お疲れ様と言わなくなって2年半
言葉の影響力を実感している人は多いだろう。言霊とまでいかなくても、心理学でいう、発する言葉にその人の潜在意識が現れているとか、言葉に行動が影響されるということを理解している人は多いと思う。
そんな現代日本であるが、いつ頃からか、日常的な挨拶として「お疲れ様です」「お疲れ様でした」「おつかれ」が言われるようになった。
私が記憶する限り、昭和の後半頃までは、労をねぎらうときに使うことはあっても、挨拶として使うことはあまりなかった。それが今では、会ってこんにちはの代わりに使ったり、電話に出るときに言ったり、あるいは別れるときに使ったりする。
たまたまかもしれないが、日本全体がなんとなく疲れているようになり始めた時期と、「お疲れ様」を挨拶がわりに使うようになった時期が重なっている。
そんなことにきづいたものだから、私的実験をしてみようと思った。それでお疲れ様を使うのをやめたのが、2年半くらい前。
初めの頃は、知らず知らずに口癖になっていたので、ぽろっと言ったり、相手のお疲れ様につられて言ったりしたが、今ではほぼゼロ(本当に疲れをねぎらいたいときには使うけど)。
同時並行でいろんなことをやっているので、これだけが原因ではないはずだが、この2年半で以前より疲れづらくなった。体力ももしかしたら三十代の頃よりあるかもしれない。仕事も増えている。集中力も上がっている。
挨拶なら、おはようございます、こんにちは、こんばんは、さようならに置き換えられるし、労をねぎらうときも、たいがいは、ありがとうございましたで代用できる。
私的実験は続く。