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自己受容を上げる数式

 この記事では、知っておくと自然と自己受容が向上する数式をご紹介します。この数式は、野田俊作氏の著書『性格は変えられる』からの引用です。


高い理想や目標を持つように言われる世の中

 「理想や目標を高く持つように」と、家庭・学校・職場で言われて、私たちは過ごしています。その目標が手に届くうちは良いのですが、そのうち、だんだんと手に届かないくらい高い目標を設定するようになります。

 こういった年月を過ごしていると、いつの間にか「目標を達成できない自分」が当たり前になり、感覚が麻痺してしまいます。「いつまで経っても到達できない高みを目指し続けなければならない自分」に何の疑問も抱かなくなってしまいます。

 そのうち、理想に達していない自分はダメなのではないか、と思い始めます。これが自己受容が欠如し始めるきっかけなのではないか、と「性格は変えられる(野田俊作)」は示唆しています。

(理想の自分)-(現実の自分)=?

 以下は、この数式について同書が語っている部分です。

そうね、ともかく人生目標なんていうのは、本当は噓だと私は思っています。そういうモノを考えてしまうと、幸福になれないんだ。理想の自分というのを設定しておいて、その理想から現実の自分を引き算して採点すると、みじめになる。理想の自分なんか、どこにもいないんですよ。頭の中以外にはね。そういう奴のことは早く忘れることだ。

「性格は変えられる(野田俊作)」

 なるほど、現実の自分の状態は変わらないため、理想の「こうでなければならない」という自分が遠くにあるほど、自分はみじめな状態にあると認識してしまいます。

 一方で、著者は、理想を捨てることが正しいとは言っていません。理想を持つことは道具であり、しっかりと現実を見極めているのであれば問題はないと述べています。以下が該当箇所です。

理想は我々の道具であって、我々が理想の道具なのではない。私は、理想を捨てろとは言っていないんです。理想を本気にするなと言っているだけなんです。何が現実で何が空想かをはっきりと区別していれば、空想としての理想を持つことは素敵なことだ。 自己受容というのは、だから、理想を捨てることではなくて、何が現実で何が空想かを区別して、空想よりも現実の自分をまず好きになれ、ということなんです。

「性格は変えられる(野田俊作)」

自己受容の上げ方

 そう考えると、理想(空想)の自分を追いかけている限り、劣等感ばかりが募り、自己受容はなかなか向上しないことになります。著者は、理想の自分ではなく、今現在の不完全な自分を受け入れることが自己受容の第一歩だと説いています。

存在するのは、今ここにいるこの私だけなんです。私がこの私を好きになってやらなかったら、誰も私を好きになってはくれない。「いとしい私」って言える人だけが、「いとしいあなた」って人から言ってもらえるし、「いとしいあなた」って人に言う資格があるんです。まず、何が何でも、ありのままの自分を好きにならなくては。そこからすべてがはじまるんです。そのためには、自己理想とか人生目標とかいった考えは邪魔になる。

「性格は変えられる(野田俊作)」

 今の自分で何とかしていく、と決めることが大切だとも書かれています。

「この自分をどうすれば理想の自分と取りかえることができるだろうか」という質問をしている限り、絶対に正しい答えは返ってこない。「この自分をどのように使えば、最もうまく生きていけるだろうか」と問わないとだめだ。

「性格は変えられる(野田俊作)」

まとめ

 自己受容が難しくなっている原因として、理想の自分と現在の自分を比較することで劣等感やみじめさに繋がっている、という野田俊作さんの説を紹介しました。

 ここでの重要なポイントは、理想と現実の自分を無理に比べるのではなく、まず現実の自分を受け入れることです。具体的には、以下のような行動を心がけるのはどうでしょうか。

  1.  日々の自分の小さな成果を認める。

  2.  理想を道具として使い、無理に追いかけない。

  3.  自分に対して優しい言葉をかける習慣をつける

 私もこれまでに自己受容に関する書籍をいくつか読んできましたが、この説明が最もシンプルで、しっくりくると感じています。

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