背景に流行色を使用してデザインするデジタルアートの検討【自分用メモ】
ファッションに流行があるようにデザイン・アートにも流行があります。
最近、サムネイル画像のようなデザインを目にしませんか。
バックはパステルカラーもしくはグラデーション、メインにシンプルなプロダクト。
インターネットの大海でこんなテイストのアート・イラストなどが多く浮上してきています。
現代のスタンダードとなった「フラットデザイン」の影響だと私は考えます。
簡単にインターネット上でアート・デザインを目にすることができる現代人とスマホなどマルチデバイスに普及したシンプルで分かりやすいフラットデザインがマッチして流行ったのでしょう。
そんな流行に便乗して、背景にトレンドカラーを使用したデジタルアートを学んでいこうと思います。
【背景の重要性】
メインのプロダクトを輝かせるために必要なのが背景。
WEBデザインからアートやチラシ、どんなジャンルでも色・グラフィック・テクスチャを最大限駆使して、適したレイアウトを模索します。
ターゲットに最適な背景は、見る人の注目を誘ったり、売上を伸ばしたりと、「数字を増やす」効果をもたらすこともあるでしょう。
【トレンド】
大胆な色使い
背景を一色に塗りつぶすことで、見る人に想像の選択を与え、その心理に訴えかける効果があります。
例えば「赤」「オレンジ」「黄色」であれば明るく、元気で、ポジティブな印象を、「水色」「青」「紺」は清潔、知的で、男性的な印象を与える効果が期待されます。
もちろん色をどのように解釈するかは、その人の経験によって変わり、ネガティブな印象を与えることもありますが、大半の人に与える心理的なイメージは共通します。
マンガ調のイラスト
フラットデザインとアイソメトリックの流行に追従してマンガ調のイラストが注目を集めています。
制作には時間がかかりそうですが、他と被りにくいイラストゆえに独自のデザインにすることができるでしょう。
マンガ調にすることで賑やかな印象を与え、一目で見た人を楽しませることができ、流行にもっともフィットする表現だと考えます。
ミニマリズム
「シンプルなレイアウトは装飾や演出を際立たせるデザイン」
シンプルさを追求した手法は、もう何年も継続して見かけます。
しかし、ただ単調というわけではなく新たなコンセプトが年をかさねるごとに増えています。
ミニマリズムはシンプルだゆえにほかの手法と組み合わせやすいデザイン。
「ミニマリズム×大胆な色使い」や「ミニマリズム×マンガ調のイラスト」など様々なジャンルに派生できることも魅力です
アースカラー
昨今の流行色の一つとして「アースカラー」が多く取り上げられています。若年層を中心にPCやスマホの画面を見る時間がますます長くなっているため、目に優しい色を積極的に取り入れる傾向があるようです。
そういった色の代表としてアースカラーがあります。
「黄緑」「緑」「茶」が与えるイメージの共通点として自然、癒し、温和などストレスを多く抱える現代人と合う必然的な流行と言えるでしょう。
彩度が高い色を使わず、コントラストを抑えることが温かみを感じるデザインにするコツです。
レトロモダン
ロボットやAI、デバイスの進化など技術の発展による一方で、あえてレトロ風味にする「レトロモダン」も一つの選択です。
どこか懐かしさを感じる雰囲気を与えるレトロモダンは、アースカラーと同様に見る人にやさしく、かつ遊び心をくすぐるため年齢層が高い人にも有効だと考えます。
【流行色/トレンドカラーはどこから】
そもそも流行を把握すると言っても掴める最初の要素は”雰囲気”でしかないと考えます。
流行色についても同様にWEARなどファッションサイトや躍進する企業のWEBサイトを見ると何となくこの色のレイアウトが多いな~とは思います。
しかし、こぞってメディアが発信する流行色、トレンドカラーはいったいどこからくるのでしょうか。
流行色は、主に2つの組織によって決められているようです。
製品の色を決定する際のヒントである色見本帳を出している世界的企業PANTONE(パントーン)と世界17か国での流行色を決めることのできる協会の国内組織JAFCA(一般社団法人 日本流行色協会)。
どちらも実績のある立派な組織ですがこの流行色、2年も前から決められているそうです。
そうなると必ず流行するわけではないのでは?という疑問がわいてきます。
そのシーズンに流行らせたい色を決めるだけではないのでしょうか。
実際、2017年12月にPANTONE社から発表された流行色「黄緑色のGreenery」は緑系ゆえに「コーディネートに難しい」「春や夏の色では」といった声があげられています。
しかし2020年の春夏シーズンより注目を浴びていたグリーンは、現在も引き続き人気があり、PRADAのコレクションに連続して登場したり、ショッピングモールや店頭でも脚光を浴び、「意外と何色とも合わせやすい」と若者の間で広まり続けています。
