夏、僕たちのコールラビ。
八百屋のおっちゃんに「今日の夕飯」をゆだねる回というのがある。ノープランで家の前の八百屋に行って、「今日の夕飯は?」って聞くと、その日の美味しい野菜をくれて、「ズッキーニのそばスパゲッティ」とか適当なことを言ってくるから、「何それ」って言いながら、でもちゃんと、それを作るんだ。そういう日のこと。
どう?よく分かんないけど、ズッキーニのそばスパゲッティっぽい?どこからがそばで、どこからがスパゲッティなんだろうな。
それから、こんなにも大きいスイカを「さっき切ってみたんだけど、ずいぶん小さくなっちゃったから、300円でいいよ」って、持ってかせてくれるとこを見ると、たいして商売になっていないんじゃないかって心配になる。
もう夏至だからさ、蚊取り線香に火をつけて、ベランダで食べてみた。美味しかった。自分だけの空間に守られた外だから、なんかベランダって楽しい。
ここからはさ、遠くに、汽笛の音が聞こえるんだよ。
「水上バスに乗りたいんだよね」って、夏が来ると、毎年言ってる気がするけど、毎年叶えないでいるの。
そうそう、あの本、買ったよ。
めちゃくちゃ面白かった。
そうしてやっぱり、料理っていうのは奥深くて、面白い上に美味しくて、ありがたいなぁって、そう思いながら、お腹すいた。
これを書いた時に、次の野菜を買う足しにどうぞってサポートしてくれたお金を使わせていただいて、ありがたく、次のお野菜を買いました。
ありがとう。
(コンセプト:八百屋に入荷される「なんだこれ」って食材を、レシピなど一切調べずにとりあえず煮る、焼くなどして自力で食べ方を考える)
noteという場所は、「何か面白いことをやってみたよ」って発信すると、なんとそれが次回作に繋がることもあるみたい。
vegetable、シリーズ第二弾の食材はこちら。
愛知県の皆さん、コールラビってなんですか?
ポケモンみたい。
地元長野県のスーパーには置いてなくて、これまでの人生で、見たことも聞いたこともない野菜です。私だけ?
もしかして、普通に有名かな。
開けてみると、こんなかんじ。
みどりトゲピー。
とりあえず、半分に切ってみることにします。
トン
え、激カタ。硬すぎて、包丁が負けそう。
全体重をかけたら、真っ二つになりました。
え・・・なんもない。
絶句です。
種も仕掛けもなさ過ぎる。
白いところは全部食べられるのか。
君はカブなのかい?
外側のトゲピーは何のための武装かい?
分かんないけれど、これを、とりあえず、焼くだの煮るだのしてみます。
その1 生
とりあえず、そのままで。
皮を剥くというよりは、もはや切り落とすかんじ。どこまでが皮なのかも分からないけど。
かぷり。
うん、美味しい。。。!
なんか、大根とジャガイモのいいとこを掛け合わせたみたいな?不思議な食感と味でした。
生で食べられる野菜です(たぶん)
そうとわかれば、この間フランスから友達が買ってきてくれた缶詰めを・・・
使おうと思ったんだけど、うん、これがなんなのか。よく分からない。
こういう時は、Google翻訳に頼ります。
されすじぇねるーーーず。うん、よくわからない。フランス語→日本語にしないから、そういうことになるのだと気付いた。
『接続可能』ってなんやねん。
ってことで、分からないので、開けます。
お魚だ!!!(無人島で魚釣れた気分)
絶対美味しいじゃん、ってことで、『コール・ラビ』と混ぜ合わせ、前菜をつくることにします。
その2 漬ける
生で食べられるとなれば、それは漬けてみようということです。キムチ漬け。
その3 焼く
どうなるか分からないけど、オリーブオイルとブラックペッパーをかけて、オーブンにゴー。
パリパリせんべいみたいになることを期待。
その4 炒める
なんだかもう、なんでもいいっしょ!と開き直ってきたので、マジカルソルトと片栗粉と粉チーズをまぶし、炒めてみます。合うかどうかは賭け!
じゅーじゅー。
その5 煮る
王道!お味噌汁の具材として、大根もジャガイモも優秀であることは周知の事実なので、こいつもきっとお味噌汁の具材には適しているでしょう。
大根ともジャガイモとも合う具材として、ナスも一緒に煮ました。
コトコトぐつぐつ。
はい、できあがり。
子供のころ、「ごはんよー。」って呼ばれて、それが当たり前のようだった時代にさ、今やっていることが終わるまで食卓になかなかつかなくて、「ごはんだってば!」って呼びにきたお母さんに謝りたい。
出来立てあつあつを、食べてほしいもんだよね。
ごめんね。
ありがとう。
コールラビ定食(需要なさそうな名前w)
ごはんよー。
うん、主役がそらまめみたいだね。
ごめん、コールラビ。
君は副菜みたい。
あの緑のトゲピーの要素が、皮を切り落としたらなくなっちゃったから、「緑」としてそらまめ茹でたんだけど、完全に主役の座は交代です。
ルッキズムは嫌だけど、どうしたって人間界に落とし込んだら、そらまめ君は陽キャだよ。
オレンジは1軍JK。
なんだよ軍って。
知らんけど、僕らはみんな、コールラビ。
いろんな料理で美味しくなるってことを、証明したよ。
一番美味しかったのは、意外にも“炒める”実験で適当に味付けしたおかずだった。
いろんな人と話したり、本意でも不本意でもいろんなお仕事をしたり、いろんな景色を見たりすることが、“味付け”なのかもしれないね。
そんなふうに思った。
ごちそうさまでした。
すべてのコールラビ農家の皆さんへ、多大なる感謝を!
そして、料理も創作、それを書き記すことで、また生まれる創作。
【 創ることって、とても楽しい。】
読んでくださった皆さまにも、多大なる感謝を!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 このnoteが、あなたの人生のどこか一部になれたなら。