真摯であることとのバランス
「心の処方箋」をはじめとする、人と向き合う河合隼雄さんの書籍を数冊読んだことがある。
真摯な姿に胸をうたれた。
河合隼雄さんのところへ辿り着くまでに、悩みを持った人はずいぶん心が膠着していたりする。
心がほどけていくまで、ただ待っててくれるその感じ。
何も考えずのんきに待っているわけでない。のんきそうに見えて真摯でなければいけないことを知っている。
この反動をどうするのか私は気になった。
普通の人は逆のことをしようとする。
天秤の皿に重りをのせるように釣り合いを取ろうとする。
ところが、お悩み相談を離れた河合隼雄さんの普段の顔は、人を楽しませる冗談を言うことで釣り合いをとっていたようだ。
これは天秤の反対の皿に新たな重りをのせるのではなく、
重りが乗った天秤の皿に、ヘリウム入りの風船を結びつけるようなものであり
私はとてもそれを眩しく感じる。
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