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愛のかたまりとKing & PrinceとKinKi Kidsの話

作詞 堂本剛・作曲 堂本光一

という、字面だけでも強い曲たちの中でも最強に有名な歌であることは、事務所ファンの方なら皆さんご存知なのであろうと思う。

かつては社歌の一つとも言われ、後輩たちにも歌い継がれる、アイドルファンでなくても知る人の多い名曲だ。

これを、文字通り寝る間もないほど忙しかったという22歳で作ったというのも、もはや伝説であろうと思う。

音楽系の番組でも取り上げられたり、関ジャムで解説されたりなど、ここ数年私が知っている限りでも、定期的に取り上げられているし、あちらこちらで歌われたりしている。


先日も約1年ぶりに2人が揃う番組で歌う1曲として登場した。

当たり前に感動した。

僅かな光を反射するシャンデリアと背後からのライティングを背負った2人のシルエットだけで、KinKi Kidsだ…!と感動したし、いつものごとく一切お互いを見ることはないのにどこまでも寄り添う歌声に泣きそうになった。

KinKi Kidsの感動は何者にも変え難く、ひたすらにKinKi Kidsであった。

続くAmazing Loveでは25周年のお祝いドームを思い出して完全に泣いた。


そして、その週末、King & Princeが愛のかたまり歌ってくれた。

両方のファンである私には大層ありがたい冬のご褒美である。


Xにすでに勢いで書いたけれど、キンプリ2人がキンキ曲を歌うと知った瞬間に歓喜した。

1年半前、キンキの番組に出演した廉くんに、剛くんが「僕らも寄り添いますよ」と言葉を贈り、それをきっかけに光一くんがKing Kidsを企画し、その年のキンキのライブMCでは全公演でキンプリの話をしていたし、東京公演ではそんなキンキのライブを見学するキンプリ2人の姿があった。

そうやってキンキがキンプリに注いだ愛情を受け取って、キンプリはそれを敬愛という形で返してくれているようで、この2組の年の離れた唯一の先輩後輩デュオという関係と、大人で品のあるアーティストとしての敬愛の贈り合いにまず感動したし、双方のファンとしては双方の優しさと思いやりにどこまでもありがとうだった。


そこから1年、お互いに事務所関連のアレコレに追われ、キンキもキンプリも内情が大幅に変わった。

King Kidsなんてユニット名までつけておいて、その後なんの接触もないまま1年が過ぎようという時に、キンプリがキンキの曲をテレビで披露するという。

そりゃあこういった諸々の背景への複雑な想いと共にKing Kidsへの愛があった私としては大歓喜である。

しかも愛のかたまりだ。

それこそ愛のかたまりじゃないか、と思った。


その情報を読んだと同時に、反射的に歌のパートは廉くんが光一くん、海人くんが剛くん、というところまで強くイメージしてしまって、もちろんそんなとこまで発表されていなかったので、え?違ったらどうしよう?というほど、先走った自分が怖かった。

もっというと、青白いライティングに白いお衣装で立つ2人の姿まで一気に連想した。


ということで、番組の宣伝で白い衣装を見かけた瞬間、心で諸手を上げた。

(その後FNSでキンキも白い衣装で登場して、やっぱり白…!とその時も心で諸手を上げた)

けれど、見かけた宣伝のカットで、廉くんと海人くんの立ち位置がキンキと逆だったことに、最後までドキドキした。


当日、白い衣装でスタンバイし、イントロが始まったあたりで、また別の側面から私は感動した。

海人くんがとんでもなく別嬪さんで(知ってる)、続く廉くんが当たり前に別の美人さんで(知ってる)、知ってはいたけれど、キンプリ強…!!という、私の中でお顔の強いキンキに負けず劣らずの強さで、当たり前にわかってはいたのに、改めて私の大好きな2組4人全員違う種類の美人さん達でのけぞった。

