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[騒々しい]今年の我が家のお墓参り

週末にひと足早く墓参りに行ってきた。
義父が亡くなって2年と少しだ。

車をおりると子等が飛び出し
階段を駆け上る。

「骨折してんの忘れるなー!バケツ持つなよー!」
夫の声が響く。

墓に着くと、骨折してない方の長男が水をくんだバケツを持っていた。

「で、どうすんの?上からかけるの?」

「クイズ番組ではかけないって言ってるねー。夏とか暑そうだからかけたくなるけどいらんって聴いたことがあるわ。どっちでもいいけど春はねぇ…寒いんじゃない?」
と私が答えると

「ふーん。かけないのかよ。」
と長男はつまらなそうであった。

入れ替えようと思ってた花が、まだ綺麗なことに気がついて、長男に
水を変えてもらい、持ってきた花も追加してもらった。

なんか元気モリモリのお花になってしまった。

それから草を引き始める。
草は墓がまだ新しいのにちゃんと
生えてくる。

みんなしゃがんで小さなカタバミを黙ってつまんで抜いていく。

深くまで敷き詰められたはずの砂利の中には、風が運んできたのだろうかいつの間にか土がある。

その僅かな土をみつけて根をおろしたカタバミに少し感心していると

手を骨折した次男が、下の墓に落っこちそうな状態で草を引いていることに気がついた。

「なんだその格好は。脚まで折るなよ。」
夫の声がした。
なんかさ、最近どことなく亡義父に似てきてる。
私はちょっとおかしくなった。

家族揃ってのお墓参りに気持ちがリラックスした私は、お線香をいつもよりサービスしたい気分になった。

束のようなお線香いっぺん供えてみたかったんだよね!

宗派的には違うかもしれないけど、景気がいいのが好きだった亡義父は喜んでくれるだろ。

私はロウソクに灯した火をお線香に移した。

大変だ!!

線香の火がなかなか消えない!
どんどん燃えちゃう。

「何やってるんだ!かせ!」

夫の大きな声がして
バトンタッチした。
時限爆弾みたいだ。

夫も大いに苦戦して
最終我々は禁断の手段にでた。

息で消す。

孫の息なら許すだろ。
骨折した次男が
誕生日よろしく
燃え盛る線香に息を思い切り吹きかける。

酸素投入!!
炎はより一層激しくなった。

その後更に息を吹きかけたり
線香を振り回したりして
炎はようやく落ち着いた。

「なんだってこんなたくさんの線香に火をつけたんだ。」
ブツブツいってる夫がますます亡義父ににてみえる。

「なんかやってみたかったんだよね。ごめーん。」
謝りながらも私の顔はニヤついた。

「なんだそれ!結局かけんじやねぇかよー!」
長男が吼えている。

なんですか?
なんのことですか?

長男の視線の先をみると夫が
お墓石にジャアジャア水をかけている。
「清掃、清掃ー♬」
夫が長男をあおるように水をかけ続けている。

お墓がすっかりキレイになったので
我々はやっとのことで手を合わせた。

なんかグダグダだったけど
天国はどうせヒマだろうから
亡義父はこの騒がしい我々の墓参りを喜んでいるに違いない。

墓参りを終えて義実家に寄った。

義母は元気な様子で
来年度町内会で副会長になってしまった話をしてくれた。

クジで90歳を超える人が副会長になってしまって、満場一致でさすがに無理だろうということになった。

それでは何ができるかなと皆で考えた役が、たまたま義母が当たった役だったようで交代となったらしい。

「自治会あるあるだねー!」とみんなで笑っていたら

義母は
「そういやお父さん元気になったら次会長やるっていってたわー。ほんま会長やってから逝って欲しかった。」
とカラっと笑った。

お義父さん。ちょっとずつだけど確実にみんな元気になってきてます。

いいお墓参りだった。

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