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従業員を守る姿勢示して「安心感」醸成|気ままに労働雑感
厚生労働省はこのほど、顧客などからの著しい迷惑行為(いわゆるカスタマーハラスメント)に対して企業が適切に対処できるようにするため、「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を作成しました。
カスハラを想定した事前準備から、実際に起こったときの対応までのポイントを示しています。
不当・悪質なクレームなどのカスタマーハラスメントは、従業員に過度に精神的ストレスを感じさせ、業務のパフォーマンスを低下させるなど、従業員に対して大きな影響を及ぼします。
被害を受けた従業員において頭痛や睡眠不良、精神疾患、耳鳴りといった健康不良が生じるケースや、現場対応への恐怖心のために配置転換や休職、退職に追い込まれてしまうケースも考えられます。
同マニュアルでは、事前準備の第一歩として、事業主の基本方針・基本姿勢を明確化し、従業員に周知・啓発するよう促しています。
そのほか、被害者である従業員のための相談対応体制の整備、対応方法や手順の決定、悪質なクレームなどへの対応に関する従業員教育・研修などに取り組むべきとしています。
悪質なクレームなどが実際に発生した際は、事実関係を正確に確認したうえで、企業が決めた対応方針に基づいて行動するとともに、速やかに従業員への配慮の措置を行う必要があるとしました。
たとえば、暴力行為などの被害を受けている場合は現場監督者が顧客対応を引き継ぐことで安全を確保し、メンタルヘルス不調の兆候がある場合には産業医などを通じたアフターケアを行います。
従業員が日頃から安心して業務に従事し、能力を発揮できるようにするためには、マニュアルが示したポイントのうち、「カスハラから従業員を守る」という事業主の基本方針・基本姿勢を明確化し、
それを従業員に対してしっかり伝えておくことが特に大切だと思います。
常識の範囲を超えるような要求・言動を受けたら一人で抱え込まずに積極的に周囲に相談することや、カスハラが発生した際に企業が講じる配慮措置の内容なども併せて周知しておくと、従業員の安心感の醸成につながるのではないでしょうか。
労働新聞編集長 金井 朗仁
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