#3-2 続けるには、続けないといけない状況を作ること:【教員インタビュー:青山雄太先生 #2】
みなさんこんにちは。リフレクションメソッドラボラトリー事務局です。リフレクションメソッドラボラトリー(以下RML)では「MAWARUリフレクション」というプロジェクトを行っています。
MAWARUリフレクションは、「リフレクションによる個人の気づきが周囲に循環し、社会を変える」をテーマに、教育にリフレクションを取り入れる活動を2016年から続けているプロジェクトです。(プロジェクトHPがありますのでぜひご覧ください。)
本記事では、MAWARUリフレクションで新しく始めた「教員インタビュー」の記事をお届けします。教育現場で、先生がどのようなことを考えているのか、とても面白い内容になっていると思いますので、ぜひご一読ください。
第3回の先生は、神奈川県でオルタナティブスクールの先生をされている青山雄太さんのインタビューです!いつものようにPodcastも用意していますので、ラジオ代わりにもぜひ聴いてみてくださいね。
それではどうぞ!
リフレクションの実践について
先ほどお話しましたが、何かと繋げるということはとても大事だなと思っていて、そのお話をさせてください。
教員時代、私は、一筆箋(小さな手紙)を毎日書いて、子供たちに渡していました。
1ヶ月で全員まわし、1日あたり、2人ほど書いていました。なぜ、それを行おうと思ったかというと、学級通信だと全員に向けて書くので、一斉授業のように一人一人に届きづらい。一人一人に届くように書こうとすると時間がかかり、働き方的にも厳しいなと考えました。
一筆箋の内容は、個人的な学級通信みたいな感じで、その子の日々の良かったことを書いていました。ただ、最初それが続かなくて、悩みました。それでどうして続かないのかなと考えてみると、記録に残してないからだと思いました。
そこで、一筆箋を並べて、写真に撮ったりするようになりました。すると、これは、学期末の所見に役立ちそうだと気付きました。一筆箋で書き、所見でも似たことを書くので、2回その子や親に届くことになるのですが、その子の強みを書いているので、良いことだと思い、続けるようになりました。
学期末の通知表の材料にしようと考えると急にやり出すようになる。その経験から、人は何かと繋げると続くようになるんだと実感しました。
私には、現在、リフレクションを伴走している先生方が2名から3名います。先生方には、続く人と続かない人がいます。続く人に「なぜ、続いているんですか?」と聞くとほとんどの人が「青山さんに見てもらえると思うからです」と言われます。でもそれでは、私がいなくなったら続かないということなので、駄目だと思うんです。
ですので、続けないといけない状況を作るということが重要だと思っています。
一筆箋を並べて俯瞰してみると、それはリフレクションの材料にもなります。理論的なこと、学術的なことは、私より専門的な方々がいるので、私は、自分自身の実践的な話に偏りますが、そうやってサボれない状況を作ることが大事なことだと考えています。それが今の実践に繋がっています。
リフレクションを繋げる工夫
私は、毎日、車の帰り道にiPhoneの音声機能を使ってリフレクションをしています。今の音声入力は句読点まで、自動で記録してくれて凄いんです。
私は、グーグルフォームに音声入力で答える感じでリフレクションをしています。
今日あったことや子供の様子を話します。強化するべきこと、改善するべきことについて話します。また、思いついたタスクについて話します。そんな風にリフレクションしていきます。
他にも、ヒミツキチ森学園では、storyparkというサービスで、ラーニングストーリーというものを書いています。
これは、子供たち一人一人にあてた学級通信のようなものと考えて頂ければと思います。2週間で全員に届くようにその子の強み等、写真のようなことを書いています。
テーマを選んで書く場合もあれば、エピソードを見て、どの項目に当てはまるかとか考えながら書く場合があります。これを「チャイルドノート」のところに書き、音声メモで撮ったものを貼り付けるイメージです。
エピソードをご紹介させてください。これまで幼い本を選びがちだった子が、私が、読み聞かせを行い一緒に読むというところから、はじめて「自分で読む」と言って一歩を踏み出したお話です。これまでは、何か言い訳というか、できそうにないと言う言葉を言っていたのですが、その時は、「続きを読む」と言って・・そのような一歩が凄いと思って・・。
子供たちへのノートは、2週間に1回ほど書いています。こういった取り組みがリフレクションとなり、またそれに対するご両親のコメントを見て考えるということもあります。
音声を取らないとこの作業ができなくなります。また、またノートが書けなくなると、通知表もかけなくなります。そもそも毎日の音声入力のリフレクションをさぼってしまうと、このようなことができなくなってしまいます。
何かの活動と繋げることがリフレクションになっています。
さっきのノートは、スタッフも見れるので、ヒミツキチ森学園の仲間との共有にも繋がっています。
また、もっと具体的に深めたい、この場面モヤモヤするなとかある場合については、コルトハーヘンの8つの問いを使いながら振り返っています。
また、ここ大事だなとか、しっかり振り返りたいなという場合、この材料を使って、翌朝ノートに書いてまとめ、振り返りにしています。
生井:仕組みも進化しているし、いろんな新しい取り組みが生まれているんだなと感じました。 凄く興味深いお話ありがとうございました。
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本記事はここまでです。更新は毎週木曜日です。
第3回目もお楽しみに!
【青山先生インタビューの記事】
# 3 -1 青山先生インタビュー1
# 3 -2 青山先生インタビュー2(本記事)
# 3 -3 青山先生インタビュー3
# 3 -4 青山先生インタビュー4
インタビュアー 生井・山下
執筆:山下
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