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商品の種類の多さが対策を困難に|「ちょっと言わせて」

今号特集1で、神戸屋練馬工場の取組みを紹介したのに関連して「ひのみやぐら」では、食料品製造業の災害防止について問題点を指摘させていただきました。


「はさまれ・巻き込まれ」「切れ・こすれ」「転倒」の3種類の災害が目立っているほか、腰痛を訴える人が少なくなかったり、職場の状況としては高齢化や非正規社員の多いのが特徴です。

さらに災害防止が困難な理由を挙げるとすれば、商品によってさまざまな設備、機械、作業形態があるということではないでしょうか。
そのため、事業場によって問題点が異なり、業界で統一的な安全対策を進めることを難しいものにしています。
一口に食料品製造業といっても、肉・乳製品、水産品、パン・菓子、調味料、弁当などあり、製造業ではないにしてもスーパーマーケットのバックヤードや飲食店の調理、加工の現場でも同じような災害が起きています。

たとえば、肉製品であれば「工場内でミンチを挽く作業中、終了まぎわに、ミンチ機械の搬送スクリューに肉が詰まったので安全カバーを外し奥の方に手で肉を押し込んだ時、奥の搬送スクリューが惰性で回っていたことに気が付かなかったため手指を負傷した」という災害がありました。

また、パン・菓子製造の現場では「ミニブレッドをスライサーでスライス作業中、残りあと1枚となった時点で安全板を使用しないでパンを右腕で押さえてスライスしたところ、誤って右の指がスライサーの刃に触れ負傷した」との災害が報告されています。

(中災防:「食品加工作業における効果的なリスクアセスメントの進め方に関する調査研究報告書」から引用)。

食料品製造業の災害防止については、やはり事業場ごとに特徴があることから労働安全衛生コンサルタントなどの専門家のアドバイスを受けるのが、最もよいものと思います。
安全対策には共通したノウハウもありますので、専門家の指導のもとリスクアセスメントで対応するのが有効でしょう。

安全スタッフ編集長 高野健一

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