と、同時に。

キンキファンとしてはあのライティングにもキンキを感じて、うわー…!と思ってしまった。

曲が始まると共にカメラが上昇し、それに合わせて背後に設置された複数のピンライトが、すーっと向きを変えた。

床に設置されたものは正面から上向きに、天井に設置されたものは下向きに。

しかもそのライトの色は青。

あのライティングは私の中でものすごく「KinKi Kids」で、相当キンキに敬意を払った演出だと感じたのだ。

そして落ちサビで赤に変わる。

私の印象ではキンキのライティングはかなり、青と赤を貴重とする。

キンキのメンバーカラーは、剛くんが青で、光一くんが赤だから。

これはキンプリ側が指示したのか、それともスタッフさんに長年キンキと仕事している方々がいるのか、どっちだろう、と思ったけれど、いずれにしても、KinKi Kidsに敬意を、という人たちが作ったものだというのがひしひしと伝わって、それもとても嬉しかったのだ。


ライティングの話に飛んでしまったけれど、2人の歌唱も見事だった。

正直、私はキンキファンでもあるので、キンキの曲はキンキが歌うのが一番というのがどうしても根底にある。

たぶん多くのキンキファンの人がそうだったと思うのだけれど、それはそれで置いておいて、キンプリ二人のこれでもかというほどの丁寧さに、キンキへのリスペクトを強烈に感じて、もう何よりもそこに感動した。

いつもあれほどニコニコと顔を合わせて歌う2人が、一切お互いを見ることなく、けれどもキンキのように声を寄り添わせて歌い、曲の印象、世界観を壊さないようにと、繊細に、丁寧に、宝物のように扱い、かといって、真似をするわけではなく、2人ならではの歌唱を聞かせてくれたのがわかったし、そういうあれこれがもろに伝わった。

これはもう…両方のファンな私は大感動だった。

キンキとキンプリの共通点はこういうところだろうと思う。

キンキの2人も、人な曲を歌う時、より丁寧に失礼のないようにと、礼を尽くして扱う印象があるし、実際本人たちもそういった言葉を残していたと思う。

カバーを披露する時は相手や曲をとことん大切にして、大事に大事に、宝物をお借りしている、という感覚で扱い、それを自分たちなりに丁寧に解釈し、自分たちなりに歌い、双方のファンに届けることで、リスペクトを表現してくれる。

そういう思いは、やっぱり伝わるものだと、私は思っていて、少なくとも私は勝手ながらそういうものを拾いやすいタイプだと自分では思っているので、半分妄想めいたものなのかも知れないけれど、見事に感動をいただくのだ。

そういう心のこもった歌唱は、とても優しい気持ちにさせてくれる、気持ちのいい感動で、大好きである。

それを、キンプリも見せてくれて、本当にありがとうしかなかった。


廉くんの歌い出しで、ああ廉くんが光一くんパートだ…!と歓喜した。

どこまでも丁寧に音を届けようと歌う海人くんの声と、寸分違わず寄り添いハモリを乗せてくる廉くんの声に、ありがとうと思った。


キンキのユニゾンハモリの1音目のアタックがズレるのは、少なくとも私は聞いた覚えがない。

ロングトーン終わりのビブラートまで揃うこともあるし、音を切り上げるタイミングも調子がいい時期は完全に同時になることも多く、1人の人間の声に聞こえると言われるくらいだ。

一切顔を見たり、せーの、というそぶりは見せない。

それでも、光一くんのハモリは剛くんのためのものだと思うくらい見事にだし、剛くんの主旋律も光一くんの美しいハモリのためのものだと思うくらいに感動する。

逆もまた然りである。


正直、キンプリもそのレベルで寄り添いあっている歌唱をする人たちとは気づいていなかった。

2人の声が合うのも知ってはいたのに。

キンキの、しかも、愛のかたまりを歌われたことで、改めて実感してしまった。

キンキの歌声とは違うし、キンキの持つ特有のあの哀愁があるわけではないけれど、キンプリの歌声も2人の声の寄り添い方はよく似ていて、2人の声がとてもよくお似合いで、歌い出しも歌い終わりも一切ずれなくて、どう聞いても「デュオ」のそれで、なんだかとても嬉しかった。


演出や衣装や歌唱の至る所に、キンキへのリスペクトは感じつつ、真似するわけでもない丁寧な彼らなりの歌唱に、きっと多くのキンキファンの姐さん方が賞賛をくれたのだろうと思う。

