MGMの最高傑作~「巴里のアメリカ人」
最近、また自分の中でミュージカル映画ブームが再燃している。
「ウエスト・サイド・ストーリー」のようにストーリーも重視している作品も悪くないが、1940~50年代の純度100%のエンタテイメント作品はやはりよい。
そのいいとこどりをしたのが、1974年公開の「ザッツ・エンタテイメント」。MGM創立50年を記念してつくられたアンソロジー映画である。
これを見ると、女優ではやはりジュディ・ガーランドが抜きんでている印象。ダンスならばエレノア・パウエルやアン・ミラーも傑出しているが、歌と華やかさにおいてはジュディは特別な存在だったのだろう。
一方男優は、フレッド・アステアとジーン・ケリーのツートップということになろうか。個人的にはドナルド・オコナーが好きなのだが、「雨に唄えば」以外ではあまりお目にかかれないのが残念。
この「ザッツ・エンタテイメント」の最後に、MGM最高傑作と称している作品が「巴里のアメリカ人」である。ガーシュウィン作の音楽をモチーフにしたミュージカルで、MGMの顔であるジーン・ケリーの代表作でもある。パートナーを務めるのはレスリー・キャロン。
その後、「足ながおじさん」ではフレッド・アステアとも共演を果たしているが、デビュー作品ではジーン・ケリーと共演している。さすがデビュー作だけあって初々しさが際立つ。でも本作ではそれが役どころとマッチしていて、いっそう彼女をチャーミングに見せていると思う。
本作で特に耳目を引くのが、最後の15分以上にわたるダンスの場面。
その一部がこちらになる。
セリフはなくとも、観ているだけでうきうきしてくる。まさにザッツ・エンタテイメント!である。
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