虐待や不登校や不眠症や薬物依存の子供がプロ占い師の幸せな男になるまでの話(仮) #4
今まで、辛い経験だけを書いてきたが、全てが全て酷かった訳ではなかった
父が会社の立て直しに成功したお陰で家には金があった
夏休みに海水浴場に行った記憶がほとんど無いのだが
父がクルーザーを所有していたお陰で夏休みは広島湾にある無人島で海水浴を楽しんでいたからだ
俺が船の帆先に座った状態で父が猛スピードで船を走らせてくれた、まるで命綱の無いジェットコースターのようなスリルのある遊びを味わえた
一階の工場を綺麗に掃除し、ブルーシートを敷いて車座になって会社の社員達と大勢で焼肉を楽しんだり
仕事納め後の正月は裏に住む伯父や祖父母も含めて千景一家で餅つきをしたり
楽しい時は楽しかった
過去そこにあった幸せまで否定し、不幸な事だけをカウントすれば
どんな人間でも自己憐憫に満ちた不幸な人間になってしまうものだと思う
「自分の人生はいい事が一つもなかった」
そう言いたい人はいるだろうがそんな人間は存在しない。
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