私が見かけたSNSでは、多くの人がキンプリの愛のかたまりを愛情を持って受け入れて、好意を示してくれていた。

キンプリ2人の愛のかたまりが好きだったキンキファンが、私だけではないこともなんだか嬉しかった。


以下、蛇足ではあるけれど、愛のかたまりの話としてちょっと語らせていただきたい。


このタイミングだから白状するが、4年ほど前までアイドルどころか日本の芸能に無知だった私は、この曲すら、小耳に挟んだ程度であったし、歌詞にもさほど良い印象はなかった。

我ながらびっくりするけれど、全くもって恋愛脳とはかけ離れた性格で、東京育ちというのも相まって、かの有名な歌詞に対して

彼女を電車に乗せたくないってどれだけ束縛男なの?彼と同じ香水ってだけでついて行きたくなるの?束縛彼氏に向かって素敵になってね?…え、なにその2人、こわ…

と、思っていたとんでもないやつであったのだ。

世間では「女子が共感できる歌詞」みたいな話があるのは耳にしていたが、私はカケラも共感しない系女子だった。

かつてそんなふうに思っていた人間だけれど、諸々の逸話を知った今となっては、この歌詞も私の中で一変して全く違う意味合いになっている。


曲が発表された時、彼らは22歳。

先日大千穐楽を迎え四半世紀の歴史に幕を降ろした、あのSHOCK初演の、約1年後だ。

当時、アイドルが帝劇に立つことに、批判が多かったという。

愛のかたまりは、A面ではなくカップリング曲で、そのA面曲に当時の光一くんは納得がいかず、キンキの音楽はこれだと、オトナたちや世間に全力で叩きつけたのが愛のかたまりだったという。

あらゆる方面で戦っていた光一くんと、共に戦い、時に見守っていた剛くんが、光一くんの想いを汲み取って乗せた歌詞。

噂話の域をでない話も多いのだろうけれど、色々な逸話を知れば知るほど、ラブソングという薄いベールで覆った剛くんから光一くんへの愛情を詰め込んだ応援歌にしか聞こえなくなった。


まだ幼い頃、関西から東京に二人で移動することも多かった時期、当時携帯もなかったため待ち合わせがうまくいかず、剛くんが先に一人で電車に乗って東京へ行ってしまったことがあったという。

後から合流した光一くんは「先に行くな」と文句を言うわけではなく、「一人で東京行ったら危ないやろ」と怒り、剛くんはそれを「ばかにするな」と反発するわけでもなく、「心配してくれて嬉しい」と受け取ったのだと、そんな話を聞いて、合点がいった。

電車移動が便利な東京に住んでいるのに電車に乗せたくないとか言い出す束縛男の話ではなく、大阪から東京への移動の際に、たった3ヶ月年下の剛くんを一人で行かせてしまったことに責任を感じ、剛くんの身を案じた10代そこそこの少年であった光一くんの話だったわけだ。

変わっていく姿すら愛おしくて、「この冬を超えて、もっと素敵になってね」も、SHOCKが再びその冬に控えていたことを思えば、「新たな挑戦を超えてこい」と、「お前なら成長できる、応援している」と、そういう背中を押す精一杯の愛情なのだと思った。

少々脱線するが、剛くんのソロデビュー曲である街も2002年5月に発表されているのだけれど、この曲の2番の歌詞に「君が苦しめられない保証がこの街にもあれば、勇気なしで背中押したけど」という部分がある。

ちゃんとキンキを知ってから初めてまともにこの歌を聴いた私は、この2番の歌詞の「君」も光一くんにしか思えなかった。

この一文の「この街」は光一くんが踏み入れたミュージカル界のことに思えて仕方がなくて、号泣した。

増える仕事の忙しさに潰されかねない心配と、知らない世界に挑戦しようとする相方を純粋に応援したい気持ちと、また世間に有る事無い事言われるであろうという心配と…それでもきっと負けることなくやり切るのだろうと信じる気持ちと…いろいろなものが混ざり合って、光一くんの背中を押すのに、剛くんには精一杯の勇気が必要だったのだろうとか思うと…その心の優しさに泣けてくる。