流行色がどういった理由での決定されてあれど、ほとんどトレンドになるのは間違いないようです。
【流行色が与えるイメージ】
ではPANTONE、JAFCAそれぞれが近年発表した流行色を見ていきましょう。
Ultimate Gray(アルティメットグレイ)
PANTONEは2021年のトレンドカラーを2つの組み合わせとして発表しています。一つ目が「Ultimate Gray(アルティメットグレイ)」。
グレー系のイメージとしてポジティブには「シック、渋さ、落ち着き」、ネガティブには「中立地味、迷い」などがあげられます。
Illuminating(イルミネイティング)
PANTONEのもうひとつのトレンドカラー「Illuminating(イルミネイティング)」。
イエロー系のイメージとしてポジティブには「明るい、元気、活動的」ネガティブには「安っぽい、派手、危険」。
この2色を組み合わせ色が2021PANTONEの流行色。
「洞察力や革新性、直観力(アルティメットグレイ)」、そして「知恵や経験、知性(イルミネイティング)」を組み合わせれば、強さと前向きさを同時に表現できるという狙いがあるようです。
Zero White(ゼロホワイト)
JAFCAは反対に「ZeroWhite」を2021年の色に選びました。
白系のイメージとしてポジティブには「清潔、神聖、シンプル」ネガティブには「味気ない、寂しい、厳しい」。
コロナ禍からの脱却によるスタート、本当の情報を見抜く「知性」、隠し事のない「清廉潔白」が望まれるとして、白が選定されました。
Very Peri(ベリー・ペリ)
PANTONEが2022年の流行色として選んだのは、「VeryPeri」。
赤紫の色味を帯びたダイナミックで紫がかった淡いブルーの新色です。
ブルー系のイメージとしてポジティブには「自立、誠実、知的、冷静」ネガティブには「冷たい、悲しみ、孤独、事務的」。
「誠実さと不変性を持つブルー」と、「エネルギーと興奮を象徴するレッド」を合わせて作られた新色はこういったイメージとは予想外に働いてくれるかもしれません。
Jolly Coral(ジョリー・コーラル)
JAFCAは「ジョリー・コーラル」を、2022年の色として選びました。
オレンジをベースとした、優しい蛍光色カラーです。
レッド系のイメージとしてポジティブには「情熱、生命力、愛情」ネガティブには「怒り、派手、争い、緊張」。
長く沈み停滞していた心にふわっと光が差すような鮮やかで軽いイメージがあります。
デジタルアート例
大胆な色使い×マンガ調×VeryPeri×JollyCoral
個人的な意見ですが、VeryPeriとJollyCoralって反対色のようでデザインやファッションでもかなりマッチすると思います。特にエスニックにダボっとしたコーディネートとかストライクです。
今ドキなスタイル、パンツと背景の色を逆にして明るめにアレンジしてもよかったですね。
大胆な色使い×ミニマリズム×Illuminating×UltimateGrey
この2色の組み合わせでイメージされるのは「強さと前向きさ」、と同時にシックな雰囲気と強調に役立つ印象も受けます。
画像は「声を上げる力はあるのに何もしようとはせず文句ばかり垂れている人」というメッセージ性を込めて作りました。
ミニマリズムというからには画像はいらず文字だけというのが究極だと思いますが、ダイレクトなIlluminatingカラーで強調したメッセージの補助としてマイク頭の男の画像とUltimateGreyの背景が働いてくれているではと思います。
大胆な色使い×アースカラー×レトロモダン×Set Sail Champagne
ストックフォト写真を提供するShutterstockが発表した2021年に注目したい3色のカラートレンドの一つ、「Set Sail Champagne」#FAEBD7。
個人的に今後長く流行り続けるんじゃないかなと思っている安定の色です。
その一例がサムネイル画像。レトロな雰囲気と落ち着くアースカラーを使用したわかりやすいデジタルアートです。
【最後に】
流行は移り変わるもの。
今回のPANTONEやJAFCAの流行色通りにデザインしても、きっと廃れまた新たなトレンドに押しつぶされるでしょう。
トレンドに敏感になるために発信媒体の大元をたどり、スピード勝負になる必要があるように考えます。
ただ流れに乗るだけでなく、いかにオリジナルを違和感なく乗せれるかもポイントになるかとは思いますが、スキルなくしたはできないことです。
今後もデザインについて学び、研鑽を積んでいこうと思います。
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