。それでは栗山町、椎葉実家に行きます。椎葉ファミリーとポーランド経由でパラオ本部に向かうよう橿原本部のフランソワ上級軍医からも指示を受けました。格闘装備アルファ(α)で準備いたします。」
「宜しい。しかし、医療装備タンゴ(T)で頼む。」
( 小林大佐?医療装備タンゴとは登録されていませんが。 )
シーラスマザーが小林に質問する。
天井を見てから腕組みをする小林大佐。
「伊東大尉の装備について、マザーには追って報告する。伊東大尉、医療装備タンゴで準備するように。格闘S徽章付きの君が付き添いなら安心だが、何があるか解らん。気をつけろよ。」
「はっ、大佐!」
医療装備タンゴとは、既にウシハクルやAXISのスパイの手に落ちているシーラスマザーに対する欺瞞コード報告だった。
正確には、コード医療は対人、コード装備Tは特殊チタニュウム合金に対応する接近戦武装装備の事であった。すなわち対機動歩兵や対機動モービル・HARMARへのゼロ距離攻撃武装装備の事である。
伊東は脳波に一切乱れが無いように訓練を受けている。その訓練を積んだ伊東だからこそ、御舩は至急電を伊東に任せたのだった。
伊東は伊東で、瞬間にオービターの内に居る、チタニウム合金の塊の警備用機動歩兵がターゲットである事を理解した。
だから白兵戦に特化した自分が、この作戦に選ばれた事に納得したのだ。
命令を受けた後の敬礼をする伊東大尉。
振り向いて行こうと、帰り掛けの伊東大尉の腕を引いた。
「えっ?大佐何か。」
「教え子への情ではないが……。今の椎葉には十分気を付けろよ。」
「えっ?」
チロッと右下を見る小林。
鼻ちょうちん、イビキ、ヨダレを垂らしながら爆睡する椎葉をアゴで指した。
伊東が椎葉を見ると、女子高時代エルジビエタの家に遊びへ行くといつも居間のソファーで寝てる、エルジビエタの兄ちゃんのままだった。
「はぁい?」
ぷ、ぷ、と笑いを堪えて涙目の伊東大尉。
「教官……あっ失礼致しました小林大佐!この男は、なんというか実は婦人に対して何かをするストーカーとかでしょうか?私にとっては友人の義兄。旧知の仲で、今は会社の上司です。気をつけろと言われても~、」
「違う、違う。そう言う事ではない。ただ、任務に、もし支障がでることであれば、無理せず交代も構わんと……。」
小林は感応波で現状情報を椎葉の脳に直接送り込んでいる為、精神的に破綻をきたすとか、暴れるとか、万が一のつもりで言ったはずだったが、伊東には違うイメージで伝わってしまった。
「大佐!何を示唆されているか解りませんが任務を完全に遂行いたします。絶対に任務からはずさないでください!教官、いやいや呼び方を、何度もすみません大佐!失礼いたします!」
敬礼し、バタンッと強くドアを閉めて退出する伊東大尉。
「あらぁ?なんで怒ってるんだべ?マザーわかるべか?」
( 私も理解出来ません……。もう、本社ビルに上がりましょう。大佐。 )
「……そだね。」
腕を組んで悩む小林を乗せたまま、静かに上昇する医務室。
この会社の地下にはシーラス加盟国軍、各国の対地上および地対空実行部隊や自衛隊、日本国軍の防衛部隊の拠点があるのだ。
人混みに紛れた私服の米国、英国、台湾、ポーランド、女真帝国の機動歩兵兵士やモービルパイロットが続々と集結していた。
橿原と伊勢同様に3分で各所移動できる真空チューブに繋がっていた。
表示板の明かりが赤から青に変わる。
伊東奏は部屋が完全に上がったのを確認した。
「ふんっ!」
と肩を怒らせながら歩き始める伊東大尉。
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「オタク親父を守るのはいいけどぉ、エルやシルビアさんに悪いけどォ〜、なんか腹立つ!小林大佐も大佐だわ。なんであんなへなちょこを警戒しろって。もう私の実力なめすぎ!」
一般市民レベルを遥かに超える白兵戦の達人の伊東。
小林の椎葉きよしを警戒せよに腹を立てた奏だった。
地下の廊下では、沢山の各国の男女の兵士が歩いているのに、全く構わずベレー帽を取り、歩きながらスカーフを外し軍服を脱ぎ始める伊東大尉。
更衣室の前で、スカートのチャックに手を伸ばすと、人の目線に立ち止まる。
「何見てんのよ!張り倒すよ!」
ヒッ、ヒィ〜と逃げる白人男性兵士たち。
( バタンッ! )
と、更衣室に入る。
もう一度、ブラジャーとパンツ姿のまま、
更衣室の戸を開き、左右を見た。
「ふんっ!」
( バタンッ! )
と、着替え室に入る伊東大尉だった。
🤗はい~っ。
今日はこれで終わりで~す。
次は、(中編-③)です。
お読み下さってありがとうございました。
お楽しみに😁
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それでは、またお逢いしましょう😁
まだまだ、寒さが続きます。
風邪などひかないでね🙌バイバイ。
あおっち
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