この歌詞に続く「強がる時がきたらこれはチャンスだって君ならきっと笑い飛ばせてるよね」が、コロナ禍でエンタメが殺されかけ、多くの人が暗闇の中で肩を落としていた時期に、こんな時だからこそと誰よりも先に顔を上げ、コロナ禍という誰も経験したことのないとんでもなく縛られた状況を利用してSHOCKのスピンオフを新たに作り上げた光一くんでしかなくて、20年近くも前からその行動を予言していたようで、それもまた泣きに泣いた。

お互いにソロ活動が増えて、寂しさもありながら、一人で新たに経験した結果自分だけが知り得たものを、誰よりも先に教えたくて、見せたくて、共有したかったのは相方だったんだろう。

価値観が違っても、違うからこそそれを活かして進むのも、お互いがお互いにゲラで1秒で相方の笑顔が作れるのも、まさにKinKi Kidsの武器だと思う。

そういうものを、万人に聞かれるであろうラブソングの中に織り込んで、未来永劫残るであろう作品として形にしてしまう22歳の剛くんの激重さ加減も最高だと思った。


「あなた”で”よかった」というのも、自らが恋をして付き合い始めたと言うよりも、外因的な流れで出会ったのがたまたまその相手だったという背景を表していると、そんなようなことを誰かが言っていたのを聞いた時も鳥肌だった。

まさにそうで、珍しいはずの苗字が一緒の美少年がたまたま2人いて、だから引き合わされて、2人セットで動くことが多くなって、そのまま事務所初のデュオとしてデビューした。

今一緒にいるのが「あなた"で"よかった」。

「心」が「あなたでよかったと歌う」のだ。

10代の頃は忙しすぎて心が壊れかけていたと、剛くんは話してくれている。

知らない世界にいつの間にか二人で飛び込んでいて、気付いたら寝る暇もないほど、心が壊れかけるほど働いていた。

その時に、隣にいたのがあなたでよかったと。

それを、「キンキの音楽はこれだ」と、光一くんが作った曲に乗せる。

「あなたでよかった」と。

号泣である。


出来上がった曲は、表向き女の子の恋心を表す歌詞に、切なく美しいメロディだ。

なんて秀逸な出来だろうと、最初に諸々を知った時は本当に驚いたし、考えすぎてその後曲を聴けば涙腺が震えるようになってしまった。

心中バージョンとも言われる、バラードバージョンで歌われたものならもう一瞬で泣く。


もちろん本人たちはそんなことは一言も言っていない。

光一くんが「剛くんに歌ってほしいメロディ」であることと、剛くんが「光一が女性詞を歌ったらセクシーやろなと思って女性目線の歌詞で書き始めた」ということは公に言ってくれている。

それがKinKi Kidsなのだ。


それ以外は私の妄想が勝手に突っ走っただけだけれど、きっと多くのファンの人が感じているところではなかろうか。

と、勝手に思っている。


私としては、若きキンキがオトナや世間に「これがKinKi Kidsだ」と叩きつけた渾身の名曲を、「これがKing & Princeだ」と再構築に奮闘している若きキンプリが、あんなに見事に歌ってくれたのが最高に嬉しかった。

2組が大好きな私のためでしかない。(絶対違う)

キンプリ二人がそんな逸話じみた歌の背景のアレコレなんて知る由もないだろうけれど、間違いなく男性デュオの名曲でもあるので、シンプルに両方のファンとしてとても嬉しかった。

そんな粋な計らいをセッティングしてくれた各所にも感謝だった。


諸々の状況から、今後King Kidsは難しいのかな、とは思うけれど、こうして間接的にKing Kidsを感じさせてくれたのも幸せであった。

ファンをはじめ周囲を大切にする彼らの素敵な人柄を感じられたのも幸せだった。

精一杯のありがとうを、ネットの海にそっと流しておこうと思う。

たくさんの幸せをたくさんの人に届ける彼らにも、素敵な冬を過ごす時間があることを祈って。


おまけ

本家KinKi Kidsの愛のかたまり貼っておきたい。

日付は違うけれど、キンプリ2人が見学に来てた2023-2024のライブバージョンで、ストリングスも入ったキンキお抱え生バンドの音の厚みも楽しめる。

ドームの天井席で泣いた。

最後に私の中のKing Kids記念日が制定された動画達も並べておく。

ありがとうKing Kids


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