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ぽろり

いつもそうだ。

あの頃には戻れない。
車の中。
洋楽が流れている。
貸し切りのような道路。
こんな時ばっかり、赤信号に引っかからない。
左肘を肘掛けに置き、
人差し指と中指をほっぺたにくっつけながら、
片手運転している。
ふと思い出す。
高校生の頃の自分。
同じような毎日の繰り返しなのに。
とてつもなく光を放っている。
束で光っているような。
そんな感覚。

現実。
同じような毎日の繰り返し。
時間がただ過ぎて、ただ流れていく。
細く、ただ、流れていく。
そんな感じ。

僕はずっと同じ場所に居たかっただけなのに。
僕はずっと変わらないで居たかったのに。
変わっていくし、忘れていく。
忘れたくない。
あの時、ずっと、ずっと、ずっと、
ずっと

「おもしろかった」

家に着いた。
夜中にすみません。
階段を登る音。
鍵を開ける。
ドアが開く。
家に入る。
ドアを閉める。
靴を脱ぐ。
鍵を置く。
電気をつける。
また、この景色だ。

あと、どれくらい生きようか。

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