街を席巻するコラムニストたち
コラムの時代。
そう叫ばれるようになってから何十年経つことだろう。
依然としてその流れは衰えることなく、子供たちはスマートフォーンを片手にコラムを書いている。
憧れの職業としてのユーチューバーの隣にはいつも決まってコラムニストの文字が踊っているのは、あなたも知っての通りだ。
「街にあふれる伝説のコラムニストたち」
今では全国のコンビニチェーン店よりも、街でよく見かけるのは、街角のコラムニストの姿だ。彼らは昼夜を問わず街に現れ、声を上げて最新のコラムを展開する。人気のコラマーの前はたちまち人だかりができる。隙のない論調の前に共感の拍手がわき上がる光景を、きっとあなたも目にしたことがあるだろう。
「切れ切れのコラムが街をノックアウトする!」
彼らの素晴らしさはちゃんと伝えたいことを自覚しているということだ。そして、そのやり方は恐ろしく正確である。街から街へと渡り歩く内に、足腰も鍛えられたのだろう。コラムを語る姿勢にも一切のぶれはみつけられない。彼らはどこからやってきてどこへ向かうのか。その方向性を読むことは極めて困難である。
「光のように現れて影のように消えていく」
誰でも一度は憧れるコラムニスト。
実際私もその一人で、何度かコラムに似たものを書いてみた。
また、街角に立ちコラムを展開してみたこともある。
だが、30分しても彼らのように人を集めることはできなかった。
私に接近してきたのは、火をくれという帽子の紳士、小太りの黒猫、そして、降り立った雀だけだった。
なることは簡単である。
しかし、愛されるコラムニストになるには遠い道を行かねばならないようである。
「愛されるコラムニストへの遠い道のり」